植松 油彩
寒さに加え花粉も飛び始めたようで絶叫しています、一平です!本日は日曜大人クラスの植松さんの油彩をご紹介します。
写真集から気に入った一枚の写真を見付けて油絵を描かれる事が多い植松さん、プロのカメラマンは何故この写真を撮影したのか?から始まり、どんな場所なのか、どこから光が指しているのか、季節は?時間は?空気は?と丁寧に写真を読み解いていきながら絵を描いておられます。
こうして三枚の絵を並べてみると、水面や植物に当たる光の美しさや、建造物と自然物の質感の差など素晴らしい点がたくさん挙げられます。絵を見た人になんとなく、夏の日中、秋の日が傾き始めた夕暮れ、冬になりかけた季節の夜、など日時を感じさせる色彩も素晴らしいですね。
三枚とも通常目にする真横から見た構図=つまり大人が立ってカメラを構えた視点です。また特筆すべき共通点は、全てが真正面=水平にメインのモチーフが来ること。この真横から、そして真正面からの見え方は一般的ではありながら、奥行きが出しづらく平面的な絵になりがちですが、左の絵は滝の上に落ちる木の影、中央の絵は障子の奥の暗闇+縁側の上面で光を確保、右の二重橋は奥のお城(伏見櫓)や木の並びの見え方で奥行きを演出しています。光が当たっている部分と影が落ちている部分を明度差を変えながら交互に置く事で、遠近感を出す事に成功しています。
時間や場所によって臨機応変に伝え方を変えていく、植松さんの観察眼の賜物ですね。
自分の感情をぶつける事はもちろんですが、自分で選んだモチーフに対して静かにじっくり向き合ってみる。そういった植松さんのような姿勢も力が身につく方法の1つですよ!