西 油彩
土曜日です。岩田です。
本日は、土曜日午後のクラスに通われている西さんの油彩をご紹介します。
描かれているのは、顔も体も薄汚れた女性。外国のシンガーとのことですが、モチーフとしては顔立ちもハッキリしていて描き甲斐があったと思います。
誰しも人を描きたいという願望を抱きつつ、描いてみると中々手強いと感じるかと思います。
特に正面から描くと顔自体の空間が生まれにくく、特に鼻が手前に出っ張らないことも多々あるでしょう。
今回の作品を見ると、鼻の先端をしっかり意識されると共に、鼻下側にも的確な陰と反射光が付けられており、ちゃんと手前に出っ張っています。
以前に参加して頂いたデッサン講習の成果が表れているのかもと考えると、私としても嬉しい限りです。人物自体に置かれた色も自然で、少し乱れたような髪の毛の様もリアルに表現されています。
画像などを元にする場合、画面内のどの方向から光が差しているのかを確認することは元より、人の内部構造(特に骨格)を理解して描いているか否かもとても大切です。
そうした多角的な分析によって人体にできる陰影を的確に理解できれば、至極自然な絵となっていくのです。
凹凸が分かりやすい顔に対して、どちらかというとボディーは意識が希薄になりがちです。
西さんも次なるステップとして、首から下もしっかり描くよう意識されると更に完成度が上がってくるでしょう。