私の踊りに行っているダンスホールのお客様は、年齢は40代の女性も居るが、大抵は60歳前後から上は90歳位までの女性。スタッフは大学生から還暦位までの男性。一番多いのは30代までの男性が多い。
女性客は自分の子供から孫位の男性に踊ってもらっていることになるのだが、雑談の内容ともなると、一気に現実味が滲み出る。
「私は、いずれは老人ホームへ入所するつもり」という隣席の黒白のドレスを着たNちゃん。その隣の席のパープルのドレスのHさんは、「えっ?」と言って、話の内容に付いていけないという表情をした。
Nちゃんの父上は医者だったそうだからか、母上はとてもきめ細かい介護を受けられる施設に入所していたそうだ。だから自分も同じような所へ入るつもりだと言った。それには、多額の一時金が必要とか。一般のサラリーマンでは、その金額を用意できる人は少ないと思う。我が家ではとてもそういう至れり尽くせりの介護施設には入れそうもない。だからこそ、健康に気を付けて、「ピンピンコロリ」を目指すしかないのだ。
華やかなダンスホールでの話題にしては、超現実味のある話である。子や孫が居ようが居まいが、自分の最後の始末をどうするか? イヤでも考えておかなければならないだろう。
「自宅は娘に、千葉の別荘は息子に相続させると夫婦で決めているのよ。あれこれ姉弟で揉めても困るので、今の内から二人には話してあるのよ」と、Nちゃんは言った。
相続問題から、高価な食器まで、娘と息子が喧嘩しないように割り振ってあるとか。
そういう点では我が家の相続人は一人なので心配ないが、猛暑の夏にしては小寒い話だ。
ダンサーが手を差し伸べた。
軽快なジャイブの曲が流れている。
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