温泉下の辺りは、片側が高い崖で、対岸が私有地になっている。
なので、竿を出せる場所は殆ど無く、それ故に奇麗な魚も多い。
私はここで暫くの間、マス達が何の警戒もせずに流下物を補食する様子を眺めていた。
「とにかく放流魚はもういいから、忍野らしい奇麗なマスが釣りたい・・・。」
そんな想いがだんだんと大きくなっていくのを感じながら金田一に到着。
先週来た時はあまりパッとしなかったこの辺りも、この日は結構魚が見えていた。
金田一の橋を渡ると、足下に良型のイワナが居たので、目の前にニンフを流してみる。
すると、何の疑いも無くパクパクっとフライをくわえた。
しかし、タイミングが良すぎてすっぽ抜け。
もう一度同じように流してやると、またしてもパクパクっとくわえ、今度はガッチリとフッキングした。
尺はゆうに超えたイワナだったが、細長い体型でクネクネとヘビのように上がって来る。
そして、ネットを置いて写真を撮ろうとした隙に、ニョロニョロとまたヘビのようにネットの外に出てしまった。
温泉下の時もそうだったが、この魚はなかなか思うように撮影させてくれないのである。
そのまま瀬の方へ移動し、流心部から扇状にウェットを流してみると、二投目にゴンッというアタリでニジマスがヒット。姿を現したのは、暗いオリーブ色にレッドバンドをあしらった忍野育ちの美しいニジマスだった。
昼になったので、昼食を食べに大臼荘へ行くと、いつものように豪華な鯉のぼりが掲げられていた。
そして、午後になると何をどうして良いのか解らなくなり、冷え込んで来たので早々に撤収する。
この日の釣果、ニジマス8尾、ヤマメ3尾、イワナ2尾。
数こそ出なかったものの、今回は美魚と出会えて満足。
写真上:ピーカンの青空と大臼荘の鯉のぼり。
写真中:ようやく出会えた忍野育ちのニジマス。
写真下:西の空がほんのり色付き始めた頃、自衛隊のヘリコプターが爆音を轟かせながら上空を通り過ぎて行った。この時間帯になると途端に冷え込んでくる。忍野の春はまだ到来したばかりだ。
私も本流や湖で大きな魚を相手にダイナミックな釣りをしたいものです。
大きな川で、大きな魚を相手にした方が釣果は別にして、やりがいがある!