小学生クラスと学生クラスを担当しています、ホノカです!
今回のブログでは少し前に学生クラスで行っていた日本画をご紹介します!
日本画は普段使うことのない石やガラスを砕いた岩絵具というキラキラした宝石のような粒子を、膠(うさぎや鹿のコラーゲン)を接着剤として使うため扱いに手間取ることも多かったと思いますが、苦闘しながらもどれも素敵な作品に仕上がっています!

上段左から 桃香 高1 / りん 中2
下段左から 夏波 中2 / 愛美 中1
まず桃香の作品は畳と猫の相性のいい組み合わせにおやつのパッケージが入ってメリハリのある作品に。畳に猫が寝転ぶ柔らかな雰囲気が日本画らしいですが、あえて異色の(花鳥風月が日本画らしさとするならタブーにも近い)商品を入れたところに彼女らしい遊び心が見て取れます。鈍い緑の自然色の中にパキッとした赤の色や文字が相まって画面が引き締まって見えます。本人は猫が好きとのことで毛並みや表情がとても丁寧に描かれていて可愛いですね!最後に細かい部分を顔彩で丁寧に仕上げをしていたのがとても効いています。
次にりんの作品は厳島神社の鳥居と海のコントラストが目を引く仕上がり。鳥居の朱色が、補色を使った背景の海や山の自然の色と引き立てあっているのはもちろんですが、日本画的なグラデーション(岩絵具は染料ではなく粒子なので、色同士は混ざりません。少しずつ違う岩絵具を選択しグラデーションに見せなければなりません。)を岩絵具の質感を生かして塗った部分が素敵です。また空と海は意識をして青の色味に変化をつけています。海には粗い波の大胆な塗りと透き通るような繊細な塗りの差がとてもいい味になっています。
そして夏波は深い色の空に浮かび上がるような純白の鳥が丁寧に描かれた作品で、今回紹介する中では一番日本画らしいモチーフかと思われます。背景の面積が広い分グラデーションに苦戦していましたが、粗い岩絵具を使う前に、水干と呼ばれる細かい泥からできた絵具を多用することで綺麗な仕上がりになりました。また鳥の毛並みを一本一本面相筆で描いたことで、冬の鳥らしいふわふわとした質感が現れており、枝にあたる僅かな木漏れ日のような細かい明暗部分にまでこだわっていることが更に全体の完成度を上げています!
最後は愛美の作品です。大きな蓮の葉と花が画面いっぱいに広がって力強さと繊細さが同時に感じられる作品です。蓮の葉は色味を豊かに見せる為にたくさんの種類の緑を用いてある上に、葉脈のハッキリした線が全体に巡っていることで画面の一体感や蓮の葉の大きさが感じられます。そしてメインである花は色を重ねるとくすみがちになる難しいピンクをここまで鮮やかに透明感を出し、花びらは丁寧に形を追って描かれていて綺麗です。根元や先に少し入っている白もピンクや赤を際立たせていますね!
以上学生クラスで行っていた日本画のご紹介その1になります。その2も来週アップする予定ですのでお楽しみに!
私も小学生クラス・学生クラスの時に何度か日本画に挑戦したことがあるのですが、絵具の粒が大きく、筆先がなかなか細くならずに細かいところでとても苦労した記憶があります。ですが今回の作品はどれも日本画的なグラデーションやメインのモチーフの繊細な描写がされていて素晴らしいです。ぜひお部屋などに飾ってみてください!