石森則和のSEA SIDE RADIO

ラジオマンの
石森則和がお届けするブログです!

強い笑顔。

2006-02-08 | Weblog
女性のかかるがんで最も多いのは乳がん。        
2015年には患者数が年間4万8000人ほどまで増加すると
予想されています。

そんな中、患者が正しい情報に基づいて治療法を選択できるよう、
なんと乳がんの体験者自身を
コーディネーターとして養成する講座が始まりました。

・・・その様子を取材に行ってきました。

がんの専門医らや、患者会である「ブーゲンビリア」と
「ソレイユ」が開くこの講座、
正直、乳がんの体験者がそんなに集まるものだろうか?と
思っていたのですが
定員を満たす250人が集まりました。

でも、なんで敢えて「乳がんの体験者」なのでしょうか

確かにこの分野での医学の進歩は目覚しいのですが
病院や医師によって治療方法は様々だというのが現状。
アヤシイサプリメントまであります。
説明のヘタな医師もいるし
セカンドオピニオンもうまくいかない場合もあって
患者は振り回されがちなのです。

そこで乳がんになったことがある人
(現在闘病中のかたも)が
これまでに命をかけて集めた医療情報や
治療中の「よかった体験」のみならず
「負の体験」までも
自分のものだけで終わらせず
「後輩たちのために生かしていこう」というのです。
医師との接し方まで細かくです。

参加費は1回につき1000円のみ。
1回目は「乳がんの標準治療」をテーマに
専門医らが語るものでしたが、参加者のかたは本当に熱心で、
後半は客席も交えてのシンポジウム形式になってました。

僕はね
この取材で2つほど忘れられない笑顔があります。

まずひとつめ。

主催者側から、
「参加者にインタビューするときには
プライバシーに配慮してね」
と言われていたので

参加者のひとりに
「名前も顔も(ラジオだし)出ませんので・・」と
インタビューを申し込んだところ

「名前も出ないようなら、本当は答えたくないわねえ。(笑)
だって私、これまでの人生で、
がんにはなったけど
なんにも悪いことしたわけじゃないもの
話すなら、胸をはって話すわ。」
・・・と。

・・・確かにそうだよね。
(ちゃんと丁寧に答えてくださいましたよ)

もうひとつ。
別の参加者に、ご自分でも治療中なのに
人へのアドバイスをしようと思った理由を
「すげえなあ」と思いながら伺うと

少し照れくさそうに

「あのね、実はね、
後輩たちのためでもあるけど、
私自身のためでもあるんです。

・・・だって、私。
ずっと治療後の生き方を探していましたから」

素敵な笑顔を見せてくれました。

ああ、そうだったのか。
そうだよな、
気がつかなかった。

がんを克服しても、患者会の活動に熱心なかたが沢山います。
患者会には経験に基づく情報もあれば、
気持ちをわかってくれる仲間もいて
時には素直に頼ることができます。

治療中の患者にも克服した人にとっても
その存在は本当に大きいのです。

そういう場が、こうした講座で
さらに充実すれば、と思いました。
(詳しくは2月22日(水)朝7時25分頃の
文化放送、ネクスト=生活防衛軍で放送します)