
岩田俊彦
土曜日担当岩田です。常套句ではありますが、1年が過ぎるのはあっという間。今年も皆様には、大変お世話になりました。
土曜は、午前は大人の方々のみのクラス、午後は大人の方々と学生達が通うクラスとなります。私は、小学1年の時分より絵画教室に通い、高校3年から美大受験の勉強を始めました。そういう意味では、人生のおおよそを美術というものと関わって生きてきました。生徒の皆様には、私が今までこの世界との係わりの中で、沢山の方から教示されてきたもの、又自らが培ってきたものを限られた時間の中ではありますが、惜しみなくお伝えしたいと考えています。
・普段ミオスの先生以外では何してるの?
私は土曜日以外の日は、漆を扱い仕事をしています。漆は、漆の木から取れる樹液で、日本では太古から人の生活と深く繋がりを持ってきた素材です。私はこの漆を使って、美術作品や器を制作しています。
例えば、新設される病院などの壁面に展示する作品を制作したり、展覧会を開催して作品を発表しています。器も展示販売をしたり、お店に卸したりしています。又、こうした活動と並行して器の修理や金継ぎ(漆や金粉を使って、割れた器などを直すこと)を受けたりしています。
近年では、この漆というものにスポットが当たることも増え、その利用可能性も様々に広がりを見せることとなるでしょう。
・得意な事、自慢出来る事は?
私の得意な事は、やはり美術分野にまつわる事柄となります。
ミオスでご教示しているデッサンや水彩などは、私の得意としているものの一つです。それらは、受験時代に徹底して教え込まれたもので、現在メインの仕事となっている漆芸とは違う分野ではありますが、鉛筆や絵具といったものを素材に、紙上に表現をするという行為が体に染みついているといっても良いでしょう。分かり易く言うと、そうした行為が日常私たちが普通にしている、歩く、話すといった行為と同様に体の動作の一部になっているということだと思います。
・喋ってばかりで作業しないタイプへの注意の仕方は?
「喋ってばかり」という行為は、1人ではできない訳ですから、必ずその対象は2人以上いるということです。又、喋るという行為の中で、中心になっている人が必ずいるのですから、その中心になっている人と話に同調しやすい何人かの人を空間の中で接しやすい場所に置かないという対策をとってみれば良いと思います。又その時に、何人かが喋っているという行為が、どう見ても他人に対して迷惑を被っていて、如何なる注意にも応じないないとしたら、単純にその空間から退場して貰うだけです。
・恋愛エピソードを教えて下さい!
初めて異性と付き合ったのは、高校3年生の3学期です。同じ学年の人でした。私は、高校の頃は大学に行きたいという思いも特に無く、美大受験の勉強を始めたのは、高校3年生の3学期も終わりの頃でした。時代は今と違って、所謂バブル経済の時代でしたし、通っていた学校自体が進学への意思を持った生徒が、そう多くは通っていなかったので、私もその他大勢の人達に流され、まあ何とかなるだろうと将来のことを志望する考えも持ってうなかったのですが、卒業も近くなると、半ば周囲の勧めもありようやく美大受験を決めた訳です。そのような末、美術部の先生の促しで3年の3学期末から美術部に入部することとなり、放課後、美術教室で石膏デッサンなどをしていました。そしてたまたま時を同じくして、やはり美大を志すという美術部ではない女子が放課後、美術教室で同じように石膏デッサンを始めることとなったのですが、その女子が初めてお付き合いをする異性となったということです。
私は、一度お付き合いをすると比較的長く付き合うタイプなので、その人とは、結局2年間位はお付き合いをしたかと記憶しています。その後、私は浪人中、相手は短大を卒業し就職が決まり、別れを告げられました。ふられるという経験は、その時初めてでしたが、突然の宣告ということもあり、目の前真っ暗という心境とは、こういうことなのか・・・なんて感じたことも今では懐かしく思います。
・有り余るほど持ち合わせちゃったなと思うものは?
有り余っているものなどありません!!
・反対に足りないなと思うものは?
足りないなと思うものと言えば、自身を取り巻く全ての物事。人生を生きる上で、例えばお金。お金は、貯めることができますが、生活の中で使っていかざるをえない道具です。各人の基準はありますが、自身の生活を過不足なく維持できている内は、足りないと思うことはありませんが、それが阻害されてくると足りないと思うものでしょう。
又、それはお金だけでなく、身の回りで常に足りないと思うものが代わる代わる出て来て、日々、それらを補おうと奔走しています。
・もしも透明人間になれるなら何をする?
透明人間になって慈善的なことをしたいと思う人はあまりいないでしょうが、もしそんな人がいたら称賛し、褒め湛えたいと思います。
ドラえもんで、透明になる道具を使ったのび太がしずかちゃんのお風呂を覗きにいくようなシーンがあったかもしれませんが、私もおおよそそのレベルです。
透明人間になれるなら、という発想がそもそも、普段持ち合わせている人間的な理性を無くし、動物的本能に帰れるならという1面があります。でも、だからといって多分、おおよその人は、実際に透明人間になれたとしても、頭で考える程、極悪非道なことができる訳でもないでしょう。それは、人間としての理性が働くからです。とは言え私も、透明人間になりしずかちゃんのお風呂をドキドキしながら覗いてしまった後は、自戒の念に囚われることでしょう。
・嫌な事があった時の気分転換は?
最近、そこまで痛烈に嫌なことがありません。普段からお酒は殆ど飲みませんが、仲間とお酒を飲んでバカな話をしていれば自然と心のバランスが取れてくるものです。
そういう意味では、未成年って大変だと思います。学生も勤め人と同じく、絶望的に感じる事柄は起こるものです。逆に未成年の時の方が感受性が強く、住まう世界も狭いので、傍からみるとそこまで大きい事象に思えないことでも、逃げ場もなく、心に大きく響くことがあるでしょう。そうした時に、成人のように、一時お酒の力を借りて、ということが出来ないぶん、気持ちのスイッチを切り替える何かを持つことは大切なのだと感じます。
運動であったり、ゲームであったり、人とのコミュニケーションであったり、アルバイトであったり、ものを作ることであったり、ボラティアであったり、どんなことでも良いです。自身に起こった良いことも、辛いことも含め、何もかも忘れられる位、熱中できることを探して下さい。
・良い事があった時の自分にご褒美は?
良いことがあった時に、自分に褒美を与える習慣がありません。例えば、そういうシーンでなくても、自分の為に何を買うかということであれば、本を買います。本と言っても雑誌を含め様々なほんです。マンガは、殆ど読みません。実際に学生の時分は、本を読む習慣は持ち合わせていませんでしたが、今になって本を読むことが好きになりました。所謂、日本のテレビやラジオなどの既成のメディアは、世の中で起こっている本当のことを伝えていません。それらは、いいように歪曲され、更にごく表面的且つ、一部分の事柄しか伝えていないのです。幼い頃からネットの世界に精通している学生の方々は、僕らの世代よりもむしろ、そのようなことを良く理解していると思います(笑)。
今年ももう終わりです。クリスマスの後は、除夜の鐘を聞いて一年を締めくくり、新しい年が巡ってきます。ミオスは、来年アニバーサリーイヤーです。私も又気合いを入れて、新しい年を有難く迎え入れます。皆様には、今後益々、心から楽しんで絵画制作をしていって欲しいと思っています。いつも言っていることですが、いつまでもドキドキワクワクしながら自身の表現を追求していって下さい。今年もどうも有難うございました。皆様方、どうぞ良いお年をお迎え下いませ。