杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

つくもがみ笑います

2024年11月03日 | 
畠中恵(著) 角川書店

人から百年以上大事にされた品物は、人ならぬ、つくもがみになるという。
江戸は深川で損料屋を営む出雲屋では、主人の清次と妻のお紅、跡取りの十夜とともに、そんなつくもがみたちが仲良く賑やかに暮らしていた。ひょんなことから、大江戸屏風に迷い込み、二百年前にタイムスリップしたり、旗本屋敷の幽霊退治にかり出されたり。退屈しらずのつくもがみたちが、今日も大奮闘!(内容紹介より)


「つくもがみ貸します」「つくもがみ、遊ぼうよ」に続く第三弾。
野鉄(.蝙蝠の根付け)・月夜見(.掛け軸)・お姫(姫さま人形)・うさぎ(櫛)・猫神(.猫の根付け)ら付喪神 (長い年月を経た道具などに魂が宿ったもの )と人である古道具屋兼損料屋の出雲屋清次とお紅 の息子・十夜らの交流と彼らが巻き起こす騒動を描いた物語です。今回は.両国の口入屋の主人・阿久徳屋(久徳屋阿喜夜)と養子の春夜、旗本の篠崎、山白伊勢守ら侍たちも絡んできます。
付喪神たちは他にそう六(絵双六)、 黄君(琥珀の帯留)、唐草(金唐革の紙入れ)、
青海波(守袋)など。

語り手は野鉄
・つくもがみ戦います
語り手は野鉄
出雲屋のつくもがみたちは、かどわかされた先で久徳屋のつくもがみの安真刀(脇差)、文字茶(茶碗)、青馬(陶器)と知り合います。出雲屋の付喪神の噂を聞いた悪徳屋が、もっと付喪神を増やそうと彼らを攫ったのですが、大人しく言う事を聞く彼らではありませんから、逃げ出そうとして騒ぎになるんですね😁 彼らを探しにきた出雲屋清次と十夜の前に現れた春夜は十夜に「兄さん」と呼びかけます。

・二百年前
語り手は猫神
付喪神となっていた”大江戸屏風”の中に阿久徳屋と出雲屋の付喪神たちが入り込んで騒ぎとなります。 屏風の持ち主の飼い猫に追いかけられた利休鼠.(鼠の根付け)を助けようと屏風に入り込んだ出雲屋の付喪神たちは、200年前と今の違いを調べるよう言われた阿久徳屋の付喪神たちと再会します。月夜見に教えられ、阿久徳屋の付喪神たちは、相棒だった加羅刀(大刀)と寿々女(扇子)を取り戻すことができました。

・悪の親玉
語り手は再び野鉄
阿久徳屋が春夜を伴って出雲屋を訪ねてきます。十夜の名の由来を話し、本当の親の手掛かりを餌に頼み事をしようとしてきっぱり断られますが、その後行方知れずとなってしまった彼を探す羽目になるんですね。旗本・山白家の幽霊騒ぎを解決したのは当の阿久徳屋と付喪神たちでした。自らを悪徳屋と称する阿久徳屋ですが、実はけっこう善い人のようです。

・見つかった
語り手は五位(煙管)
付喪神たちが屏風から持ち出した大判の噂が広まったことでまたまた騒ぎとなります。捨て子だった十夜や春夜の親と名乗る者が続々現れるのですが、出雲屋が大判を持っているという噂が武家に広まったのが理由でした。また阿久徳屋自身も加羅刀、安真刀と共に捨てられていたことがわかります。自分も飛べるのに仲間たちがいつも野鉄を頼るのが面白くない五位でしたが、徐々に彼の活躍の場も増えてきました。😀 

・つくもがみ笑います
阿久徳屋親子と春夜が武家に襲われ、その後阿久徳屋が殺されかけたのは、彼の出自に関係があるのではと、縁のあった伊勢守を訪ねます。そこで”百年君”の噂の事を知った彼らは自分たちの身の安全を守るため、その行方を探すことになります。九曜紋の殿様も巻き込んだ末に大江戸屏風と家紋の難儀にけりをつけた後、百年君が上野・寛永寺にあると推測した十夜たちは殿様を通じて寺に参拝に出かけ、堂宇の部屋全体に描かれた絵が全て付喪神になっていることを知ります。

語り手は五位
今回殆ど出番がなかった十夜の幼馴染みの小間物屋・すおう屋の三男・市助と、料理屋鶴屋のこゆりですが、こゆりに縁談がきたことで関係が微妙に変化しそうです。十夜と市助はこゆりが好きなようですが、そこに阿久徳屋がこゆりは他に好きな男がいると言ったものだから二人は落ち込んでしまいます。そこで二人を慰めようと宴会が始まり付喪神たちもわいわいと・・・😁 

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