石森則和のSEA SIDE RADIO

ラジオマンの
石森則和がお届けするブログです!

フェンスの向こうのDJ

2006-08-02 | Weblog
きょうは泊まり勤務あけだったが
家具を買うために港の方へ車を走らせ、
そのあと
魚が食いたいと、134号を流した。

その時、いつもかけっぱなしにしている
ラジオからある曲が流れて驚いた。

CCRの「雨をみたかい?」という曲。

なにかの間違いか?と思ったわけは
そのラジオ局がAFNだったからだ。

AFNは米軍放送, 旧称FEN (Far East Network)-極東放送は、
世界各地の米軍が駐留する地に設けられた
基地関係者とその家族向けの放送局だからだ。

子供の頃、そのかっこいいDJにしびれた・・・という団塊世代?もいるかもしれないが、実はそのDJも「現役の兵士」である。
僕の家は横浜にあるが、すぐ近くには大きな米軍の施設があり
フェンスの向こうでは星条旗がたなびく。

ではなぜ「雨をみたかい?」がかかって驚いたのか?

・・・実はこの「雨」を見たものはいない。
なぜならこの雨とは、本物のRAINのことではなく
「ナパーム弾」を意味するからだ。

ナパーム弾は、油をまきながら落下し、
落ちれば1.5kmの範囲をを800度にする「大量破壊兵器」
この「雨」を見たものは死亡する。
なのに、ベトナム戦争でアメリカ軍が大量にばら撒いたのだ。

つまりこの歌は反戦歌であり、当時の自らの国を歌で糾弾したのである。結果、アメリカでは「放送禁止」になったと聞いている。

AFNの若い兵士が、この「雨」の意味を知らなかったのか?

曲が終わると同時にそれは違う!とわかった。
なぜなら静かにピアノのイントロが始まり
ジョンレノンの「イマジン」がかかったのだ。

この歌も9.11以降、
アメリカでは放送できなくなった時期がある。

ブッシュ米大統領は、イスラエルがレバノン南部を攻撃している問題で、戦闘終結に向け今週中に国連の措置を求めると述べたものの、「持続可能な和平」?を目指すとして、
即時停戦には「消極的な姿勢」を示した。
一方、イスラエルのオルメルト首相は、
レバノン南部に強力な国際部隊が派遣されるまで、イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラとの戦闘を続ける方針を示している。

彼らの選曲がこれに関連しての意思表示かどうかは不明だが・・・
海の家のそぐわない曇り空を映した海を見ながら
イマジンを口ずさみ、
フェンスの向こうの、同じ「DJ」を想った。