大澤 油彩 模写
立て続けに口内炎に苛まれて滑舌が大変なことになっています、ホノカです。
今回は大人クラスの大澤さんの油絵2点のご紹介です。
左の作品はフェルメールの「牛乳を注ぐ女」を、右の作品はモディリアーニの「椅子に肘をつくジャンヌ・エビュテルヌ」をそれぞれ模写したものになります。
「牛乳を注ぐ女」は最近CMに作品をパロディしたものが放映されたりしていたため、かなり著名な作品ではないでしょうか。
大澤さんの作品では、どっしりと描かれる女性と、その女性の丁寧な手つきが特に印象的に映ります。また元の作品よりもコントラストが抑えられ、全体にゆっくりとした空気の流れる優しげな雰囲気が作り出されていますね。
また、フェルメールの作品でも女性の青いエプロンは一目で目に入る特徴ですが、大澤さんの作品ではそちらよりもより彩度を上げた状態で描かれており、今は憂いた表情で丁寧な仕事に従事する女性も、普段は溌剌とした様子で働いているようなイメージに見えてくる作品です。
そして、「椅子に肘をつくジャンヌ・エビュテルヌ」はモディリアーニの婚約者である女性を描いた作品です。モディリアーニの人物画では、瞳が描かれないことが一つの特徴として挙げられるのですが、大澤さんの作品でもそんなミステリアスな雰囲気が伝わってきます。
また、この作品では背景が氷のように冷たそうな青で占められていること、女性が俯いている表情も相まって全体は悲壮感のある空気に感じられます。加えて女性の顔も目もとから頬にかけて赤みがさしており、私には、泣きはらした後のような、そんな悲哀的な状況も伺えます。
そしてここに描かれる女性もモディリアーニの描くような曲線美に溢れ、なだらかな肩、豊かな腰周りは、作品を見て感じられる女性の魅力が反映された、素敵な描かれ方をしているように思います。
どちらの女性も目を伏せていますが、周囲の雰囲気が優しげなものと、悲観的なもの、対照的な雰囲気の中では同じ表情であっても全く異なる印象になっている部分が面白いです。今回の作品たちは模写という形式にはなると思いますが、その中でも大澤さんの目に映った感じ方がエッセンスとして加えられる面白みのある作品たちです。模写制作お疲れさまでした!