
月曜小学生クラス 水彩画
どうも幸介です。みなさまはアンデルセンの「絵のない絵本」という本をご存知ですか?ストーリーは、とある貧しい画家のもとに夜ごとに月が訪れて、月が見たことを画家に話してきかせ、画家はその月が話した内容をもとに絵を描いた、というお話です。月が喋ります。オチのない、淡々としながらもちょっと不思議な話を毎日画家に話すんです。「月が喋るようになった経緯は?」とか「起承転結はどこだ」なんて言ってたらとても読めない、もしかしたら読む人を選ぶかもしれない本です。
2月の小学生クラスは、そんなアンデルセンの「絵のない絵本」を読み聞かせて、おはなしを聞いた中から印象に残った場面を絵にする、という空想画の課題でした。今までアトリエではモチーフを見て描く「観察眼」は鍛えてきましたが、今回は頭の中に風景を空想しながら描かなければなりません。いつもと絵を描くプロセスが違うんです。
話しながら空想を膨らませ、その場面では登場人物はどんな気持ちだったのか、どういう気持ちの時にどんなポージングになるのか……いつもの授業よりも生徒の内面を引き出すのが少し大変だったかなぁーなんて思っております。
しかしその甲斐あって作品はなかなか良い出来!!まだ完成した子は少ないんですが、空想画故の構図のダイナミックさや、多少デフォルメが入りながらも感情表現豊かな登場人物の顔など、素晴らしい出来です。図工の教科書の児童画の見本のようでもありますね。「絵のない絵本」の内容にも思ったより食いついてくれて、僕自身も子供に久々に読み聞かせをしたりして勉強になった課題でした。今週来週とぞくぞくと完成いたしますので、随時紹介していこうと思います!!
ちなみにアンデルセンのこの話、読み聞かせるために何回か読み込んだんですが……僕にはあまりにもフィーリングが合わない物語でした……山場がなさすぎて、空想は湧いてくるけどなんだか淡々としてて、絵にしたい場面もあんまり派手な色合いが思い浮かばないし。僕には長新太(絵本作家・ちなみに 国際アンデルセン賞の受賞者)の描くような、エキセントリックな話が合ってるなと再確認しました!!
田中幸介