記事を書いてからもう1カ月立ってしまいました。
20014年どなた様も、よろしくお付き合いくださいませ。
私の家のそばに、3棟で1億7千万円の立派な温室が借りての無いまま約1年放置されていた。
昨年の夏、「小さいのを一つ、貸していただけないでしょうか」と市役所にメールで訊ねてみた。なんの返答もなかった。ハウスの中にも外にも草が生え、端っこの棟の窓が壊れた。(勿体ない。勿体ない)といつも思っていた。
昨年の暮れ、突然「解体撤去のお知らせ」という紙がポストに入った。
壊すのなら貸してくれたら良かったのに。市役所の農地課は全く融通がきかない。3棟を1棟づつ貸したら借りる方も楽なのに、全部一緒でないと貸せないと言っていた。
しかし、こんなに立派な温室をぶっ壊す必要はないだろうに。
解体屋の社長は解体の予定しか判らなかった。近所の人が、地主さんを一人知っていると教えてくれた。急いで行ってみた。
「ああ。うちははずれの300坪のが1棟だけですわ。話があってから考えてたんやけど、昨年末に、ハンコを押してしもた。もうちょっと早う来はったら売ったげたのになあ」
「お宅のこと、ついさっき教えてもうてすぐに来ましたのに。今の地価の倍で買います。あのままで使いたいんです」
「ほんまに、壊すのは惜しいです。大きな会社が、周辺の田畑全部借りたんです。1万坪。地主に借り賃月10万円払うということで。10年契約」
1万坪も借りてなにをするんだろうか? ハウスは、トマト屋さんが人出不足でやめ、花屋が試作だけでメロンに変え、マンゴーを試して失敗し、苺が軌道に乗りかけて契約切れになった。1億7千万、あっさり捨ててしまうのか。もったいない。どうせ1億7千万は、国が出したんだろう。土地も使い捨て。人も使い捨て。