ODORAMOX!

BABA庵から  釣り糸なんぞが ごちゃごちゃ こんがらかった状態を ここでは「オドラモクス」と言う。

イベント

2007-10-18 17:10:19 | 世の中
「・・・おこし」とか「地域活性化」という標語がきらいだ。
何を振興するのか、(地域のなかの)何を活性化させるのか、
<何>の内容を措いていうのは、けっきょくは、一部の利益をはかる振興であり、活性化でしかない、と思うから。

=================

先週の日曜日は、大がかりなイベント、神社の祭り、福祉イベントと3つも行事があった。
予算がついて今年から新しく始められた大規模イベントが、前から続けられてきたほかの行事にプラスの影響をあたえることはない。
公共土木事業が昔からの自然を破壊していったように、こんどはイベント事業で地域の民俗文化が破壊されていくのかなと、暗いきもちになる。

「若い人たちが一生懸命取り組んでいるから協力しなくっちゃ」
と、多くの人がいろいろなかたちで参加協力をしていった。
「みんなで力を合わせて、よかったじゃ?」
と笑顔で終わりそうななか、きょう、どっきりさせられることがあった。

「あんたも浮かれてるの?
あのイベントで、みんな忙しい忙しいとせわしないなか、
わたしはどんな気持ちでいたと思う?」
と、脳梗塞で入院されていた方のご家族が、涙を浮かべておっしゃったのだ。
「もう病院ではできることはありません、退院してください」
数ヶ月の入院治療を経て、そんな医師のことばで病院を送り出されたばかり。
介護の人を頼んだり、いろいろな手続きをしながら、
高齢者医療・介護の現実に直面して、その「冷たさ」に触れられたという。

「イベントに使われた税金を思うと、なんで、もうすこし高齢者に目を向けてくれないのかと、腹が立ってしかたない。福祉現場の人はみんな怒っているよ」

「振興」の名目で出される予算は、産業分野にしか支出されないのだろうか。
福祉事業に支出すれば「ばらまき」とか批判される。
しかし、高齢者医療をはじめ、福祉を充実させていくことのほうが、地域活性化に大きく貢献すると思う。
お金が潤うことは活性化ではなく、腐乱の始まりではないか。

イベントでの若者の笑顔と、介護にあたる高齢者の涙。
そのあいだにいる熟年層(の自分)がしっかりしなくっちゃ。