この8枚のイメージの合成は、NASAの初めてのマーズローバー、ソジャナー(Sojourner)であり、火星の日(sol)での2日目の午後遅くに「インシュランス・パノラマ」の一部として撮られた。ソジャナーは、マーズパスファインダーに積まれて1997年7月4日に着いた。このイメージは、カメラの展開の失敗に対する「保険(インシュランス)」として計画された。カメラの展開は成功し、このパノラマは数週間後に地球に送られた。このパノラマには、ロスのないデータ圧縮と、カメラの比較的ダストのない状態、火星日2日目の着陸船とローバーのハードウェアに関連して、いくつかの最高品質の画像データを含んでいる。パスファインダーから送られた最終データは、国際時間1997年9月27日10時23分であった。続く五ケ月間、ミッション・マネージャ達は通信を回復させようと試みたが、1998年3月10日にこのミッションは終了とされた。今、NASAは、探査の新しい時代を始める段階に入っている。米国の民間会社と国際的パートナーとともに、NASAは、次の10年内に月に人間の永住を確立し、月と火星に向かう人間の探査の境界を押し進めるだろう。
<出典>: 「NASAの歴史(NASA History)」
<大判>: イメージをクリック。
<ひとこと>: ソジャナーはほぼ電子レンジの大きさ、カメラは猫の目の高さ。母船マーズパスファインダが中継する指示を受けて、その周囲約50メートルほどまでを走り回って、水の証拠を含む火星で初めての多くの基礎データを集めた。僅か3カ月弱の短い寿命であったが、その画期的な業績は多くの関心を呼んだ。特に母船マーズパスファインダからの受信がなくなると自律的に母船の近くに寄り添って停止するように設計されていたことから人間の親子が想起され、親を失ったローバーを悼む声が多く寄せられた。この写真は母船のランプ(左下)を降り立ったばかりのローバーが写されている。
<お知らせ>: ① 明日7月31日、ロシアのプログレス73号貨物船が、国際宇宙ステーションに向けて打上げられます。中継放送時刻等は ホームページの「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。
② インドのチャンドラヤーン2号宇宙船が、7月22日に、 Satish Dhawan 宇宙センタから地球軌道に向けて打上げられました。この宇宙船の、軌道船、着陸船、ローバーは月を予定し、軌道を制御しつつ9月初めに月軌道に入り、太陽動力のローバーを運ぶ着陸船は、月の南極近くの高緯度に、自律的な軟着陸を試みる予定です。