時代祭の後は、鞍馬の火祭見物です。
鞍馬の火祭は時代祭と同じ、毎年10月22日に行われていて
京都三大奇祭の一つに数えられています。
集落各所に焚かれたかがり火の中を、
氏子が松明を持って練り歩いて
神社山門を目指すお祭りです。
一般車両は全面通行禁止の為、
貴船口から鞍馬神社まで
かつて門前町として栄えた名残をとどめる街並みを散策します。
鞍馬へ向かう叡山電車鞍馬線。
鞍馬集落が狭隘なため、入山できる人数は物理的に限られていて
鞍馬集落内に収容できる人数を超えた時点で、
鞍馬行きの乗車券の販売は中止になるそうです。
終点鞍馬駅。鞍馬といえば鞍馬天狗、
駅には巨大な天狗オブジェがあるそうです。
集落の各戸に積み重ねられた(篝)エジ。
門口に用意された大かがり火。剣鉾も立てられています。
家前に置かれた松明(たいまつ)。
松明は、ツツジの枝(しば)をフジツルで束ねて各家庭が作ります。
鞍馬神社の山門が見えてきました。
この石段で、壮大な祭りが繰り広げられます。
鞍馬寺山門横にある精進料理の店
雍州路 (ようしゅうじ)別館『一樂』です。
店前にも大人が担ぐ「大松明」と、子供が担ぐ「小松明」が準備されています。
『一樂』の店の中の通路を通り抜け、
裏手にある急坂を昇っていくと
民芸風たたづまいの
『雍州路』があります。
鞍馬寺仁王門前に面した店の前面に
テントの特設席が用意されています。
ここで夕食をとり、
目の前で繰り広げられる「鞍馬の火祭」の
クライマックスを見学することになります。
雍州路 特製弁当です。
とっても美味です。
松茸の土瓶蒸し。
22日午前9時より、由岐神社本殿にて
例祭が始まっています。
今夜の祭りの最後を飾る神輿が二台が置かれ、
参道階段際には注連縄(しめなわ)が張られています。
午後6時、「神事にまいらっしゃれ」という
神事触れの合図により、エジに点火され
集落の各戸に積まれた松明にも点火されます。
祭り全体で大小500本以上の火を灯し
鞍馬の街全体が火に包まれ、幻想的な雰囲気を醸し出します。
初めは幼児が持つ、最も小さな松明。
次に小中高生が持つ、中型の松明。
最後に大松明が点火され、それを担いだ若者らが
「サイレイヤ、サイリョウ」のかけ声と共に
集落内を練り歩きます。
若者はふんどし姿です。
正装束。
鞍馬寺山門周辺の道路は、歩行者一方通行規制が敷かれ
立ち止まって見物する事は出来ません。
祭りには、かなりの数の外国人観光客が訪れています。
茶筅のような美しい形をした「神楽松明(かぐらたいまつ)」
と呼ばれる特別な大松明が並べられています。
祭りの最後に、由岐神社御旅所(ゆきじんじゃ おたびしょ)で、
神輿を迎えるときに使われます。
集落各所に焚かれたかがり火の
勢いが増します。
午後8時ごろから、鞍馬寺の山門前の石段に、
百数十本もの松明が集まり始めます。
街道からクライマックスの見える場所は、
ほんの20~30メートルの間だけで、
特に鞍馬寺山門前は見学者が立ち止まることを禁止されるため、
よく見える場所で見学することは難しいです。
これは、雍州路に設けられた
仮設見学張出台から参道を見下ろしているところです。
神楽松明(かぐらたいまつ)の燃え盛る炎がひしめき、
やがて、祭りは最高潮に。
合図とともに注連縄(しめなわ)が切られると、
大松明は石段下の一ヶ所にに集められて焼き捨てられます。
若者が神輿を迎えに石段を駆け上がってきました。
その後、御輿の前で神幸の儀があり
2基の御輿が参道を下ります。
参道が急なため、スピードが出過ぎないように女性たちが綱を引きます。
(この綱を引くと安産になると伝えられるので、若い女性が多く参加しています)。
神輿が降りる際、『チョッペン』という
ふんどし姿の男性が、担ぎ棒にぶら下がる元服の儀があります。
鞍馬の男性にとっては一生に一度となる成人の儀式だそうです。
山門を下ったところから
神輿が集落内を練り歩き、見物の人々も後に続きます。
神輿が鞍馬温泉まで到着したところで
ツアーの祭り見物は終了です。
祭りはこの後、
神楽の奉納のあと、神楽松明が0時頃まで境内をまわり
翌2時頃、神輿が御旅所から神社に戻る「還幸祭」が行われ、
祭事のすべてが終了するそうです。
私達は少し歩いた所で、迎えのジャンボタクシーに分乗し、
交通規制がある鞍馬を避け、
峠越えをして宿泊先のホテルへと向かいました。