小川 油彩
サヤカです!暖かいと思ったら雪が降ったり…不安定な天気に振り回されてしまいますね。今回は、大人クラスの小川さんの作品をご紹介します。
動物を描き続けていらっしゃいますが、今回左の絵のテーマは重く、死んだ母親ゾウを赤ちゃんゾウが起こそうと?している場面。鼻の位置が下半身にあるので、おっぱいを求めているのかもしれません。手前右のゾウは兄弟でしょうか?奥の赤ちゃんゾウより体が大きいからお兄ちゃんなのかな?赤ちゃんゾウよりもお母さんの死を理解しているから、神妙な表情なのかな?と思いを巡らせました。
群れでクラスゾウは、家族や仲間に対する愛情が強いと聞きます。
その心情を表現する為に、劇場のライティングのように効果的に使いました。光が当たり、彩度の高い色で着彩された赤ちゃんゾウからは、死というテーマとは程遠い鮮やかさを感じます。中心の赤ちゃんゾウをあえて明るくすることで、コントラストが際立ち、より影が持つ意味が深くなっています。
右は、花の蜜を食料にするコウモリ。体が花に埋まってしまって、プリン風呂?みたいな幸せな状況でしょうか?全身が花粉だらけになっていますね。先程の絵と打って変わって動物のコミカルな一面が描かれています。表情もどこか必死さがあって、可愛らしいですね。黄色、赤色、緑色と強い色が主に使われていますが、彩度を落とし、まとまりのある画面になっています。落ち着いた彩度の中で、ハイライトをうまく使い、コウモリと赤い花が作品の主人公として目を惹きます。
今回小川さんが描かれたのは、ゾウに関しては多少身近であるものの死という触れる機会が少ない場面、多くの人が近くで見たことがないであろう花蜜食のコウモリでしたが、2作品とも、思わず動物の声をアフレコしたくなるような臨場感ある作品でした!犬や猫といった身近な動物には多くの人が感情移入しやすいと思いますが、見た人にとって知らない動物であっても、気持ちを想像できるのは、小川さんが動物の心情を考え、どのように表現するか考え抜いた結果だと思います。これからも、小川さんの作品を楽しみにしています!