晴海ヶ丘の空の下

大阪から淡路島に引っ越したアロマピアの 
“おばさんセラピスト” のひとりごと

精油豆知識:ベルガモット

2020年06月14日 | 精油豆知識
今回も、清々しい柑橘系の香りです。

夏に向かい暑さが続くようになると、
食欲がなくなったり、
ボーッと無気力になったり、
集中力が低下したりと、
暑さ対策が必要になってきますね。

爽やかな香りで、心と身体のバランスを回復し、
リフレッシュしましょう。

ベルガモット精油は、
アールグレー紅茶の香りづけに使われるので、
ベルガモット精油をご存知ない方でも、
アールグレー独特のフレーバーと言えば
「あぁ~あの香り」と思われる方も多いのでは・・・

余談ですが、アールグレーという名前の由来は、
イギリスのグレイ伯爵(アール=伯爵の意)が、
ベルガモット精油を紅茶に加えることを
紹介したことから、アールグレーティーと
呼ばれるようになったそうです。

ベルガモットは、ビターオレンジとレモンの交配種で、
品種改良によって出来たミカン科の植物で、
白い花をつけ、果実は小ぶりのオレンジぐらいで、
洋梨のような型をしています。

名前の由来はイタリアの小さな都市ベルガモで、
最初に栽培されたからだそうですが、
コロンブスが、カナリア諸島で発見し、
スペインとイタリアに持ち込んだとも
言われています。

ベルガモットはデリケートな木で、
特別な気候と土壌でないと生育が難しいそうで、
南フランスや、象牙海岸などで、
栽培しようと試みられたそうですが、
どこもあまりうまく生育しなかったそうです。

そんな中、イタリアのメッシーナ海峡のほとりの
レッギオ・ディ・カラブリアという町は、
ベルガモットの生い茂る町として知られ、
最良品質のベルガモット精油は、
このレッギオ・ディ・カラブリア産と言われています。

精油は、熟した果実からではなく、
青く苦酸っぱくて、まだ食べられない実を
圧搾して得られます。

そして、ベルガモット精油はオーデコロンに
一番よく利用される成分のひとつで、
含まれないオーデコロンは数少ないのでは
と思えるぐらいです。

またまた余談となりますが、
オーデコロンの語源となった
「オー・アド・ミラブル=すばらしい水」は
「ケルンの水」というニックネームで
呼ばれるようになったように、
ドイツの中世から栄えた古い都市ケルンに
湧く水のことです。

この水はわずかに芳香があったらしく、
フランスのナポレオン軍がドイツを
占領していた時、ケルンにいたフランス兵達が、
妻や恋人にこの「ケルンの水」を
お土産に持ち帰り、フランス中に広まり
有名になりました。

ケルンの有名なオーデコロンのブランド
『4711』は、ケルン水をまねて作られ、
爽やかな柑橘系の香りで、
オレンジ、レモン、ラベンダーなどの精油が
調合されていて、『4711』という番地を
名前にしたお店で初めて売り出し、
商品名も同様の『4711』と名付けられています。

ケルンのお土産として今でもよく売れているそうです。

さて、ベルガモットのお話に戻り、
1970年代にミラノ大学のパオロ・ロベスティー教授は、
イタリアのオレンジ、ベルガモット、レモンなど
柑橘系の精油を神経科病院で処方し、
ヒステリー、うつ神経症などの症状に対して
有効であることを世界で最初に臨床例として
示しました。

とりわけベルガモット精油は、心配を和らげ
神経の緊張を解く作用を有すると記載しています。

効能
イタリアの民間療法では、
熱冷ましに用いたり、ケガの傷口を癒し
肌のトラブルを治すのに役立つとされています。

◎心に対する働き
前述のように、不安やうつ、イライラや
緊張した気持ちを穏やかにし、
一方、気分を明るく引き立て、元気づけてくれます。

このようにその人の状況に合わせて、
フレキシブルに作用するため、両面の作用を発揮し、
不安定な心のバランスを調整するのに、
非常に役立ちます。

交感神経系の働きを鎮めるため、
疲労困ぱいしている時や、心身共の病気の回復期、
長く続く緊張状態を和らげ、
心を暖かく生き返らせてくれる働きをしてくれます。

◎身体に対する働き
ベルガモット精油は、抵抗力が落ちている時に
適していて、泌尿器系にとても有効に働き、
すぐれた殺菌力で、感染症と炎症などのトラブルの
好転に役立ちます。

また、のどや鼻の粘膜にも、細菌感染から
ガードしてくれる働きをもっています。

そして柑橘系精油の特長として、
やはり食欲不振や消化不良にも役立ちます。

美容
ベルガモット精油は、特に脂性肌に向き、
汗ばむ季節の脂っぽい肌の手入れや、
ニキビなどのトラブルの強い味方です。

皮脂のバランスの調整や、新陳代謝を
活発にしてくれます。

心に対する働きと相乗し、ストレスによる
肌のトラブルにも役立ちます。

[注意]
ベルガモットには、ベルガプテンという成分が多く含まれ、
このベルガプテンは、光毒性があり、肌に使用した後、
強い日光を浴びると、シミや湿疹など、お肌のトラブルを
引き起こす作用があります。 
朝や、日中に使用した後の外出には、
日除け対策をキチンとされるよう留意して下さい。 
敏感な肌質の人は、パッチテストをおすすめします。

おすすめブレンド
◎ボウコウ炎や尿道炎で、つらくて不快なときに
ブレンドa)
ベルガモット 2滴
ティートリー 2滴
パチュリー 1滴
ユーカリ 1滴

*入浴には、自然塩20gに、ブレンドa)を5滴入れる。
 座浴には、自然塩10gに、ブレンドa)を2滴入れる。

*マッサージには、
キャリアオイル(オリーブオイルなど)30ccに、
 ブレンドa)を混ぜ、下腹部をマッサージする。

*スプレーにして、
 ラベンダーウォーター30ccにブレンドa)を混ぜ、
 パンティーライナーにスプレーし、下着に当てる。
 (こまめに替えるようにしましょう。)

◎『ケルン水』風コロン(オーデコロン)
ブレンドb)
ベルガモット   6滴
レモン      3滴
スィートオレンジ 4滴
ラベンダー 2滴
ローズマリー 1滴
プチグレン 1滴

*スプレー容器(アトマイザー)に、
 無水エタノールまたは、ホワイトリカー30ccを入れ、
 ブレンドb)を混ぜ、1週間熟成させる。(2.8%濃度)
 (白地の布や洋服などには、直接スプレーしないようにしましょう。)

◎禁煙中でイライラするときに
ブレンドc)
ベルガモット  2滴
レモン     1滴
レモングラス 1滴
ペパーミント 1滴
ユーカリ 1滴

*芳香浴には、ブレンドc)をアロマポットに2~3滴入れる。

*エアーフレッシュナーとして、
 スプレー容器に、無水エタノール15cc+浄水15ccを入れ、
 ブレンドc)を混ぜます。
 (空中に向けてスプレーしましょう。
  肌や洋服に直接スプレーしないようにしてください。)

◎ニキビ肌や、脂っぽい肌のトラブルに
ブレンドd)
ベルガモット 2滴
イランイラン  1滴
パルマローザ 1滴
ゼラニウム  2滴

*蒸気浴には、洗面器に熱湯と極楽塩をひとつまみを入れ、
 ブレンドd)を2~3滴入れて、頭からすっぽりタオルを
 かぶるようにし、蒸気を顔に当てる。

*マッサージには、
 ジェル基剤又は無香料のスキンジェルクリーム30gに
 ブレンドd)を2滴入れ塗布する。