ODORAMOX!

BABA庵から  釣り糸なんぞが ごちゃごちゃ こんがらかった状態を ここでは「オドラモクス」と言う。

書(しょ)というExercise

2012-02-07 20:32:17 | 雑感
更年期の体調不全に苦しむ中国人の友人から
「このところ書をやりなおしている、
書は気功と同じ、精神と肉体を総合的に制御する力をよびさます」
と聞き、書店で目にした≪字帖≫(習字の練習帳)を買ってしまった。

手本はだいたいが漢詩、したがって一字一字のもつ意味・感覚が、
形以上に美しく立ち現われてくる。

欄外に「間架結構」とある書き方の解説がさらに興味深い。

1 「首点居正」
 首となる点は文字中心の上に、はっきり・さっそうと元気よく打つ。
 (など)
2 「通変顧眄」
 複数の点の配置と変化は、布石を打つように全体を見わたすこと。
 (など)


なんとなく仕事・組織の話に通じるような気がしてきた。
ビジネス書コーナーにならぶたくさんのマネジメント本が、
いろいろな考え方やノウハウを提供しているが、
その数十ページに相当する内容をたった4文字できちっと表現しているように思う。

3 「点竪直対」
 上に点、下に縦棒は、まっすぐ対置する。
 (など)
8 「底竪斜位」
 下までおろす縦棒は、字の真ん中ではなく右か左、
ふつうは右にわずかにかたよらせる
 (など)
9 「上収下展:上展下収」
 上部がまとまる形なら下を展開させる、上が展開するときは下がまとめる。
 (など)


小さいときから漢字を書く訓練を積んだ人たちは、
こんなバランス感覚を文字どおり身につけてきて、
ビジネスの現場で発揮しているのではないだろうか。
中国がもつ大きな自信は、こんな漢字文化の持つ力によるところもあると思う。

中国の友人たちは押しなべて達筆だった。
しかも速い!
筆画数の多い漢字もあっというまに正確に美しく書いていく。
入門の≪字帖≫だけで28の書法が紹介されている。
(最後の28法は「古来さまざまな技法があるが、乱造するな、練習し理解して深めよ」というもの。)
数千の漢字を、智を働かせ身体を操って習得する過程は、
大きな人間力を育てたはずだと推測する。
が、コンピュータ普及のあと若い人たちが驚くほど悪筆になっている。
いま中華民族の培ってきた力の一部が失われかけているのではないだろうか。

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