新潟県佐渡市で放鳥されたトキの卵がかえった。日本の自然界で
は36年ぶりの「快挙」という。新聞もテレビもトップニュースで伝
え、大はしゃぎである。
近年、手放しで喜べるような話題が少ない。だから何かあるとす
ぐに飛びつく。昨年の女子サッカーW杯もトキのひな誕生もつまる
ところ一緒だ。その心は「希望と勇気を与えてくれる」である。
しかし、中国から借り受けたトキを使った繁殖が、本当に「ニッ
ポニア・ニッポン」の再生になるのだろうか。某国立大学の教授が
以前、「中国トキも日本のトキも遺伝子構成はほとんど同じ」と書
いていた。ほとんど同じと全く同じは、科学的には決定的に違う。
この筆法を用いれば「人もゴリラも遺伝子構成はほとんど同じ」と
言い得る。
人の存在は自然を脅かす。どんなに目配りし、気を使ったところ
でこの宿命からは逃れられない。「滅ぼしたものも科学の力で再生
できる」などと考えるのは傲慢というものだ。
地元ではトキのひな誕生を観光や地域振興に結び付けたいと考え
ているらしい。泉田裕彦新潟県知事は「ひな誕生は大きなニュース
で、多くの人から佐渡に来ていただけるだろう。自然と人とが共生
する佐渡を多くの人に楽しんでもらいたい」(23日新潟日報夕刊)
と語っている。
多くの人が楽しむことと自然状態を良好に保つことを両立させる
のは至難の業である。「自然との共生」をいうなら、佐渡空港の拡
張計画を見直してはどうか。ジェット機とトキ、両方を空に舞わせ
たいとは欲張りに過ぎよう。
は36年ぶりの「快挙」という。新聞もテレビもトップニュースで伝
え、大はしゃぎである。
近年、手放しで喜べるような話題が少ない。だから何かあるとす
ぐに飛びつく。昨年の女子サッカーW杯もトキのひな誕生もつまる
ところ一緒だ。その心は「希望と勇気を与えてくれる」である。
しかし、中国から借り受けたトキを使った繁殖が、本当に「ニッ
ポニア・ニッポン」の再生になるのだろうか。某国立大学の教授が
以前、「中国トキも日本のトキも遺伝子構成はほとんど同じ」と書
いていた。ほとんど同じと全く同じは、科学的には決定的に違う。
この筆法を用いれば「人もゴリラも遺伝子構成はほとんど同じ」と
言い得る。
人の存在は自然を脅かす。どんなに目配りし、気を使ったところ
でこの宿命からは逃れられない。「滅ぼしたものも科学の力で再生
できる」などと考えるのは傲慢というものだ。
地元ではトキのひな誕生を観光や地域振興に結び付けたいと考え
ているらしい。泉田裕彦新潟県知事は「ひな誕生は大きなニュース
で、多くの人から佐渡に来ていただけるだろう。自然と人とが共生
する佐渡を多くの人に楽しんでもらいたい」(23日新潟日報夕刊)
と語っている。
多くの人が楽しむことと自然状態を良好に保つことを両立させる
のは至難の業である。「自然との共生」をいうなら、佐渡空港の拡
張計画を見直してはどうか。ジェット機とトキ、両方を空に舞わせ
たいとは欲張りに過ぎよう。
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