ODORAMOX!

BABA庵から  釣り糸なんぞが ごちゃごちゃ こんがらかった状態を ここでは「オドラモクス」と言う。

カタカナ語は語学のじゃま@上海

2006-11-06 16:30:08 | 言語の表現
図書館で、カタカナ語言い換えの手引きという本を見た。
たしか国立国語研究所の編纂で、出版社も「ぎょうせい」と、かなり公けに参照される本だと思って手に取ったが仰天。
カタカナ外来語と、その言い換え表現がのっているが、外来語の由来となる原語がない。
(よくよく見たら、目次のカタカナ語リストには外国語(英語)が付記されていたけど、本文には無し、索引にも無い)

「もとの外国語をわかる必要などない、言い換え表現をおぼえればいい・・・」という本である。
原語にさかのぼろうとしない感覚では、外来語のあふれる日本なのに、外国語習得に弱くなるばかりではないか。

上海で、カタカナ語のせいで困った体験をした。

新しくできた超高速リニアモーターカーに乗るべく地下鉄を降りた。
出口が二つあるので改札口の若い女性に、
「リニアモーターカーに乗るのはどちらの出口か」
と聞いた。もちろん中国語で・・・しかし相当する中国語(磁浮車)がわからない「リニアモーターカー」だけは英語らしく発音して。
とたんに「日本語はわからない、英語ならわかるけど」とつっけんどんに逃げられ、
こんどは英語で尋ねたが「日本語はわからないって言ってるでしょ!」とはねつけられる。
意地悪されているのかととまどっていたら、隣の男性が「マグレブ?」と言う。
手と声で「ピュッ」と表現したのでうなずき、出口を教えてもらうことができた。

英語では maglev (magnetic levitation) なのだと辞書を引いてわかった。
自慢じゃないけど中国語も英語も簡単な会話ならできるのに、カタカナ語にじゃまされたわけ
女の子が日本人に意地悪しているのではなかった・・・
でも、カタカナ語を英語と思ってしゃべる日本人をからかっていたのかもしれない。
日本人がゴマンといる上海のこと、わたしみたいな者に何度も出逢っているは
ずだから。 


大学生の多くが使うという「ジーニアス」(電子辞書)英和には linear motor car が見出しになっていた(つまり英語だという扱い)が、
「リニアモーターカー」は和製英語だ。かろうじて linear motor train なら通じそうだとのこと。

 脱線 
最近の電子辞書はほとんど「ジーニアス」を採用しているけれど、こんなふうに整理・点検・校閲が雑で、信頼できない。
便利な電子辞書だからこそ(コストはかかっても)いろいろな辞書を網羅して、使用者の選択にまかせるべきで、英和・和英が2社の辞書のみに集中している現状は問題だ。