マユカです。先日、美大受験のために学生クラスから美術予備校へ移っていたひとみが合格報告の挨拶に来てくれました!武蔵美と多摩美、受けた学部学科は全て合格したそうです!
ひとみは最初に決めた予備校を、自分の制作スタイルとは合わないと途中で変えました。きっととても悩んだ上での判断だと思います。ただでさえ不安な受験期の限られた時間の中では、合わないと思っていても現状維持の選択をする人の方が多いことでしょう。しかし環境を変えて良い結果を出そうと踏ん張りました。良い作品作りは自分に合う環境作りから...ストレスを感じながらでは良いアイデアも出てきませんからね!勇気ある決断ができるのは素晴らしいです。
美術大学の試験では、学科試験の他にデッサンと色彩構成、もしくはどちらかを用いた試験があり、出される課題は大学や学部によって様々ですが、そのどれもが3時間~5時間の中で描かなければなりません。周囲にはライバルたちが座っており、距離も近いため非常に気が散ります。
私は特に問題への答え方に自信が無いタイプだったため、周囲がかなり気になっていましたが、そんな時はミオスでよく言われていた「受験は自分とだけの闘い、周囲の人は戦友」と言われていたことを思い出しながら、がむしゃらにデッサンやデザインに打ち込んだ記憶があります。
ひとみは武蔵美と多摩美で少し似た学科を受けていたため、どちらへ進学するかで悩んでいました。これは多くの人が悩むところでしょう。実際に授業を受けてみないと分からない部分が多いため、どちらかの大学・学部しか選べない受験生にとっては結構不親切かもしれません。それに際してヒトミには、今後やりたいことや、卒業後はどんな進路に進んでいる人が多いかを踏まえて決めると良いと話をしましたが、人によっては点数が良かった方(自分の評価を高くしてくれた方)に入る人もいたり、家からの近さで決める人もいるようです。私は受験のスタイルが違う2校を受ける気になれず「多摩美の方が5時間も試験時間があるから!」という理由で、そもそも武蔵美を受けませんでした。入学時の友人達との話から十人十色な進学理由があることを知り、そこにも個性豊かな美術大学らしさを感じたものです。
下記にひとみが受けた学科の合格再現作品を掲載しております。これだけの描写力や発想力は、彼女の努力の結晶が可視化されているようです。何枚も何枚も描き続けてきた証でしょう。受験に打ち込んだ期間にできなかった分、大学生活でめいっぱい好きなことをして楽しんでくださいね!合格、本当におめでとうございます!

武蔵美 工芸工業デザイン学科
作品左:「重なる」または「重ねる」をテーマとして、指定された枠内に、立体的に色彩表現しなさい。
この問いに、私は『虫眼鏡』を描きました。
作品右:台上にセットされたモチーフをデッサンしなさい。

多摩美 プロダクトデザイン専攻
作品左:「透ける(すける)」を主たるイメージモチーフとして、美しい色彩構成をしなさい。
私は『メッセージボトル』を描きました。
作品右:手と透明の器を想定してデッサンしなさい。
コップに花を生ける手を描きました。

多摩美 統合デザイン学科
作品左:「100」をテーマに構成表現しなさい。どのように「100」を解釈したのかが分かるように、タイトルを別紙に表しなさい。
私は『お湯に浸かる情景』を描きました。 タイトル『99!100!よし上がる!』
作品右:失敗している手を描きなさい。作品タイトルを別紙に表しなさい。
ホッチキスを外す手を描きました。 タイトル『止める場所間違えた!』

多摩美 工芸学科
5種のモチーフが台の上に置かれた状態を想定して、鉛筆で描写しなさい。
ハンギングプランター、ストライプ布、大根、鍬、ステンレストレーをそれぞれ一つ描くこと。
5種のモチーフがバラバラに卓上に並べてあり、そこから配置は自分の想像で描写しました。