舞い降りる 初雪見上げ 走り出す
君待つ湖畔に 心高鳴る
「年末ですから混んでいて少し遅れますよ。」
「かまいません。」
昨日何度も練習し、録音しなおしたカセットテープ。
君の好きな『初めて』が入っているよ。それからメッセージも。
差出人の名前を書いていないけれど、僕からだって、聞けば分かるよね。
君はどんな顔をしてこれを聞くんだろう。
喜んでくれるだろうか。それともびっくりするかな。
なんか、どきどきするな。
そんなことを考えながら郵便局のドアを開けて外へ出ると、雪が降っていた。
〈初雪だ!〉
雪が舞い降りてくる空を見上げると、僕は嬉しくなって走り出した。
きっとユジンが待っている、あの湖畔で。
『初雪が降ったら会おう』って“ちゃんと”約束したわけじゃないけれど、あれはそういう意味だよね。
もう君は雪が降ったことに気付いたんだろうか。
それとも僕のほうが先かな。
息を切らしてメタセコイヤの林にたどり着くと、まだユジンは来ていないようだった。
僕は“ある事”を思いついて、木の陰に隠れた。
いい具合に雪はまだ降り続いていて、僕のつけた足跡を消してくれている。
しばらくすると、ユジンが走ってやってきた。
やっぱり『約束』を覚えていてくれたんだね。
僕がいることにユジンは気付いていない。
林の入り口まで来ると、急いで走ってきたことを悟られまいとするかのように息を整え、澄ましてゆっくりと歩き出した。
もう少し、こうしてユジンの姿を見ていよう。
もう少し近くまで来たら…
「えいっ!」命中!!大成功!!
僕達の『初めて』の楽しい『初雪デート』の始まり…
あの日から 一 「時が止まった」 に続く
君待つ湖畔に 心高鳴る
「年末ですから混んでいて少し遅れますよ。」
「かまいません。」
昨日何度も練習し、録音しなおしたカセットテープ。
君の好きな『初めて』が入っているよ。それからメッセージも。
差出人の名前を書いていないけれど、僕からだって、聞けば分かるよね。
君はどんな顔をしてこれを聞くんだろう。
喜んでくれるだろうか。それともびっくりするかな。
なんか、どきどきするな。
そんなことを考えながら郵便局のドアを開けて外へ出ると、雪が降っていた。
〈初雪だ!〉
雪が舞い降りてくる空を見上げると、僕は嬉しくなって走り出した。
きっとユジンが待っている、あの湖畔で。
『初雪が降ったら会おう』って“ちゃんと”約束したわけじゃないけれど、あれはそういう意味だよね。
もう君は雪が降ったことに気付いたんだろうか。
それとも僕のほうが先かな。
息を切らしてメタセコイヤの林にたどり着くと、まだユジンは来ていないようだった。
僕は“ある事”を思いついて、木の陰に隠れた。
いい具合に雪はまだ降り続いていて、僕のつけた足跡を消してくれている。
しばらくすると、ユジンが走ってやってきた。
やっぱり『約束』を覚えていてくれたんだね。
僕がいることにユジンは気付いていない。
林の入り口まで来ると、急いで走ってきたことを悟られまいとするかのように息を整え、澄ましてゆっくりと歩き出した。
もう少し、こうしてユジンの姿を見ていよう。
もう少し近くまで来たら…
「えいっ!」命中!!大成功!!
僕達の『初めて』の楽しい『初雪デート』の始まり…
あの日から 一 「時が止まった」 に続く
この時二人は、幸せな時間がずっと続くと思っていたのですよね。それを思うと、切なくなってきます。
書き込みありがとうございます。
poppoさんが素敵な下の句を付けてくださったので、ジュンサンの心をちょっと書いてみたくなりました。
キャンプでユジンと仲直りして、プレゼントのカセットテープを作り…、ジュンサンの一番幸せなときですよね。
メタセコイアの林を歩いてくるユジンを見つけたときのジュンサンは、きっと心が高鳴ったことでしょう。
この初雪デートの後、一転してユジンとの悲しい別れになってしまうのですから…、本当に切ないです。