田中悟の片道旅団

大阪で芝居と弾き語りをしています。

『魚の森で・・』製作日記 4

2009年04月30日 | 日記
『ひとりじゃない』

台本の完成が遅れたり、その後の足踏みがあったりで、
結局、稽古は4月後半からのスタートとなりました。
『出来の良いものを作らねばならない・・。』とゆう執着を捨てて書いた作品。
その作品の稽古な訳ですから、同じく力みや執着を捨てた稽古を目指したいです。
一日で出来る稽古の時間も少なければ、
全体の稽古日数も少ない。
そんな環境でありますが・・・だからこそ、焦らずにじっくりと。

まずは集まれるメンバーで読み合わせから始めました。
通常のONEWAYの稽古は読み合わせにあまり時間を取らずに、
すぐに立ち稽古に入るパターンが多いのですが、
今回は短編とゆうこともあって、
じっくり落ちついて読み合わせをしていきたいとい思ったのです。

“お芝居”に仕上げていく上において、“カタチ”は大切なのですが、
まずは各登場人物の“心”から。
簡単に言えば“性格”の把握から丁寧にやって行きましょう、とゆうことですね。

台本に関しても、稽古場にてあれこれと意見の交換を。
『魚の森で君と逢う』は確かに、田中悟のオリジナルではありますが、
台本はあくまで台本、土台です。
本を書くのは一人でも、作品を創るのは一人じゃない。
今までのONE WAY TRIPの作品も全てがそうでした。
作品は稽古場で、
人と人の間からしか生まれません。

とゆう訳で、稽古がスタートしたと同時に、
あらためて台本の改訂作業もスタートです。
ここからまたしばらく、執筆の日々が続くのでした。
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『魚の森で・・』製作日記 3

2009年04月24日 | 日記
『迷いの森で誰かと逢う』

4月に入り、台本が出来たものの、
残された時間を考えると実現の難しさが頭をよぎりました。
久しぶりに・・とゆうか相変わらず、物凄く迷いましたし、悩みました。
『このまま企画を進めるかどうか?』と。

ひとたび迷いの森を彷徨い始めると、
次々に新しい“迷い”が腕や足、体や心に巻きついてきます。
『そもそも無理な企画だったんじゃないのか?』
『誰かに求められた訳でもないのに、なんで芝居をしようとするのか?』
『まだまだ公演なんて無理じゃないのか?』
『台本も面白くないし、そろそろ才能の無さに気付くべきじゃないのか?』
などなど、などなど・・。
迷いの森に巣食う“魔”の囁きが止まりません。
不安が不安を呼んで、共鳴しあいます。
『やっぱり、何も出来ないのか・・。』

と、その時・・迷いの森で誰かと逢いました。

ONEWAYのメンバーですね。
美談にしたい訳ではありませんが、やっぱり皆の存在しかないでしょう。
あらためて相談した結果、
予定より少し遅れて4月半ばからの稽古スタートとなりました。
この企画を実行するにあたってのコンセプトの見直しもしました。

『出来の良いものを作らねばならない・・。』
とゆう執着を捨てて書いた台本なのだから、
稽古も、その執着を捨てて取り組みます。
開放された心で温かい作品を作れる集団へとステップアップ。

正直、不安だらけですが、僕が迷いの森の中にいては駄目ですね。
プレッシャーに負けない強い心で稽古を積み重ねます。
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『魚の森で・・』製作日記 2

2009年04月23日 | 日記
『執着を捨てて、書く』

『とりあえず台本がなければ何も始まらない。』とゆうことで、
ミーティング以降、早速執筆に取り掛かったのですが、
これが意外と・・スラスラ書ける。
台本の作成は毎回大変です。僕は天才じゃないくせに、
『どうして、もっとスラスラと書けないんだ!』と、
毎回嘆き悲しんでは心を傷めてきました。

でも、

今回はその辺のメンタルバランスを崩すことなく取り組めました。
『出来の良い台本を書かなければならない!』とゆう、
執着を捨てて取り組んだ結果だと思ってます。

僕の口癖は昔から一貫して、
『上手い芝居なんて、したくない。』
『技術よりも、温かい心で演じることを大切にしたい。』
とゆうものなのですが、いつしか意識が過剰になり、
『だからと言って、下手なことをしてはいけない・・。』
『だからこそ誰もが納得出来る作品にしなきゃ駄目!』
とゆうプレッシャーに摩り替わっていたんだと思います。

今回の執筆は、作品の完成度を問う以上に、
“まず、いかなる心境で執筆するか?”
とゆう課題を己に課した、いわば心の修練でもありました。
そうして、書き上がった台本を読んでみると、

どうだろう?自分としては何とも言えない作品・・いやいや、
これでいいのだ。ここから更に磨いて行くので。

初稿を書き上げた時、すでに4月になっていました。
タイムリミットを微妙にオーバーしての完成に、
少し迷いが生じた春の訪れでありました。
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『魚の森で・・』製作日記 1

2009年04月22日 | 日記
こんばんは♪『魚の森で君に逢う』に向けて、
今日から出来る限り製作日記をあげて行きたいと思います。
第1回目の今日は、この企画が生まれた過程をご紹介致します。


企画のスタート

3/25のブログに書いておりましたONEWAYミーティングにて、
僕がポロっと出した提案が、そもそものきっかけでした。
「最近妙に本が書きたくて・・もし、今月中に台本が仕上がったら、
6月までに上演せえへん?」

今月中と言ったものの、その時すでに3月後半。
さらに、6月までに本番って・・稽古期間がほとんど無い。
全てが無茶な提案でしたが、ONEWAYのメンバーが出した結論は、

「やる方向で。」

嘘みたいな話です。
提案した僕も僕ですが、それに乗るメンバーもメンバーです。

しかし、物理的な制約もたくさんあります。
今から劇場を押さえるのは無理だし、
仮に押さえることが出来ても、いきなり公演予算は組めません。
そこで、徳山佳孝が一言。
「公民館とか、公共の施設を借りて、素朴にやりませんか?」
素朴にやりませんか?と言ったかどうかは定かではありませんが、
僕には、そう聞こえたのです。

かくして、企画の第一段階がまとまりました。(まとまったのか?)
「やれそうなら、やろうや♪」
こんな“緩さ”がONE WAY TRIPの気風なのですが・・・
こんなときに限って、心にスイッチが入るのが僕らだったりします。

3月末のこの時点で、僕の中に台本の草案は全く無しでしたけど(苦笑)。
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魚の森で・・

2009年04月22日 | 日記
さて、引き続きONE WAY TRIPからのお知らせです。

今週より稽古を再開した僕らですが、この稽古には、ひとつの目標があります。
それは、来月、5月25日(月)に稽古場を一般に開放して、
そこで一本のお芝居を皆さんに見て頂こうとゆうものです。
演目はONEWAYのオリジナル、約1年ぶりの新作であります♪


ONE WAY TRIP 『魚の森で君と逢う』

【出演】荒木道成 渡辺寿博 阿形ゆうべ 徳山佳孝 梨紗 小林記規子
【Technical】Motoki Shinomy
【作・演出】田中悟

上演時間や場所など、詳細はまだ未定ですが、
楽しいひと時を皆様とご一緒することを目指して、稽古に励みます。

物語についてや、稽古場のエピソードなんかも、随時ブログで紹介しますね。
これから暫くは、この話題が中心になるかと思います。

お楽しみに!!
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再開

2009年04月21日 | 日記
今週からONE WAY TRIPの活動が再開いたしました!!

活動休止したのが去年の2月。
それから、ちょこちょこメンバーは集まって、
お酒を飲んだり、焼き鳥を食べたり、ビールを飲んだり、バーベキューをしたり、
チューハイを飲んだり、忘年会をしたり、新年会をしたりと、
地道な活動を真面目(?)にしておりましたが、
とうとう僕の魔がさして『芝居の稽古でもしよか?』とゆう運びとなってしまいました。

久々に阪急庄内の稽古場にて、稽古しております。
ゆっくり、ゆっくりと片道旅団が動き出しましたよ。

ひとまず、ご報告まで。
今後の展開については、当ブログにて随時お知らせを致します。

どうぞお楽しみに♪
僕たちも楽しんで行きたいと思います。

GO ONE WAY TRIP
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声優?

2009年04月19日 | 日記
あれは、去年のこと。
秘かにゲームの声優にチャレンジしておりました。
みょふ~会製作のバトルゲーム『四季の狂剣』です。

が、残念なことに・・と言うか、勉強不足と言うか、
僕はゲームに疎い!さらに下手!!
中学生の頃、従兄弟の家のファミコンでマリオをやらせて貰った時も、
始まったと同時にマリオが穴に落ちました。
大爆笑を誘ったので、僕はそれで満足でしたけど。

話を『四季の狂剣』に戻しますと・・・

日本に似ているが、日本でもない世界?
僕は上手く解説出来ませんが、
要するに架空の世界でバトルするゲームだそうです。(そのまま)
僕は、とっても格好良いキャラクターの声を担当させて頂きました。光栄。
沢山のキャラクターが登場するゲームらしいですよ。
ドラマの台詞と違って、『や~!!』とか『うりゃ!!』とゆう掛け声のオンパレード。
とにかく現場では監督の要望について行くことに必死でした。
どんな作品でも、製作の舞台裏はハードであり、
またそれだけ物作りの感動も溢れております。

このゲームには僕だけでなく、
ONE WAY TRIPのメンバーも声優として参加しております。
そして、主役の声はなんと!・・・ONEWAYの素敵なギター音楽を作ってくれている、
村上康隆くんが演じております。(なんとなく顔も似ている気がする)
これはある意味あれですよ、レアですよ。



『四季の狂剣』のHPはこちら!!是非ご覧下さい。
http://hoppeman.sakura.ne.jp/index.html
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水の中の砂時計

2009年04月18日 | 日記
先日、ニュースでたまたま見かけて、心に残ったお話です。

富山県の中学2年生の少年が、
「野依科学奨励賞(小中学生の部)」に、五年連続で選ばれたそうです。
受賞研究のテーマは、
「鳴き砂を水中で鳴かすことは出来るか 砂の唄は地球のハミング」とゆうもの。

“鳴き砂”とゆうのは、その上を歩くと「キュッ、キュッ」と音がする砂の事ですね。
何やら、この砂が鳴くには、砂が乾燥していることが条件だったそうな。
(チラっとニュースで見ただけなので、正確な情報かどうかは怪しいです。すみません。)
その少年は『水中で鳴き砂を鳴かす』ことを研究していた訳ですが、
もうひとつの条件に“砂が綺麗でなければならない”とゆうのがあり、
その条件を満たす為に、何と1年かけて自分で研究用の砂を浄化したそうです。
浄化方法は・・・

“ペットボトルに砂と水を入れて何回も何回もシェイクする。”

凄いですね、手作業で一年間。
手が疲れると自転車の前カゴにペットボトルを入れて、近所を走り回ったそうです。
自転車の揺れを利用して砂の汚れを落としたのですね。
そして見事に、水の中でも砂が鳴くことを実証した。
凄い中学生ですね。素晴らしい。

もっと素晴らしいのは、その続き。

「今回の研究で分かったことは、地球の砂が汚れてしまっているとゆうこと。
汚したのは人間。大昔の地球では、どの砂の上を歩いても音が鳴っていたのかも知れない。
砂が鳴くことよりも、砂が鳴かなくなったことに問題を感じます。
この研究を通じて、環境問題にも目が向きました。
地球が汚れていることを、鳴かなくなった砂が教えてくれているんです。」

と言った様な内容のコメントをしていました。

汚れてしまった砂は、彼の手の中で1年間とゆう時間を費やし、
何万年も昔の本当の砂に戻って行ったのでしょうね。
水の中の砂時計が時をさかのぼり、何かを訴えているのかも知れない。
それを僕たち大人に伝えてくれたのが、中学生の少年。

僕らの心も、これから時間をかけて綺麗にしてゆけば、
やがて時をさかのぼり、少年の様な輝きを取り戻すのだろうか?

これもまた実証する価値のある、素敵なテーマですね。
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神様ですか?

2009年04月11日 | 日記
『舞台には神様がいる・・』なんて言葉で、
前回のブログを締めましたが、その話はちょいと置いといて。
今日は舞台上に現れた神様みたいな人のお話です。

その人の名前は中村中さん。昨日ライブに行って来ました。姉と。




中村中さんのことは、まったく知りませんでした。
今年のお正月に姉と姪っ子が『去年、中村中のライブ行って来てん♪』と、
話しているのを聞いて、初めて名前を知ったぐらいで。
それから曲を聴く訳でもなく、何か意識していた訳でもないのですが、
先日、姉から「チケット余ってるけど一緒に行く?」と誘われて、
今回のライブ鑑賞となりました。

前日に曲を聴いて予習しておこうかとも思ったのですが、
『真っ白な状態で会ってみたい!』と思って、
予備知識ゼロで厚生年金会館へと足を運んだのですが・・・

良かったです。

行って正解。
何も知らずに行ったライブがこれ!・・とても素敵な出来事でした。

ツアータイトルの『異常気象』にちなんで、
「雨や涙は心を浄化してくれます。」とゆうMCが印象的でした。
なんせ僕は雨好きですからね♪先日も雨で心のバッテリーチャージしてましたから。
この日は、中村中さんに心を癒して頂きました。
演劇を観ている様な気分になるステージの演出も、
僕としてはグっと来ましたね。

神様ですか?と聞けば、違うって言われるかも知れませんが、
とても神々しい素敵な人でした。

すっかりファンです。
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バックヤードの住人

2009年04月10日 | 日記
こんばんは。大阪はすっかり春の陽気ですね。
冬好き、雨好きの僕にとっては、日中はすでに真夏です。
メラニンが必要です。

さて、ミステリー名作選も終了し、体の疲れも和らいでおります。
そこで今日は先日のバックヤードを振り返りたいと思います。


“演者”と“舞台の魔物”について。

舞台には魔物が住んでおります。
目に見えませんし、上手く説明も出来ませんが確実に魔物が存在しています。
それを実感したことのある役者は少なくないことでしょう。
僕なんかは本番中に何か失敗した時に「魔物が住んでる・・」と、
責任転換したりしますが。

緊張しすぎて普段の実力を発揮出来なかったり、
集中したいのに雑念が払えなかったり、
いくらお弁当を食べても空腹感がおさまらなかったり、
本番直前の楽屋で睡魔に襲われたり、

・・と、僕が思う“魔物”って、
生理的に現れる“現象”のことなんですね。
つまり魔物はステージやバックヤードに住んでいるのではなくて、
自分の心の中に住んでいる訳です。
何年芝居をやっていても、その辺の舵取りに気を使います。
今回のイベントの演目は基本的に“温かいストーリー”だったので、
その影響か、バックヤードも温かくて優しい空気に満ちていました。
その空気がステージ上から客席にも伝わった様で、
全5ステージともに良い状態でお客様にも楽しんで頂けた様に思います。
(勿論ミステリー名作選は、毎回クオリティ高いですよ!)

『心』って目には見えないですけど、
こんなにも人の在り方に影響を及ぼすものなんだなと、つくづく実感しました。
どんなステージでも、どんな仕事でも、日常の些細な出来事にさえも、
そうやって落ちついた優しい心で望みたいものです。
心がけ次第で魔物は“天使”にもなってくれるってことですね。

あ、ちなみに『舞台には神様がいる・・』なんてこともよく思います。
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