花粉で毎日顔がすごいことになっています!マユカです。
今回は2月から小学生クラスで制作している兜の作り方についてお話していきたいと思います!
今回初めて紙工作の設計からお手伝いさせてもらったのですが、この複雑な構造のものを簡単に作るには?わかりやすく伝えるには?という所で如何に小原先生が工夫をしているかを目の前で見て、勉強させてもらいました。なんとなくでも作れちゃう!(なんとなくブログはこちら)そんな兜のパーツごとの説明をします。教わっていなくても、このブログを読むだけで真似して作れちゃうかも…!?

①鉢(はち)頭の後ろの部分
まずは鉢ですが、横幅2センチ、縦幅9センチに細く切っていき、4本ずつ束にしてホチキスで止めます。さらに4本の束を中心に寄せて丸く形を整えます。ホチキスによっては4枚分の画用紙をとめられなかったり、紙を押さえながらホチキスに結構強い力を加えないと芯が通ってくれなかったりと、画用紙の厚さに苦戦する面が多かったですね。「芯折れちゃった!」「ホチキスの芯出てこない~」という声が多かった!床に散らばるホチキスの芯もとっても多かった…。また、線を引く場所も少し複雑だったため、見本を何度も見たり友達と教えあって、協力し合って鉢の部分を完成させていました。

②鉢(はち)の前-おでこの部分
こちらは先ほどの鉢のおでこ部分です。なぜ後頭部の部品と分かれているかというと、理由が2つありまして、1つが「後頭部の鉢と一緒にしてしまうとホチキスが止めづらい」という点。試作で分かれていないものを作ってみたところ、至る所が破けてしまい、この形に落ち着きました。
2つ目はこの後紹介する「眉庇(まびさし)」をつけやすくするためです。ここに合わせて型をとり、ボンドで張り付けて…と作業工程が入るので、分かれていた方が後々とても楽になるわけです。
ちなみにこの部分は、「後頭部の鉢を作ったみんななら、このおでこ部分は見本が無くてもできるよね?」と、見本は一瞬しか見せず、説明だけをして作ってもらいました。作るのはあまり難しくないパーツですが、頭を使う場面が多くて大変だったかもしれませんね

③錣(しころ) 後頭部から首にかけての部位を守る
複数段重ねて繋げ、垂れ下げた物
これは錣(しころ)!このパーツが一番難しい所です。切ったパーツはまっすぐですが、これを半分に折って、斜めになるようにくっつけます。右側の青い線が引いてあるパーツを見てください。折れ曲がっていますね、マジックペンの印(山型)に下のパーツの上辺が来るように合わせて、ホチキスで止めて…正直、文章では想像しづらいと思います。こうつけるんだよ!と説明や実演はたくさんしましたが、やはり難しい。こればっかりは先生たちで全力で手伝いました。パーツの形は単純で簡単そうなのに、くっつけるところで苦戦してしまう。でもこの錣が出来ると一気に兜らしくなり、自立するようになります。難しいけれどそれだけ重要なパーツってことですね。コツとしては、折り曲げたパーツの折り目を、くっつけたいパーツの中心より少し上に置いて、真ん中→外側の順でホチキスをつけると、結構くっつけやすかったなぁ、という印象です。(と、自分で説明を書いていても理解できない文章。すみません…)

④眉庇(まびさし) 雨や太陽光を遮るのみならず額を防護
眉庇(まびさし)はパーツの中でもオリジナリティが出せるものでしたね!ここは楽しかったのではないでしょうか?ギザギザに切ってとげとげした眉庇にしてみたり、花弁みたいにしたり…中には余った画用紙を貼り付けて飾りにしたりと、個性が光っていて、眉庇だけで誰の兜かわかるくらい、楽しいデザインが盛りだくさんでした。

⑤吹返(ふきかえし) 絵韋(えがわ-鹿のなめし革)などで装飾
狙われやすい顔を守る目的だけでなく、装飾として職人の腕の見せ所
こちらが最後のパーツ、吹返です。このパーツも縫い方で個性が出せる部品でした。シンメトリーにしてみたり、花のように縫ってみたりと楽しげだったのですが、豪華さを出すため、皮ひもだったり少し硬い紐を使ってもらった為、開けた穴が小さすぎると紐が通らず、無理やりに引っ張れば紙が破けて大惨事…と、紐の太さに苦戦する場面がかなり多かったなぁと思います。穴が小さかったら割り箸でもう一度通して穴を広げたり、紐の両端をセロハンテープで巻いて通りやすくしたりと、少しずつ工夫して作業しました。

ここまでのパーツを全部つけるとこんな感じです
※眉庇(まびさし)だけ付け忘れたまま撮影してしまいました!!すみません。実際には帽子のつばのようなパーツがついています!
アトリエの壁上方に置かれている小学生の兜たちは、毎週少しずつ飾りが増えて、どんどんと豪華になっています。飾りに目が奪われてしまうかもしれませんが、その飾りを引き立てているのが今回ご紹介したこれらのパーツ。ここがしっかりしてないと飾りに負けてしまう。まさに縁の下の力持ちな部分。飾りが全部付いた兜の完成がとても楽しみです!!