モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

表現したい印象を描く

2025-01-28 23:25:53 | 学生


菜希 中1 / 彩希 中1 二人共油彩

課題やテストが地味に続き、春休みを迎えられずにいます…。サヤカです。今回は学生クラスの油彩をご紹介します。どちらもF4号(333mm×242mm)と少々小さ目のサイズのキャンバスに描きました。

菜希
朝焼けでしょうか?爽やかな空に生き生きとした太陽の光が眩しく描かれています。地平線が画面の下の方に設定されていることによって、開放感ある印象になり、また空の動きも魚眼レンズで写したように丸くなっていて、空の広がりや存在感が強調されています。赤や黄色、緑といった色を入れることによって空に複雑な表情が加わりました。本人が意識したかどうかは分かりませんが、このようなポイントにより臨場感ある景色が表現され、見応えのある作品になるのです!

彩希
パキッとしたレモンイエローが印象的で、見ただけでエネルギーを貰えそうな作品ですね!両手の中にあるのは柘榴。個人的に、柘榴は作品のモチーフとして扱われる時、ダークなイメージがあったので、ポップなレモンイエローとの組み合わせは新鮮でした!背景には黄色の他に緑も使われていますが、手の平や腕にも黄色と緑が使われていて全体の統一感があります。柘榴のつぶつぶ感を再現するのは難しかったと思いますが、よく観察したことが伝わってくる描写です。

二人共、基礎デッサンが終わって初めての油絵でしたが、それぞれが描きたい意思をしっかり持ち、表現できているように感じます。これからも2人の作品を楽しみにしています!

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画風もジャンルも思いのままに

2025-01-23 22:26:08 | 学生


夏葵 中3 / 花音 高1 どちらも油彩

マユカです!今回は学生クラスから、2枚作品をご紹介させていただきます!

どちらもF4号(333mm×242mm)と少々小さ目のサイズのキャンバスに描きました。夏葵は写真を参考に、花音は想像の中の世界をそれぞれ画面に写し取り、毛色は違いますがどちらも魅力的に仕上がりました。

まずは夏葵、リクガメがキュウリを食べている所ですが、端っこに食いついている瞬間を切り取るところが面白いです。のんびりとした表情がなんとも可愛らしく、このあとゆっくり口を動かして咀嚼するのだろうな、食べ終わったら手前にある他のキュウリを食べに行くのかな、なんて先の情景まで思い浮かべることができます。甲羅の細かな模様や、キュウリの水々しさの表現に時間をかけ、メインのリアルさを追求しました。フローリングにも手を抜かないところが夏葵の絵の良いところ、実在感をぐっと増してくれていますね。

そして花音。宇宙飛行士が水面に手を伸ばしている所ですが、ここは地球なのか、はたまた全く違う別の星なのか…どこか異質な雰囲気が漂う空間に心惹かれますね。はじめ、同系色でまとまった画面になっていましたが、少しずつ光や空気感を出すために様々な色を追加し、まるで夢を見ているかのような、幻想的な世界を描き上げました。特に時間をかけた所はやはり、宇宙飛行士でしょう。細かなパーツや、手指の小ささは、F4号のキャンバスサイズでは難しく、細い筆でたっぷりの油と共にゆっくり描写しました。その甲斐あってか、細部まで見応えのある作品に仕上がっています。

どちらも油彩の良さが詰まった作品達でしたね。私自身はデザインを専攻しているため、大学で油彩を触る機会は全くと言っていいほどありませんが、こうして学生達の自由でのびのびとした作品達を見ていると「油彩やりたいな…セット買っちゃおうかな…」なんて思うことがあります。次は一体どんな作品を作り上げてくれるのでしょう。今からワクワクが止まりません!

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世界観を構築

2024-11-19 20:57:57 | 学生


香那 高1 / 唯 中1 どちらも油彩

ハルです!一段と冷気が深まり冬の訪れを感じますね。今日は学生クラスから二枚の作品を紹介します。

まずは左、高校1年生のカナから。この作品は上から青・黄緑・桃色・朱色・黄色・水色と、たくさんの賑やかな色味を使用しているにも関わらず、静かな空気が流れる不思議な絵画。俗界を離れた強い世界観を持っています。全体を通して温かい光がとても印象的で、真ん中を流れる川には灯籠のようなものが流れており、ぼんやりと光る姿を見ると穏やかな気持ちになります。ユートピアのような幻想的な空気感を持ちつつも、建築や水に光が映る現象をしっかり捉えているからこそ絵に説得力があっていいですね。川の傍に咲き誇る桜からたくさん花びらが散っていたり、奥にはまだ雪の残る山々があり、そこから川が流れてきていたり、この絵は参考資料として1枚の写真も見ることなく想像で描いたそうですが、見れば見るほど魅力を発見することのできる絵です。

右は中学1年生のユイ。海の中の景色、幻想的で透き通るような海の青い色に目が奪われます。青色が丁寧に作られているおかげで黄色の魚がより一層鮮やかに見えます。珊瑚礁や魚の描きっぷりが良く、納得のいくまで真剣に取り組んだ姿が想像できます。特にゴツゴツとした珊瑚礁は印象を捉えるのは難しいですが、この絵ではとても上手に表現されています。遠くに小さく見える魚も描いたことで奥行きも持たせることができました。
手前の魚はもちろん、この絵の魅力は奥の水の表現にもあると感じます。画面左上に海に差し込んでくる光を丁寧に描いたことで、光が透き通るほど水が綺麗なことや、照っている太陽まで想像ができてしまいます。モリモリと描いた珊瑚礁に対してここで薄く綺麗にグラデーションの光を作っていることで、対比が効いて互いを引き立たせているのですね。

どちらの絵も自分の絵の世界観が徹底されていて素敵です。最初にこんな絵が描きたい!と思った気持ちを完成するまで持ち続けることが大切ですね。

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区民祭のポスターになりました

2024-10-18 19:21:49 | 学生


まなは 中3 ポスターカラー

オバラです。まなはの作品が、区民祭のポスターに選ばれました!中原区内の街の掲示板にも貼ってありますし、中原区在住の方は、ポストに区の情報新聞が投函されていましたので、記憶にある方も多いのでは?
~心のふれあう ふるさと中原~をテーマに「中原区民祭」をイメージしたこちらの作品。あとから(区役所の広報担当者が)決める文字の配置をしやすいよう考慮して制作しました。
・文字を配置する場所=中央に抜け(白・水色)を大きめに作る
・つるす提灯を上方にあしらい、メインだけでなく、弧を描くように揺れる赤を残像的に散らす
・地面に咲く区の花パンジーを下部にあしらい、左右で数(ボリューム)を変える
・黒くて強い『祭』のレタリングは、インパクトが出過ぎるので左上に
・『祭』だけ浮かないように、提灯の下の黒長丸・パンジーの中央のごげちゃに同じ明度を
と、プロ顔負けの気配りで仕上げました。完成度高過ぎ!
デザインは、絵の技術より頭で考えることが大切です。企画立案の際に基本思想を打ち出し、最初から最後までコンセプトがズレないように、曖昧な部分が無いように意識していかねばなりません。まなはは美術系進学を希望していますので、手先のテクニックもさることながら内面もかなり厳しく鍛えており、そういった勉強が活きてきているなと感じます。素晴らしいことです。

「中原区民祭」は、明後日の日曜に等々力緑地で開催されます。みこし・はやしパレードの実施や飲食店出店のほか、さまざまな展示や物販、吹奏楽の演奏会やダンスの実演など、子どもから楽しめる工作教室や体力測定コーナーもあるそうですよ!

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楽しさこそ上達のスパイス

2024-10-17 23:36:17 | 学生


璃久 鉛筆 中3 / ひなた 色鉛筆 中3 / あかり ペン 高1

マユカです!今回は学生クラスの様子を、作品とともにちょこっとご紹介していきたいと思います!

学生クラスでは油絵や水彩画、風景、デッサン...と、普段は家で描けないような作品を好きなように描いてもらっているのですが、やはりずっと真面目な絵を描き続けていると疲れてしまうので、一つ大きな作品(オズフェスタで展示した油彩画など)をじっくり仕上げた後は、「何でも好きな物を描いていいよ!」という風にしています。そんな学生クラスの息抜きは小さなサイズの紙に気軽なイラストが一番!とは言っても絵が好きでたまらない人達ばかりなので、結局気合が入ってしまうのですけど。中3の二人は普通高校を受験するのに、勉強の合間にいまだにアトリエに通っています。

璃久は今までもトビウオやメンダコなど生き物を鉛筆のみでリアルに描いた作品を制作してきましたが、今回は虫をどれだけリアルにできるかに挑戦しました。これは特に虫が苦手な人が見たら悲鳴を上げてしまいそうなほどリアルな質感ですね。触覚の先に落ちる影まで描写し、あえて大体の実寸大で描くことで余白がいい感じに映えています。使っている画材が鉛筆ということもあり、原画は少しツルツルと黒光りしており、なんだか余計にリアルに見えましたよ!

ひなたはボーカロイドの初音ミクを描きました。いつも描かないような構図で描いてみようということで、初音ミクの特徴的な長いツインテールを活かした縦に細長い構図を取りました。顔や体よりも髪に時間をかけて悩みながら影をつけたり、青以外にも紫や黄色など様々な色を使用して深みを出しました。また、髪の流れを出すときに塊になっている部分と細く分かれている部分を作ることで、ばらばらにならず纏まりが出つつ、サラっとした雰囲気を出すことに成功しています。

あかりはペン画でオリジナルのキャラクターを描きました。こんなキャラクターが描きたい!を詰め込んだ一枚で、例えばフカン気味(少し上から)の視点で顔を強調し、ストライプの服にして顔周りには多く筆を入れ、顔自体は目元のみタッチの数を増やすことで目力をあげるなど、顔が目立つように様々な工夫を凝らしています。髪に動きをつけることで、棒立ちになってしまいがちなバストアップの構図に動きを足せているのも良いですね、ボールペン一本でしっかりと見ごたえのあるものを描けています。

絵へのコメントは一言のみにしようと思っていたのですが長々と書いてしまいました…笑
時々の息抜き。肩の力を抜いて友達と話しながら描くイラストだからこそ、筆が乗るのかもしれません。

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対照的な表現

2024-10-09 22:02:33 | 学生


左 樹 中2 / 右 波那 高1 共に油彩

連日の寒暖差に風邪を引きそうです、ナツメです。本日は学生クラスより2つの油絵をご紹介します!こちらも日曜日のオズフェスタで展示しておりました。

樹 顔の何倍も大きいエリを広げているエリマキトカゲを描きました。エリは猛禽類やヘビなどの天敵などと遭遇した際、威嚇のために広げるそうですが、敵に果敢に立ち向かう姿が大迫力に描写されています。心なしかキリッとした表情も可愛らしいですね。
1番の見せ所に主張色(目立つ色)である赤を使ってエリを強調すると共に、さらに引き立たせるため背景には補色の緑をメインにした寒色を使っています。ざらざらと乾燥している肌の質感も筆のタッチを巧く使い表現しました。

波那 続いてご紹介するのは彼岸花。これだけぼかしていても花の特徴的なシルエットはしっかりと捉えています。また、ぼんやりと描いているため、夢や記憶の中の風景のような捉えどころがなく思い描ききれないような曖昧さも魅力的。彼岸花といえば小学校の通学路にたくさん咲いている場所があったな、などと記憶が刺激される作品です。
こちらも赤に緑の背景を組み合わせていますが、どちらも暗い色なので全体を塗って息苦しい画になってしまうのを防ぐために、右上に明るい色を置いて「抜け」を作っています。(樹より小さいF3サイズなので、一回り小さい画像で紹介しています。)

エリマキトカゲはよく観察して精緻に、彼岸花はふわっと曖昧に描かれており、色は似つつも対照的な2枚です。一口に描くと言っても、描写の違いで絵から受ける印象がガラッと変わります。目指したい表現に合わせて、絵のタッチを変えてみるという方法もありますよ!

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かわいいの理由

2024-10-08 22:10:18 | 学生


百合子 高1 油彩

サヤカです。少しずつ秋らしい気温になってきましたね!早くカーディガンを着たいです…。今回は学生クラスの百合子の作品を紹介します。

紅葉と葉っぱを頬張るリスの姿を描きました。秋の気配が近づく最近の季節にぴったりな作品ですね。リスのもっちりとした頬、つぶらな瞳からよく観察して描いたことがわかります。動物や赤ちゃん、かわいいと感じるものはどうしてかわいいのか?体のフォルム?顔のバランス?普段私たちが無意識にかわいいと感じているものには、実はベビースキーマという特徴があります。理論的なかわいさの他に、自分はどんなところに惹かれてこの絵を描こうと思ったのか?…そういった自分なりの描きどころを見つけて描くことで、よりモチーフが魅力的になります。

また、奥の葉っぱを青系で着彩しているところも目を惹きますね!実際の写真は全てが秋の色合いでしたが、あえて下塗りに使った寒色を残しました。手前の温かみのある色彩と差がつき、奥行きが生まれ、主役がしっかり目立っています。青系の色の中、濃淡で葉の形を表現しているのも巧みです。

こちらの作品は、日曜日のオズフェスタに出品しておりました。実物を見て、観察力と色彩センスを感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか!百合子の次の作品も楽しみにしています!

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学生展示

2024-10-07 23:04:05 | 学生

オバラです。昨日は『オズフェスタ』で、元住吉駅の1階に学生達の油絵22点を展示させて頂きました。学生クラスは全体で89人在籍なので1/4と少々少ない感じですが、受験生たちは不参加&入会したばかりで基礎デッサン中&途中の作品がありタイミングが悪いなどで、油彩に手慣れている学生が出品した感じ。

枚数はともかく大盛況で、ひっきりなしのお客様にウキウキしておりました。「絵を見に来た」と身構えない、「駅を利用したら展示があった」「お祭りにふらっと来たら絵が飾られてる」という人たちが気軽に見てくれる環境というのも、かしこまらず良いなと思いました。

10数年ぶりに会った生徒達も多く、大人になった彼らの立派な姿に感動。なかなかアトリエにふらっと来たり、国際交流センターの生徒作品展に改まって遊びには来れないでしょうが、道でイベントやってるなら声も掛けやすいですよね。28年前に小1で中学3年まで生徒だった子が「ノリ先生!くぼっちです!覚えてますか?」「えー!久し振り!まだ久保っちなのね!何歳になったよ?」「34才。親からの当たりが強くて30過ぎてから一人暮らししてる…(笑)」など、近況が知れたりして面白かったです。

私は風邪はひくわ、ぎっくり腰になるわで、なかなかハードでしたが、とても楽しい時間を過ごさせて頂きました。見に来てくださった皆様、本当にどうもありがとうございました!

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オズフェスタ2024に是非いらしてください!

2024-10-05 18:31:42 | 学生


圭介 / 心寧  共に中2 油彩

岩田です。今日は何だか肌寒さも感じられ、秋の気配をちょっとだけ感じる日でした。今回は土曜クラスに通う、中学2年生二人の作油彩をご紹介します。

圭介 F6号で描かれたこちらの絵。選ぶモチーフがコブラってがいうのも、いつも爬虫類的、怪獣的なキャラクターを空想でサラッと描き上げる圭介らしい。主役には、とにかく分厚く絵の具を置いているのもあって、光を受けてヌラリと光る、あの蛇特有の質感が手に取るように感じられる。コブラにわざわざ近づいて来ている奥のトカゲは獲物なのか、舎弟なのかは良く分からないが、選んだモチーフに反して、2匹の位置関係が何だかとてもコミカルに感じられる作品。

心寧 こちらは、F4号サイズで描かれたリンゴの絵。油彩の経験が全く無い中で、赤々と実った美味しそうなリンゴを見事に描き上げている。空の少しくすんだ青味と葉の緑、幹の茶色と赤色の関係性が絶妙で、全体の色彩の配置バランスがとても美しい。まだ筆の運び方が一様に感じられる部分があるものの、これから枚数を重ねることで、質感へのアプローチや空間への意識も向上し、より素晴らしい作品へと昇華していく予兆を感じさせる作品。

ぜひ明日のお祭りに見にいらしてください!12時から16時、元住吉駅の1階エスカレーター脇に展示しています。詳しくはオズ通り商店街公式HP『オズフェスタ2024のお知らせ』をご覧ください。

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正反対なふたり

2024-10-04 20:27:08 | 学生


凛 / 郁人  共に中2・油彩 

気温が低くなるほど元気になります、大竹です。引き続き学生の油彩作品をご紹介させて頂きます。

凛 背景を思い切って暗く作りつつ、ベタ塗りにならない様に筆跡を粗々しく残したり、猫の顔周りはターコイズブルーで塗り際立つ様に工夫しました。猫のふわふわした茶トラの毛並みを表現する為、筆で点描の様に細かく様々な色を置いており、しっかり観察したのが分かります。こうした動物は油彩との相性が良いですね。自分の飼い猫なのでしょうか?愛嬌や可愛さよりも、気まぐれで個人主義の気高さの様なものを感じさせる表情ですね。

郁人 作者の真面目で職人気質な制作風景が浮かんでくる1枚。隅から隅まで丁寧に描写されており、羽の枚数まで数えられそうな程。羽のオレンジと青色の対比も美しく、改めて自然の造形美を私達に教えてくれますね。目にも留まらぬ速さで獲物の魚を捉え、風を切って飛んでいる動きが想像できます。背景の湿地は絵の具の盛り上げを少なく、フラットに仕上げているので遠近感もバッチリ!油絵だけでなく、日本画も向いてそう。

明るくふわふわとしておしゃべりな凛・物静かながら朗らかな笑顔で聞き上手の郁人。対象の内面を書き出す凛と、見たものを正確に描写していく郁人、作品も正反対な二人。しかし制作中は意外と仲良しなんだそう。
こちらの2枚も日曜日のお祭りに出品予定ですので、是非元住吉駅で実物をご覧下さい!

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描き分け 考え 使い分け

2024-10-03 23:57:49 | 学生


ひなた 中3 油彩

マユカです!今回も引き続き、学生の油彩画をご紹介していきたいと思います。

今回の一枚はひなたの作品。お祭りではしゃぐ弟さんを描きました。写真を見せてもらった感じでは彼が食べていたかき氷はレモン味だったのですが、わざわざ大きな口を開け、笑いながら見せているにしては色が弱いと急遽ブルーハワイ味のかき氷に変更しました。甚平と舌の青、肌色の黄色~手ぬぐいの赤が良い感じに補色の関係になり、画面に奥行きが生まれていますね。補色だからこそ目に残りやすく、強い印象を受けます。よ~く見ると歯の生え代わりの時期だったり、頭に当たった強い光に夏の日差しを感じたりと、じっくり考えて絵を描く彼女の性格が表れているようにも思えてきます。

一番力を入れて描いていたのはもちろん弟さんの顔!表情筋の動きや細かなしわ・凹凸感、写真を絵に起こした時に生じる『線』を感じさせず、とても自然に描写できています。特に頬の動きがとてもいいですね、ハリのある肌を描写できていないとほうれい線見えてしまいますが、ギュっとした子供らしい質感を出せました。肌の色は下塗りの黄色をベースに、動脈の赤だけでなく静脈の緑も考慮したので、血色の良い顔に見えるのでしょう。主役と後ろの群像とで筆跡を変え、大きく描かれた無邪気な笑顔が映えますね。

配色と描きこみが光るこちらの作品もお祭りに出品予定!実際の作品を見ると、意外と小さいキャンバスで「こんなに細かく描いたの?」と驚かれることでしょう!皆様も是非日曜はオズ通り(元住吉駅1階)にいらしてくださいね。

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ねことねこ

2024-10-02 23:31:37 | 学生


あかり 高1 / 彩希 高2  共に油彩

涼しくなったと思ったらまた暑くなったり、気温に振り回され衣替えのタイミングを測りかねています。ナツメです。先週の木曜日から続いて、学生クラスから2枚の油絵をご紹介します!どちらも猫ですが、「こういう油絵にしたい」という意思を最初から明確にして描き進めたので、全く違う絵になりました。隣同士で制作していたので、見ている方としてはとても面白く比較させてもらいました。

あかり 体を丸めて寝ている姿がなんとも愛らしいですね。体の形に沿って、色を変えながら絵の具を重ねることで、ふわふわとやわらかい毛の密度や質感が良く表現されています。毛並みに限らず、体勢・骨格などもとてもよく観察しており、安心しきって緩んでいる表情もまた魅力的です。バックの壁の模様など、画面全体の色ががセピア系にまとまり過ぎぬようオリジナルで描き加えました。そういったセンスもさすがです。

彩希 バックの壁や床の毛布は、あえて平面的に処理し、デザイン画のような雰囲気を纏わせてみました。この作品の前に平面構成の勉強をしたので、その知識が活かされていると感じます。毛布に落ちる猫の影すらも描かないという英断により、背景に陰影をつけない分、描き込まれた猫がひときわ存在感を放ちました。構ってほしいと訴えかけているのか、吸い込まれるような瞳・こちらに向けた掌の肉球もチャーミングです。

こちらの2枚も今週末のオズフェスタに出品予定です!写真でも十分魅力的に感じますが、実際の作品はさらに素晴らしいのでぜひ元住吉駅まで見に来て下さい。お待ちしてまーす!

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どんな表情で

2024-10-01 22:35:02 | 学生


左 恵菜 / 右 小鈴 共に中2 油彩

サヤカです。久しぶりに満員電車に詰め込まれ新学期の始まりを実感しました…。今回は学生クラスの油彩をご紹介します。小鈴はサイズがF4(333×242mm)と恵菜のF6より小さいので、一回り小さく載せました。

恵菜 目一杯漕いだブランコを下から覗くという躍動感たっぷりの構図になっています。難しい構図ですが、一番見せたい部分が伝わるようによく考えて配置したことが分かります。地面などの背景をぼやかして描いているので、メインの人物と背景のバランスもいいです。ブランコの裏面と脚の彩度を落とし、可愛らしい表情がより明るく軽やかな印象になっています。晴れ晴れとした表情にこちらまで朗らかな気持ちになりますね。

小鈴 思わず触りたくなるようなモッフモフな秋田犬の子犬。ワンちゃんかわいい!一様に犬を描くと言っても、犬のどんな一面を描きたいのかによって絵のタッチやポーズを変える必要があります。凛とした姿なのか?愛らしい姿なのか?小鈴はきっと「そこにいるだけで癒されるような」ワンちゃんを描きたかったのでしょう。抱き心地の良さそうな毛並みの質感や、寒い地方特有の毛量、あどけない表情にこだわった証拠ですね。

描いたことのないモチーフや、普段選ばない題材にも臆せず挑戦するチャレンジ精神を持っている2人。他の人が尻込みするような難しい題材に取り組んでみるのも良いかもしれません。こちらも10月6日に開催される元住吉東口オズ通り商店街と西口ブレーメン通り商店街が主催するお祭りに展示される予定なので、ぜひ実物の作品を楽しんでください!

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素直に観察

2024-09-30 23:19:07 | 学生


空 / 千紘  共に中1・油彩

気温も落ち着き、肌寒い日も増えてきましたね。ひとみです!今回は中学1年生2人の作品を紹介したいと思います。

ソラ 『人物』という描くのが難しい題材への挑戦!そもそもなぜ人物画が難しいかと言えば、複雑な上、似ているか似ていないかのジャッジまである為です。(花はそれっぽければ皆「花」と認識してくれますが、人物の判断は厳しいもの。)苦労しながらも丁寧に表情を追い、自然な仕上がりになりました!それに対比しジャケットはざっくり描かれているので同系色でも飽きがきません。また背景を暖色とすることで青い花が際立ち、更には花の隣のアンニュイな表情に目を引かせる『視線誘導』の効果が出ました。良い配色です。

チヒロ 森林の中でスズメが1羽止まっている構図。手前の枝をカチッと決めることで奥の緑と前後感が出て、スズメがより目立つようになっています。固い豚毛の筆が多い油絵で、細かいものを描くのは至難の技ですが、スズメの特徴である羽の茶色の小さな斑点の描き込みもしっかりされていて、遠目で見てもひと目でスズメであることが分かります。小さく儚い生き物に愛情を注ぐあたたかな眼差しに、「細部にいたるまで観察しよう」、「それをキャンバスに写し取ろう」という意欲をプラスしました。そんな気持ちが伝わります。

半年前まで小学生だったのですから当たり前ですが、途中、苦戦して意気消沈したよう顔も見られました。しかし「自分で選んだ題材は上手く描きたい!」と気持ちを奮い立たせ、微妙な色の変化や、細かな特徴を追いました。これからも好きな題材を描くことで、表現力を高めていけるといいですね!この絵も日曜日に元住吉駅に飾りますので、皆さんご覧ください。

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素直で明快

2024-09-28 00:00:24 | 学生


璃子 中2 油彩

岩田です。本日は、璃子の作品をご紹介します。

とても美味しそうなパフェを拡大し、且つとてもリアルに描いたのは、小学校2年生からミオスに通う、現在中学2年生。
リアルに描けるのは、それだけ長く何かを作ったり、描き続けたりした結果もあると思うんだけど、あまり難しいことを考えず、とにかく素直にものを捉えているなあというところに共感を憶る絵。

果物それぞれに艶の感じがちゃんと違うし、生クリームの少しマットな質感も実に良く捉えています。

もうなんかこういうのって、この筆を使って、こうして描けばこうなるっていうテクニックではなく、とにかく「これ綺麗だなー、リアルに描きたい!」という気持ちが先ずありきで、その一心で描いていたら、いつの間にか自分でも感心してしまうぐらいの絵が描けていましたーって感じなのだと思う。

所謂ゾーンに入るというか、頭で考えるよりも、とにかく楽しくて、感覚的に絵の具をチョイスして、筆を運んでいるような感じ。

大人になると、ついつい描く上で、考えすぎてしまうことが多くなると思うんだけど、こうした明快で、好奇心を持って、ワクワクしながら描いている絵は、やっぱり良いなぁと単純に思うのでした。

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