以前、深夜テレビで『深夜食堂』という小林薫が主演のドラマをやっていた。
小林薫といえば唐十郎劇団出身の性格俳優だが、シリアスものからナニワ金融道の極道取り立て屋まで演じる大好きな役者だ。
もし、このドラマを観たことがないなら、最近DVDになったと聞くからぜひ観てほしい。
ギャラクシー賞10月度月間賞を受賞したと聞くし、韓国でも話題になってリメイク化されるそうだ。
そこは新宿ゴールデン街で深夜0時から朝まで開店する『めしや』だが、裏社会で生きる男や女が夜な夜なこの店に集まってくる。
小林薫はこの店の主だ。
素性は誰も知らないが僕はもとは筋者で、それも名の知れた兄貴だと思って観ていた。
「注文してくれりゃ、あるもんなら何でも作るよ」がこの主の口癖だ。
警察にこれから自首しようとするチンピラヤクザが、ラーメンを作ってもらう。
この店で彼が作るラーメンはインスタントラーメンだ。
でも、味付けに工夫があるのか主の心のトッピングなのか、このラーメンを食べた人はみな涙を流しながら旨そうにラーメンをすすっている。
この青空食堂という名の2M四方の犬小屋(しっ失礼)のような、小さな立ち飲み屋が以前から気になっていた。
この日はKさんのGr展に伺って、帰りに飲みましょうということになったが、北畠のような山の手では気の置けないお店がなかった。
そのとき、ふと思い出してこの青空食堂の話をしたら行きましょうということになって、路面電車に揺られて阿倍野斎場前へ やってきた。
美味い!安い!いや、やっぱり美味い!(笑)
目の前の鉄板でマスターが焼いてくれる焼肉セットが一人前500円だが、味付けも量もお店では1000円以上は確実に取られる。
片側3人づつで6人ほど立てば満員で、雨が降っても軒下もない、まさしく『青空食堂』だ。
ただ、時折り目の前を通過する路面電車のチンチンという発車音と、晴れた夜なら少ないながらも星空と夜風が気持ちよく心の酔いをも誘ってくれます。
この夜はKさんにお腹いっぱいご馳走になりました♪