健一郎 高1 左 / 油彩 中央 / アイスのパッケージ 右 / アクリル
大竹です。今回ご紹介するのは学生クラス在籍の健一郎の作品です。普段学生クラスの作品は何人かまとめて紹介していますが、健一郎は一人で油絵・紙工作・アクリル画と様々な制作しておりましたので今回は特別にピックアップ!健一郎特集です。
油彩画はライトアップされた凱旋門を描いています。描き初めの段階から車が密集している様子や、道の周りのライトの雰囲気も良く出ており、順調に進めておりました。毎回コツコツと描き進めながらも、無駄なくスマートに仕上げていった印象があります。道に落ちる車のライトの表情も良く描けていますね。
立体工作はお菓子のパッケージ工作のものですね。牛の手足の構造をキチンと意識して作られています。こうした立体物を作る時は、いかに元のモチーフの構造を理解して組み込む事が出来るかが重要です。これ、ヤギとか牛舎なんかも作って牧場のジオラマにしても面白そうですね!健一郎は平面も立体もソツなくこなしますね…本人が自覚しているかは分かりませんが、どこを押さえれば作品を良く魅せられるかを理解している様に思えます。
アクリル画の方は本人の心情が無意識に構図に表れている様で面白いですね。暗い背景に均等に並ぶ同じ形の灯りの付いていない電球が敷き詰められ、その上に点灯した大きな電球が横たわり、下敷きになっている電球を照らしています。それぞれのモチーフは何かの暗喩と考えると、学生にとって周りに沢山いる同じ形のものは学校の同級生でしょうか?メインの大きな電球は自分か、それとも本人にとって大きく印象に残った出来事の表れなのかもしれません。背景も暗く、電球という無機質なモチーフを使用していますが、不思議とネガティブな印象は受けないので、何か好転の機会があったかな?とこの絵を前にして色々考えてしまいました。
どの素材もソツなくこなす健一郎ですが、現在は市美術展に向けて頭を悩ませ中のご様子でした。テーマは決まってるけど何を描けばよいか悩む時は、そのテーマについて、ネットや本で調べたり、小説や映画、他人のイメージなんかを取り入れてみると案外良いアイデアがパッと浮かんだりする事もあるので、色々と探してみる時間を作ってみては如何でしょうか?