南朝鮮人もそして日本の人たちもこの個人請求権に関して大きな誤解があるのをご存知でしょうか。
有名な1991年8月27日、衆議院予算委員会における柳井俊二氏の発言があります。

『(日韓基本条約は)いわゆる個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではない。日韓両国間で政府としてこれを外交保護権の行使として取り上げることができないという意味だ』
実はこの発言そのものが大きな誤りであり、それ以降の賠償請求訴訟乱立を招いた元凶なんですね。それでは、 なぜ、この発言が誤りなのかを今一度、日韓請求権協定を紐解いてみたいと思います。

◯ 日韓請求権協定 第2条第1項  
両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて、完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。
これだけ読むととっても広い範囲での解決条項ですが、実は、これには「合意議事録」があり、非常に明確に合意内容が記されています。

◯ 日韓請求権協定 合意議事録
 
(g)同条1にいう完全かつ最終的に解決されたこととなる両国及びその国民の財産、権利及び利益並びに
両国及びその国民の間の請求権に関する問題には、日韓会談において韓国側から提出された「韓国の
対日請求要綱」(いわゆる八項目)の範囲に属するすべての請求が含まれており、したがつて、
同対日請求要綱に関しては、いかなる主張もなしえないこととなることが確認された。

それでは、この対日請求要綱とはなんなのかというと、それは以下の通りです。

◯ 韓日財産及び請求権協定要綱

(1) 朝鮮銀行を通じて搬出された地金67,541,771.2グラム(第五次会談時提示)及び
地銀249,633,198.61グラム(第五次会談提出時提示)の返還請求
(2) 1945年8月9目現在の日本政府の対朝鮮総督府債権の返済請求
(3) 1945年8月9日以後韓国から振替又は送金された金品の返還請求
(4) 1946年8月9日現在韓国に本杜本店又は主たる事務所がある法人の在日財産の返還請求
(5) 韓国法人又は韓国自然人の目本国又は日本国民に対する日本国債、公債、日本銀行券、
被徴用韓国人の未収金、補償金及び其他請求権の返済請求 
(6) 韓国人(自然人、法人)の日本政府又は日本人に対する個別的権利行使に関する項目 
(7) 前記諸財産又は請求権より発生した諸果実の返還請求
(8) 前記の返還及び決済の開始及び終了時期に関する項目
そう、(5)において、徴用者の未払金云々含めて返済請求もできず、
それどころか、(6)において、将来起こりえるかも知れない、南朝鮮からの個人賠償請求すら認めない
「いかなる主張もなしえない」という強い表現で、その権利がないことに日韓両国で合意しているのです。
柳井氏の発言は正直なところ、国益に反する全くの不勉強な発言だったわけですね。

ですから、挺身隊の厚生年金脱退請求で199円の支払いを行った当時の社会保険庁も不勉強だし、
それ以外にも、戦時の裁判による支払いや原爆被害者に対する支払いですら全て行う必要のないもの。
その請求は全て棄却しなければいけなかったものだったのです。

今からでも遅くありません。合意議事録に則り、今後は全ての請求を棄却。
ということで、続けて南朝鮮外交部に質問をぶつけてみたいと思っています。その内容は後日。