僕にとって
初めての「東京」は
高田馬場だった。
この街は新宿区にあり
坂道を下れば高層ビルも見えたが
同時に、時代の風が吹きだまったような
怪しく不思議な店がたくさんあった。
駅の、すぐそばにある
「F1ビル」(現存)にも
当時は不思議なジャンルの店がたくさん入っていた。
寂しくなると出かける大好きな場所だった。
そこに入っていた店のひとつが
「ラブミーテンダー」という名前の店。
これは日本で唯一のエルビス・プレスリーの専門店。
かなりマニアックな店で
レアモノのレコードがぎっしりと並び
いつもあの声が流れていた。
当時、僕はエルビスは
「太った派手な甘ったるい声の腰振りおっさん」
(ほんとごめんだわ、後に好きになるんだけどね)
・・・ぐらいの認識だったのだが
そのバタ臭く、カビ臭い一角が
不思議にかっこよくて魅力的だった。
いつのまにか無くなってしまったのだが
後に原宿の竹下どおりに
移転しているのを見つけた。
店の前には若き日の「プレスリーの像」が建っていたが
これは確か、小泉元総理らが寄贈したものだったと思う。
一方、ジョン・レノンが好きな僕は
学生時代、よく「ビートルズ専門店」に足を運んだ。
原宿の「ゲット・バック」である。
ここには貴重な当時のレコードだけでなく
店長らが買い付けてきたノベルティやらサインやら、
グッズ店、というより博物館の様相だった。
好きな人ならご存知だろうが
あの残酷な「ブッチャー・・・」ジャケットの
「サイン入りの本物」に触れたのもここだった。
ただ、決して古いものばかりがあるのではなく
ステーショナリーや、アクセサリー、
それにTシャツも豊富で
学生の僕にも手を出しやすいものも多かった。
つーか、
ただいるだけで
あの時代にいるような気がしたものだ。
のちに僕がFMラジオのDJになり
何度がビートルズ特集をしたときにも
この店の、当時の店長さんには協力していただいた。
その当時の店長さんというのが
現在は「何でも鑑定団」にもよく出られている
ホンダさんである。
ホンダさんは
決して広くない店の片隅で
挑発に髭、丸いめがね
まさに一時期のジョン・レノンそっくりで
観光で訪れた外国人のオバチャンは
「OH!」とおったまげていた。
サラリーマン生活をやめて
好きなビートルズに没頭し、
店長に上り詰めたホンダさんは
「ゲット・バック」から離れて
「ビートルズ研究所」を立ち上げて所長になり
ファンの間ではカリスマ的存在である。
でも、あの頃と同じように
ビートルズが絡む番組作りの相談には
気さくにのってくださるのだ。
話が
とまらなくなるけど(笑)
この2つの店はそれぞれ移転を繰り返していたが
現在は原宿の竹下どおりの近くで
同じビルの中に入っていた。
さらにこのビルには
ローリングストーンズの専門店、
「ギミーシェルター」も入っていた。
実はオアシスやベンチャーズのメンバーも
来日すると
ここを「ロックファンとして」訪れているのだ。
・・・ところが。
この3つの公式専門店は
全て来年1月に閉店してしまった。
表参道ヒルズオープン以来、
付近の家賃が急騰しているためだそうだ。
もう、
すっごおおおおおく残念。
最近「ゲット・バック」に行ったら
中学生や高校生の姿が多いのに驚いた。
「新たなファン」である。
音楽を愛する心は
螺旋階段のように世代を何度も巡り
その魅力が伝えられていく。
原宿にあったこれらの店は
こうした様々な世代の
出会いの場でもあったのに。
ネットショップもいいけど
あの熱狂の残り火を感じさせる「実物」を
目の当たりにできる興奮は
とっても大事なものなのに。
(ま、高くて買えないけどさ)
かつてのバンド少年として
あの店で
楽しそうにグッズを手に取っている
あどけない後輩たちに伝えたい。
どんなに時代が変わってしまっても
君たちの心を突き動かす衝動と
ROCKは死なない。
初めての「東京」は
高田馬場だった。
この街は新宿区にあり
坂道を下れば高層ビルも見えたが
同時に、時代の風が吹きだまったような
怪しく不思議な店がたくさんあった。
駅の、すぐそばにある
「F1ビル」(現存)にも
当時は不思議なジャンルの店がたくさん入っていた。
寂しくなると出かける大好きな場所だった。
そこに入っていた店のひとつが
「ラブミーテンダー」という名前の店。
これは日本で唯一のエルビス・プレスリーの専門店。
かなりマニアックな店で
レアモノのレコードがぎっしりと並び
いつもあの声が流れていた。
当時、僕はエルビスは
「太った派手な甘ったるい声の腰振りおっさん」
(ほんとごめんだわ、後に好きになるんだけどね)
・・・ぐらいの認識だったのだが
そのバタ臭く、カビ臭い一角が
不思議にかっこよくて魅力的だった。
いつのまにか無くなってしまったのだが
後に原宿の竹下どおりに
移転しているのを見つけた。
店の前には若き日の「プレスリーの像」が建っていたが
これは確か、小泉元総理らが寄贈したものだったと思う。
一方、ジョン・レノンが好きな僕は
学生時代、よく「ビートルズ専門店」に足を運んだ。
原宿の「ゲット・バック」である。
ここには貴重な当時のレコードだけでなく
店長らが買い付けてきたノベルティやらサインやら、
グッズ店、というより博物館の様相だった。
好きな人ならご存知だろうが
あの残酷な「ブッチャー・・・」ジャケットの
「サイン入りの本物」に触れたのもここだった。
ただ、決して古いものばかりがあるのではなく
ステーショナリーや、アクセサリー、
それにTシャツも豊富で
学生の僕にも手を出しやすいものも多かった。
つーか、
ただいるだけで
あの時代にいるような気がしたものだ。
のちに僕がFMラジオのDJになり
何度がビートルズ特集をしたときにも
この店の、当時の店長さんには協力していただいた。
その当時の店長さんというのが
現在は「何でも鑑定団」にもよく出られている
ホンダさんである。
ホンダさんは
決して広くない店の片隅で
挑発に髭、丸いめがね
まさに一時期のジョン・レノンそっくりで
観光で訪れた外国人のオバチャンは
「OH!」とおったまげていた。
サラリーマン生活をやめて
好きなビートルズに没頭し、
店長に上り詰めたホンダさんは
「ゲット・バック」から離れて
「ビートルズ研究所」を立ち上げて所長になり
ファンの間ではカリスマ的存在である。
でも、あの頃と同じように
ビートルズが絡む番組作りの相談には
気さくにのってくださるのだ。
話が
とまらなくなるけど(笑)
この2つの店はそれぞれ移転を繰り返していたが
現在は原宿の竹下どおりの近くで
同じビルの中に入っていた。
さらにこのビルには
ローリングストーンズの専門店、
「ギミーシェルター」も入っていた。
実はオアシスやベンチャーズのメンバーも
来日すると
ここを「ロックファンとして」訪れているのだ。
・・・ところが。
この3つの公式専門店は
全て来年1月に閉店してしまった。
表参道ヒルズオープン以来、
付近の家賃が急騰しているためだそうだ。
もう、
すっごおおおおおく残念。
最近「ゲット・バック」に行ったら
中学生や高校生の姿が多いのに驚いた。
「新たなファン」である。
音楽を愛する心は
螺旋階段のように世代を何度も巡り
その魅力が伝えられていく。
原宿にあったこれらの店は
こうした様々な世代の
出会いの場でもあったのに。
ネットショップもいいけど
あの熱狂の残り火を感じさせる「実物」を
目の当たりにできる興奮は
とっても大事なものなのに。
(ま、高くて買えないけどさ)
かつてのバンド少年として
あの店で
楽しそうにグッズを手に取っている
あどけない後輩たちに伝えたい。
どんなに時代が変わってしまっても
君たちの心を突き動かす衝動と
ROCKは死なない。
懐かしいです。
お元気ですか?
近くなりますね。
このあたりは
新しいビルと、昔の東京が交じり合った
素敵な街だと思います。
この街での暮らしが
幸せなものになるよう
お祈りしています。
お久しぶりです。
今から15年前、FM群馬のラジオパッセージをしておりました青木です。
2月末に、群馬から汐留に引っ越しします。文化放送のすぐ近くです。
偶然、お会いできるかも。
番組、聞きますね。