それは公演５日目のことだった。偶然にも出演者達がほぼ同時刻に同じ場所で遭遇し、ある人物を目撃していたのだった。
以下が各自の証言である。
田中悟 「地下鉄であす美さんと会って、そのまま一緒に西長堀駅を出て歩いてたら、数十メートル先の信号をその人物が横切ってたんです。」
山本あす美 「確かに悟さんの言うとおり私も見かけました。横断歩道を渡りきったところで、今度は赤信号の前で立ち止まりましたね。」
ことぶきつかさ 「恐らくその人物は、交差点の向こうにある天下一品のラーメンを食べた後に木材会館に向かう途中やったんとちゃうかな？」
ナツメクニオ 「そう言えば、つかささん、会場入りする前に天一のラーメン食べてたって言ってましたよね。」
ことぶきつかさ 「うん。店を出た時にその人物を見かけたんやけど、相手も気がついてなかったようやし、とくに声掛けることもなく会場に向かってん。」
白木原一仁 「僕、ちょうどその時、交差点にあるコンビニにいました。窓ガラス越しに見かけましたよ。ほんまです、ねえ、あす美さん。」
山本あす美 「はい、私コンビニに寄って白木原さんと会いましたから。確か１２時５０分頃やったと思います。」
田中悟 「あす美さんコンビニに行ったもんね。そこでシロッキーさんと会ったってことか。」
竹越勝彦 「僕は白木原さんが来るまで、そのコンビニにいました。」
ナツメクニオ 「あ、僕はタケちゃんが入る前にそのコンビニにおってん。」
ゆ～じ☆ 「俺もその時、交差点付近で見かけたよ。」
田中悟 「ゆ～じ☆くん、どこにおったん？」
ゆ～じ☆ 「同じ信号で止まってた。バイクに乗って車道におったから誰も気付かんかったようやけど。悟さん携帯のカメラ持って、後ろからその人物にそ～っと近づいて行ってたでしょ？」
田中悟 「え、見てたん？」
ゆ～じ☆ 「明らかに不審な動きしてましたよ。昼間から何してるんやろ、この人・・・って思って。」
田中悟 「いや、信号待ちしてる後姿があまりにもそれっぽかったんで、何となく写メっとこ思て。これが、その時の証拠写真やねん。」
大澤真也 「お、おう・・・ラーメン食べたよ。て言うか、なんで写真撮られてるのか分からん。」
田中悟 「火村が信号待ちしてるように見えて面白かったから。」
大澤真也 「それも意味分からん。」
田中悟 「出演者がほぼ全員同じ時刻にあの交差点付近にいたってことか。あれ？のっちはその頃何してたん？」
野島彩加 「楽屋で皆さんの衣装にアイロンかけてました。」
あ、ありがとう、のっち。
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