久しぶりの再会のEさん。緑色のドレスを着てきた。仲良しのWさんを伴っている。予約席は私の隣。
新型コロナ流行以来外せないでいたマスクを、私はずうっと未だに着けている。循環器系が弱いこともあり、以前から外出時はマスクを着用していたので、そんなに抵抗も無く、未だに電車内は勿論、ホールで踊る時も外さないでいる。
EさんとWさんは、ダンス曲が流れ出すと、マスクを外した。
約2年近く会わなかった二人の顔を、何気なく見た。ああ、少し老いたような気がした。こういう時の心理って、自分のことはシッカリ棚に上げるモノらしい。彼女らと同様、私自身も老いているはずだ。だが、自分の顔は鏡で見ても、正確に見えるはずもないだろうから、欲目で見る。それでも、ほうれい線というものの、顔の下半分は特に、重力に耐えかねて、形など気にすることもなく、ぽっちゃりとか、ゆるやかにとか、下がってくるモノらしい。
「ねぇ、あなた、マスクを外して、お顔を見せて」と、Eさんが言う。ちょっと戸惑ったが、一年以上も会わなかったから、顔をシッカリ確かめたいのかしら? などと思い、私はマスクを外した。
「・・・・・」Eさんは、唇の端を上げてほほ笑んだ。どういう見え方をしたのかは言うはずもないが、自分同様の年月を垣間見えたはずだ。
一年半も病気と戦ったEさん。ダンスの足型は忘れないでいたようだ。一時の勢いのあるダンスではないように見受けられるが、軽やかにステップを踏んでいる。次の約束は無かったが、また何れ一緒に踊る時は来るだろう。それまで、どうやって、老いの印から逃れられるか? 暫しの間考えていたが、いつの間にか、いつもの暮らし方に戻っている。
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「と・ある日のこと」をお送りします。
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