有栖川有栖さん原作ミステリーイベント『???』の余韻も徐々におさまりつつあります。
今日はトークイベントでは話せなかった個人的な思いを、
気ままに綴りながら気持ちや脳の整理をしようかと思います。
話せなかったと言っても、
話してはいけない理由があったり、言うに言われぬ思いがあったりした訳でなく、
単純に時間の問題だったり、そんな感じなので、
内容はトークイベントの延長みたいになりますけど、
良かったらお読みください(^-^)
【アリスを演じるにあたって】
去年のトークショーでもお話しましたが、
何はともあれ作家アリスを演じるなんて・・・大大大プレッシャーです(^^;
既に原作ファンの皆さんが全国にたくさんいらして、
P・T企画さんの火村シリーズにもご常連さんがいらして、
そんな中、途中から「アリスでーす」って僕が登場する訳ですから、
そのプレッシャーは凄かったです。
(※僕は名作選・火村シリーズ5作目『ブラジル蝶の謎』よりアリス役で出演しています)
でも役者としては敵前逃亡なんて有り得ないので、
やると決まれば一直線でしたけどね。
「ミステリー名作選のお客様をがっかりさせない。
そのために出来ることは全部する!」
と覚悟を決めました。
まずは役作りのために原作を読み漁ったのですが・・・
僕にはすぐにアリスの姿が掴めませんでした。
物語の語り手であるアリスの視界には、当然ですがアリスがいない。
アリスは主に火村を見て、火村を語っている訳ですからね。
しかし原作ファンの脳裏には、
アリスという人間像がちゃんと確立されている。
「役作りにひとつの正解はないけど、間違いはたくさんある」
と、去年のトークイベンで言ったのは大澤くん。
まさにその通り。
大きく間違ったアリスを登場させたら、
やっぱりお客さんはがっかりすると思うんです。
見た目のイメージとか、髪型とか、衣装とか、
PT企画さんとたくさんディスカッションしましたし、
アリスの人間像、その役作りに関しては演出のめぐさんに相当相談もしました。
でも、結局は雲を掴むがごとく。
散々考え抜いた結果、僕が名作選でアリスを演じるなら、こないになりますねん…
というアリスが皆様の前に登場したのでした。
今もまだ僕にとってアリスは空気のような存在です。
掴みどころがあるようなないような。
ただひとつ僕なりに拘っていることがあるとしたら、
僕にとってのアリスは…“強い人”だってこと。
強いと言っても彼は決してストロングじゃない。
むしろ誰にも勝てないし、誰にも勝たない。
でも負けないのである。
勝たないけど負けない。
何があってもへこたれないのである。
そういう意味においてアリスはとても強い人なんだと思います。
そして優しくて、ちょっとアイロニックで面白い。
事件がひとつ解決するたびに彼は涼しい風になって、
殺伐とした世界に最低限度の柔らかさを齎すのである。
でも、本人はそれを自覚していない。
それがアリスのいいところなんだと僕は思っています。
※トークイベントのひとこま。P・T企画さんのブログより。
【ミステリー名作選を演じるにあたって】
これがもし映像作品だったら、
これがもし通常の演劇作品だったら、
僕の演技も役作りもまったく違ったものになっていたと思います。
重要なのは、
ミステリー名作選が観客参加型のミステリーイベントであるということ。
お客様は演劇鑑賞のためだけにお越しになられているのではなく、
推理をするためにイベントに参加されている訳ですね。
名作選においてアリスが担う役割は、
参加者の皆さんと一緒に謎解きに取り組むこと。
イベントの『進行役』と言ってもいいかも知れません。
わりと大きな会場で一度に沢山の皆様とご一緒することが多いので、
必然的に声も大きくなりますし、身振り手振りも大きくなります。
あっちこっちに走り回ったりもします。
僕が読者の立場で原作を読む限りでは…田中のアリスはちょっと元気過ぎるかも(^^;
もうちょっと肩の力を抜いて飄々とした人物像を表現したい気持ちもあるのですが、
推理イベントを進行させていくには、
それなりのエネルギーが必要不可欠ですね。
ミステリー名作選でアリスを演じるのは体力勝負だと思っています。
それと参加者と名探偵火村を繋ぐパイプ役になるのも、
アリスの大切な役割だと感じています。
アリスが火村に質問をする時、それはお客様の代弁だし、
火村の説明をアリスが復唱する時、それはお客様への説明となります。
なので分かりやすく、はっきりと全ての台詞を口にする必要がありますね。
あと、アリスは名作選におけるドラマ部門の担当でもあると僕は思っています。
本格ミステリーとはなんぞや?というお話云々はさておき、
台本に少しでもヒューマンな要素がある限り、
僕は役者として登場人物の「心情」をユニークに表現したいのです。
アリスはとても人間味溢れるキャラクターですからね。
ただちょっと僕のアリスは笑いの要素が多すぎるかも知れませんね(^^;
これは田中悟の出自が喜劇にあるからだと思われますので、
どうか皆様にはお付き合いを願いたいところでございます。
※『幻坂』に先生のサインを頂きました(^-^)
正直なところ僕は推理がとても苦手です。
ロジカルな思考の持ち主ではなく論より感情を優先する性格ですから。
普段から根拠なき閃きを頼りに生きています。
そんな僕がミステリーイベントに長く関わっているのも、思えば不思議なご縁ですね。
有栖川作品に出会えたことは大きな大きな幸せです。
公演が終了してあらためて原作を読み直しました。
本格ミステリーにミステリー以外の付加価値を抱くことが許されるなら、
僕は有栖川作品に漂う人間味を何よりも愛したい。
そして登場人物達の心の揺れに同調しながら、
これからも可能な限りアリスを演じ続けたいです。
長くなりました。
まだまだ語り尽くせませんが…今日はここまで。
最後までお読み頂き有難うございます。
ではまた火村のフィールルドワークでお会いしましょう☆
今日はトークイベントでは話せなかった個人的な思いを、
気ままに綴りながら気持ちや脳の整理をしようかと思います。
話せなかったと言っても、
話してはいけない理由があったり、言うに言われぬ思いがあったりした訳でなく、
単純に時間の問題だったり、そんな感じなので、
内容はトークイベントの延長みたいになりますけど、
良かったらお読みください(^-^)
【アリスを演じるにあたって】
去年のトークショーでもお話しましたが、
何はともあれ作家アリスを演じるなんて・・・大大大プレッシャーです(^^;
既に原作ファンの皆さんが全国にたくさんいらして、
P・T企画さんの火村シリーズにもご常連さんがいらして、
そんな中、途中から「アリスでーす」って僕が登場する訳ですから、
そのプレッシャーは凄かったです。
(※僕は名作選・火村シリーズ5作目『ブラジル蝶の謎』よりアリス役で出演しています)
でも役者としては敵前逃亡なんて有り得ないので、
やると決まれば一直線でしたけどね。
「ミステリー名作選のお客様をがっかりさせない。
そのために出来ることは全部する!」
と覚悟を決めました。
まずは役作りのために原作を読み漁ったのですが・・・
僕にはすぐにアリスの姿が掴めませんでした。
物語の語り手であるアリスの視界には、当然ですがアリスがいない。
アリスは主に火村を見て、火村を語っている訳ですからね。
しかし原作ファンの脳裏には、
アリスという人間像がちゃんと確立されている。
「役作りにひとつの正解はないけど、間違いはたくさんある」
と、去年のトークイベンで言ったのは大澤くん。
まさにその通り。
大きく間違ったアリスを登場させたら、
やっぱりお客さんはがっかりすると思うんです。
見た目のイメージとか、髪型とか、衣装とか、
PT企画さんとたくさんディスカッションしましたし、
アリスの人間像、その役作りに関しては演出のめぐさんに相当相談もしました。
でも、結局は雲を掴むがごとく。
散々考え抜いた結果、僕が名作選でアリスを演じるなら、こないになりますねん…
というアリスが皆様の前に登場したのでした。
今もまだ僕にとってアリスは空気のような存在です。
掴みどころがあるようなないような。
ただひとつ僕なりに拘っていることがあるとしたら、
僕にとってのアリスは…“強い人”だってこと。
強いと言っても彼は決してストロングじゃない。
むしろ誰にも勝てないし、誰にも勝たない。
でも負けないのである。
勝たないけど負けない。
何があってもへこたれないのである。
そういう意味においてアリスはとても強い人なんだと思います。
そして優しくて、ちょっとアイロニックで面白い。
事件がひとつ解決するたびに彼は涼しい風になって、
殺伐とした世界に最低限度の柔らかさを齎すのである。
でも、本人はそれを自覚していない。
それがアリスのいいところなんだと僕は思っています。
※トークイベントのひとこま。P・T企画さんのブログより。
【ミステリー名作選を演じるにあたって】
これがもし映像作品だったら、
これがもし通常の演劇作品だったら、
僕の演技も役作りもまったく違ったものになっていたと思います。
重要なのは、
ミステリー名作選が観客参加型のミステリーイベントであるということ。
お客様は演劇鑑賞のためだけにお越しになられているのではなく、
推理をするためにイベントに参加されている訳ですね。
名作選においてアリスが担う役割は、
参加者の皆さんと一緒に謎解きに取り組むこと。
イベントの『進行役』と言ってもいいかも知れません。
わりと大きな会場で一度に沢山の皆様とご一緒することが多いので、
必然的に声も大きくなりますし、身振り手振りも大きくなります。
あっちこっちに走り回ったりもします。
僕が読者の立場で原作を読む限りでは…田中のアリスはちょっと元気過ぎるかも(^^;
もうちょっと肩の力を抜いて飄々とした人物像を表現したい気持ちもあるのですが、
推理イベントを進行させていくには、
それなりのエネルギーが必要不可欠ですね。
ミステリー名作選でアリスを演じるのは体力勝負だと思っています。
それと参加者と名探偵火村を繋ぐパイプ役になるのも、
アリスの大切な役割だと感じています。
アリスが火村に質問をする時、それはお客様の代弁だし、
火村の説明をアリスが復唱する時、それはお客様への説明となります。
なので分かりやすく、はっきりと全ての台詞を口にする必要がありますね。
あと、アリスは名作選におけるドラマ部門の担当でもあると僕は思っています。
本格ミステリーとはなんぞや?というお話云々はさておき、
台本に少しでもヒューマンな要素がある限り、
僕は役者として登場人物の「心情」をユニークに表現したいのです。
アリスはとても人間味溢れるキャラクターですからね。
ただちょっと僕のアリスは笑いの要素が多すぎるかも知れませんね(^^;
これは田中悟の出自が喜劇にあるからだと思われますので、
どうか皆様にはお付き合いを願いたいところでございます。
※『幻坂』に先生のサインを頂きました(^-^)
正直なところ僕は推理がとても苦手です。
ロジカルな思考の持ち主ではなく論より感情を優先する性格ですから。
普段から根拠なき閃きを頼りに生きています。
そんな僕がミステリーイベントに長く関わっているのも、思えば不思議なご縁ですね。
有栖川作品に出会えたことは大きな大きな幸せです。
公演が終了してあらためて原作を読み直しました。
本格ミステリーにミステリー以外の付加価値を抱くことが許されるなら、
僕は有栖川作品に漂う人間味を何よりも愛したい。
そして登場人物達の心の揺れに同調しながら、
これからも可能な限りアリスを演じ続けたいです。
長くなりました。
まだまだ語り尽くせませんが…今日はここまで。
最後までお読み頂き有難うございます。
ではまた火村のフィールルドワークでお会いしましょう☆