たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

逃走犯とミステリー <アクリル板破る><スニーカーに履き替え><脚立で塀を><写真と防犯カメラ映像><バイクや自転車><空き家>なぜ捕まらない

2018-08-26 | 刑事司法

180826 逃走犯とミステリー <アクリル板破る><スニーカーに履き替え><脚立で塀を><写真と防犯カメラ映像><バイクや自転車><空き家>なぜ捕まらない

 

12日夜、富田林署で弁護人との接見後に逃走した樋田淳也容疑者の行方は今日もまだ判明していないようです。

 

直後にこのブログでもアクリル板の破壊という表現と、弁護人の対応、富田林署の対応などを少し取り上げました。その時点では逃走してもまもなく逮捕されるものと高をくくっていましたが、2週間以上も都会のど真ん中(ま、この周辺は田舎的雰囲気もありましょうか)で終日にわたって3000人の警察官が捜索しているというのに、一向に手がかかりも見えてこないようです。これはミステリーでしょうかね。

 

わが国の警察官がこれだけの大捕物体制を続けていて、どこにいるのやらさっぱりわからないといのはどういうことでしょう。

 

もう一度この事件の顛末を振り返りながら、少し考えてみたいと思います。ちょうど久しぶりに当番弁護士である警察署に接見に出かける用があり、改めて接見室のアクリル板を確認しました。やはり仕切りの鋼鉄製囲いの中に設置されているアクリル板は強固でした。

 

アクリル板と鋼鉄の囲いの接着剤は何か特定できませんでしたが、コーキング剤の一種でしょうか。富田林署の場合30年くらい前に設置されたようですが、接着剤が劣化していたのでしょうか。それもはっきりとしたことがわかっていませんね。

 

その後の報道でもアクリル板を壊したとか、破ったとか、押し開いたとか、いろいろな言及があったようですが、実際の画像などが開示されていないのでしょうか、見たことがないので、よく分かりません。たしかある報道では、樋田容疑者がサンダルでアクリル板を蹴飛ばしたというのですが、それでアクリル板自体が物理的に破損したというわけではなさそうです。鋼鉄の囲いとの間に隙間を作りそこから出て行って、接見室の外に出たようです。

 

ただ、樋田容疑者の防犯カメラの画像からは少し小太りで、その隙間から抜け出ることができたのか、それも気になっています。

 

防犯カメラ画像に映っている顔、体格と、最初に公開された顔写真とは大きく違う印象です。おそらく多くの人は最初に顔写真が韻書として残っており、その後の防犯画像は開示の仕方も全体像の中ですので、あまり印象として残らないように思います。

 

顔写真は、今回の逮捕時の写真でしょうか、ちょっといつ頃の写真かも確認できていませんが、その当たりのキャプションに工夫が必要ではないかと思うのです。

 

だいたい顔写真は、そのときどきで違った印象に映ることがありますね。捜索している警察官にもそういった識別能力があれば別ですが、AIの画像認識をより活用する必要があるかもしれません。

 

弁護人が接見終了後に管理係に連絡しなかった点は、この事件以前からほとんどの場合連絡励行が当たり前だと思いますので、不思議な印象をぬぐえません。

 

とはいえ、通常、接見室から警察署の外に出る場合、当直勤務の警察官が大勢いる横を通って玄関外に出るというのがほとんどの警察署の構造ではないかと思いますが、一人、私服の弁護士が通ったとき、注意を払わなかったのも不思議です。たしか弁護人の接見は夜間730分頃ですので、受付時も当職が対応しており、その当直は何をしていたのでしょうかと思ってしまいます。ふつう顔を合わせて、礼をするかそれなりのポーズをして帰りますね。

 

むろん100番通報がいくつか連続して入って、緊急事態の時は、そういった弁護人の出入りに気づかないこともやむを得ないかもしれませんが、そのような事態であったという情報は聞いていませんね。

 

ま、ここまででも不思議な話ですが、それ以上にスニーカーの存在です。ほんとにスニーカーが接見室の外に置いてあったのでしょうか。私も長年首都圏や和歌山の警察署を多数訪問したことがありますが、そんなものが通路や見えるところに置いてあるなんてことは経験がありませんし、想像すらできません。で、このスニーカーの持ち主は判明したのでしょうか。製品も特定できたのでしょうか。ニュースを追っていませんので、未確定ですが、すでに分かっていれば、公開するのが本来でしょうね。

 

脚立の話もそんなのありと驚くしかありません。大阪府内の交通事故で、加害者側の意見だけで調書を作成して不起訴処分した事例がありましたが、このような捜査をしていたら、市民の理解を得ることは困難でしょう。そんなことをつい思い出してしまいました。

 

樋田容疑者は、逃走直後からバイクを利用してたしか45件のひったくりをしたとされていますね。当初合計額が4万円だったのが、いつの間にか5万円になっていますね。確認が不十分だったのでしょうが、このような事件ではとりわけしっかりした被害者聴取が求められますね。

 

バイクの形状とかもはっきりしませんが、盗難品であればなぜすぐに分からないのでしょう。被害者からの申告がないと言うことでしょうかね。あるいは自転車に乗っているとかの情報もニュースで垣間見ましたが、バイクにしても自転車にしても型式・形状はできるだけ早く公開してもらいたいものですが、どうなっているのでしょう。

 

と長々とまた前置きが続きましたが、今日のお題は空き家問題です。

 

むろん樋田容疑者が、リチャード・キンブルのような有能な逃走犯?であれば別でしょうが、これまでの容疑事実からはよくある累犯者的性質をもった男と思われます。池澤夏樹著『アトミック・ボックス』の主人公の女性のように聡明でかつ勇気と高い目的を抱き、優れた仲間の支援があれば、もうとっくにどこか別の場所に移って、捜査側の頭脳や捜査網の先を行っているでしょう。それはありえないでしょうね。

 

で、空き家です。大阪府内に限定しなくても、周辺府県まで逃亡することはそれほどむずかしくないと思いますが、このところ事件を起こしていないとなれば、どこかに潜んでいる可能性が高いと思われます。

 

では警察官が3000人体制でローラー作戦により一軒一軒しらみつぶしでチェックしているはずなのになぜ皆目見当がつかないのでしょう。

 

むろん友人とか知り合いの援助の可能性も否定できませんが、これまでの犯罪歴からするとその可能性は低いのではと思っています。他方で、どこかの空き家に隠れている可能性の方が高いと思うのです。

 

しかし警察官は空き家も調べているはずというのは、残念ながらあてにならないと思うのです。空き家は所有者が誰でどこにいるか連絡先を突き止めるだけでも大変かもしれません。最近は駐在所のおまわりさんが一軒ずつ訪問して管内の住宅の居住者について台帳をしっかりつくり現在状況を反映しているというのは少ないのではないでしょうか。

 

つまり、いくら大勢の警察官が住宅を調べても、空き家の場合、所有者意思の確認ができないと、家の中に入るわけにいきませんね。ですから、空き家を調べたといっても、部屋の中、押し入れ・天井などを調べるなんてことはできそうにないと思うのです。

 

むろん窓ガラスを割ったり、あるいはサッシや玄関ドアが施錠されていないとかの異常が見つかれば、放置はしないと思いますが、樋田容疑者はたしか屋内盗もやっていたように思うのですが、かなり器用な人間のようですので、アクリル板をすり抜けるように、うまく家の中に入っている可能性を考えるのです。

 

むろんこれは机上の推定に過ぎませんので、山の洞穴とか、農地の納屋など、その他いくつでも潜伏の可能性がありますので、捜査の網を絞り込む根拠としてはまだまだ薄弱です。

 

ただ、空き家は全国に多数あり、とくに首都圏にはかなりの数に上っているはずです。東京オリンピック・パラリンピックでは大勢の外国人が来日します。そのときテロリストや犯罪者も紛れ込む危険もあるでしょう。そのときこの空き家は彼らの危険な巣窟になるリスクがあります。

 

空き家問題は、農地で言えば耕作放棄地、山林で言えば荒廃した林地と類似した背景をもっています。しかし、その危険性は他と比較にならないと思います。本格的な対応が求められるでしょう。

 

今日はこれにておしまい。また明日。