今回は紙立体の課題。 (南澤)
今回は紙立体の授業ということでしたので、開始前から嫌な予感がしておりましたが、「南澤先生、お得意の建築的課題ですから、構造についてしゃべってくださいねっ」などとまた無茶ぶりをされて始めました。そもそも工学的な事など、まったく知らないからデザイナーが勤まるワケです。無理なカタチを考えては、大工や職人にヒーヒー言わせて作らせているのです。とは言うものの、女子供よりはマシだろうと、精一杯、紙の扱いを語るのでした。
紙の加工方法には、切る、曲げる、折る、貼る。があります。更には、溶かす、燃やす、噛み砕くなどの事も可能でありますから、君たちも是非、と言いかけて、親御さん達の顔が頭をよぎりましたので、普通にいきました。「さあ、なるべく高くなるよう作ってみよう」
火曜日クラスでは、僕と生徒達とで対決いたしました。事前に月曜クラスのカンニングしていた僕は、L字アングル状に折った柱材を量産して積み上げ、大人げないタワーを造り完勝。圧倒的な建築工学知識を児童に見せつけます。そんな権力闘争に明け暮れた火曜日とは違い、他の曜日の作品(写真下)には、紙の軽さや張力を活かした素晴らしい作品がありますね。素材の特性をなるべく活かした構造こそ、工芸の真骨頂であると大学時代に教授が言っておりました。そして、それは華厳思想の息づく日本のモノ作りの根幹であることを言わせていただき、本日は勘弁していただきますー。