新年になってもブログを更新しないまま、もう1月の終わり。
情報発信する手段が増えたため、何となくブログに手が回らない感じになって久しいです。
何がなんでも書き続ける理由もないのでしばらくブログは放置されておりましたが、知らないうちに、
ページビューが100万を超えててビックリ。
その間の生活記録としてのブログに残しておきたいのが、
佐野元春&THE COYOTE GRAND ROCKESTRA 佐野元春35周年アニバーサリーツアーのことです。
金沢にUターンして1年。
昨年、東京離れる前日(クリスマス)に、東京で佐野さんのライブに行ってしばらくお会いしていませんで、
35周年は東京行くつもりでいたのですが、金沢でも開催されることになり、そしてご縁あってその機会をプレゼント
していただき、本当に幸せな時間を過ごしました。
そして、生まれ故郷なのに、未だ上手く地域に馴染めない私ですが、金沢のホールで佐野さんに酔ったことで、
上手く言えないけど、自分の中の「境界線」を越えるきっかけになったようにも思います。
それにしても、新旧合わせて35曲は圧巻でした〜
3時間を大きく超える壮大なロックショーはインパクト大。
いつもより座席が前の方でもあったので、余計にそう感じたのですが、久しぶりにトランペットやサックスの
華やかさも加わり、ステージの演出もちょっと凝った感じでステキでした。
まだまだこのツアーは3月まで続くので、当日のセットリストは公表しませんが、ホント全曲酔いしれました。
多くのファンが熱狂する80年代の曲は、ほんと今でも鮮やか。
とりわけ「VISITORS 」からの曲は、やっぱり今でも圧倒的にオシャレ感ムンムン。
「カム・シャイニング」なんて全く劣化なしだもん。
当時、私は中学3年生。
ラップやヒップホップに衝撃を受けながら作品の変化を面白がってカセットテープを何度も聴いていたことを
思い出します。
で、当時は意味もわからず「Let's make love tonight」鼻歌歌ってたんだもんなぁ〜(苦笑)
一昨年放映されたNHKの名盤ドキュメントという番組で、この「VISITORS」が特集され本当に深い秘話があることを
知りました。
番組の中では、最高傑作であり、問題作と評されたりしていましたが、このアルバムで佐野さんを嫌いになること
なんてあり得なかった。
今も、普通に聴いてますし・・・
しかし、90年代、バブルが崩壊した後に社会人になった私は、日々の仕事に追われ、次第に音楽から離れてしまい「Sweet16」から、独立レーベル第1弾の「THE SUN」までご無沙汰してしまう。
この間のアルバムは後から溯って聴いていて、「The Circle」に出会ったのは、2000年代に入ってから。
そして、ここ数年の私には特別しみる1枚になってまして。。。
佐野さんの曲の中には、いつの時代も「君」という言葉がたくさん出てきます。
とりわけこの「The Circle」というアルバムには「君」が特に多い気がしています。
そして
二人称なのに一人称としての「君」がいる。
「君」と「君」は自分の中にいる。
このことがあまりにも顕著に綴られていて、
作品の中の「君」と「君」の対話を聴くと、私の中に往々にして置き去りにしてしまう「君」、
油断すると暴走してしまう「君」に自分を重ねて泣きたくなることもあります。
「
君を連れていく」なんて、ホントに君を一人称で聴いても二人称で聴いてもステキすぎて泣けてしまう私。
禅やタオイズム的な世界観を強烈に感じます。
ここ数年の私は「禅」的な学びと実践が続いているので余計そう感じるのだと思います。
だから仏教的世界観「円=サークル」なのかなって今になってシミジミとわかる感じがするのですが。
お兄ちゃんに、「今までの君は間違いじゃない」って肯定されて喜んでいた若い頃と、また「君」について
別の聴き方ができるようになってきたのは、自分でもステキなことだなと思います。
私たちの痛みや苦しみを先回りしてわかってくれていると感じるのも、いつも私たちの先を走って、
光と闇にハンパなく向き合って、そして言葉で綴って、作品とともに語りかけてくれる。
東京を離れ、慣れない金沢での生活を送っている今の私には、ライブの中でアレンジされて、
別の曲みたいになっていたアルバム「フルーツ」の中の「
すべてはうまくいかなくても」が、また印象に残りました。
どんな時も、佐野さんは私のメンター的な存在なのですが、
より早く、より多くのことを成し遂げようとしてきた私が感じてきた「痛み」や「苦しみ」への答えは
ここにあったりします。
2007年に、勤め人生活を辞めた翌日FMラジオから軽やかに流れて来たアルバム「Coyote」の
「君が気高い孤独なら」にどれだけ得体の知れぬ不安を払拭してもらったでしょう。
佐野元春 【君が気高い孤独なら】(Full Version)
そして、何度、海を目指したことか(笑)
随分、男前に生きてしまってるなあ。
2013年に、がむしゃらに働き続けた中で、自分の生命の感覚がどこかおかしくなっていることに気づいた時、
そんな私を否定することもなく「Zooey」がどれだけ傍らで、「愛」の生き方への転換を肯定してくれたでしょう。
| ZOOEY |
クリエーター情報なし |
Daisy Music |
佐野元春 & THE COYOTE BAND「La Vita è Bella(ラ・ヴィータ・エ・ベラ)」(HDフルバージョン)
そして、2015年、安保法案やテロ事件などさすがにきな臭い中での「Blood Moon」。
「優しい闇」 - 佐野元春&ザ・コヨーテ・バンド(DaisyMusic Official)
あれだけ平和を誓っておきながら、過去から学習できずにOne of them として
武力を容認していく流れと阻む力で混沌としつつも、見えない変化が突如として起きようとしていたりする今を
繰り返している。
闇や痛みは光や喜びと対等であることを知り、人生には良い時も良くない時も等しく価値があり、
朝があるのは夜があるからだと知り、深いところにいて、通り過ぎそうになる「君」はどんな時も
自由で肯定的であって、
一元的に考え、一元的に生き、全てがつながっていると知れば慈悲に目覚める。
そして、武力で平和なんてもたらされるはずなんてないと知る。
毎度、節目節目で佐野さんの歌詞を反芻することで、
自分が眼をつぶりたい自分や他者の痛みや苦しみを肯定できたり、解決の方向を教えてもらったりしているように
感じます。
やっぱり、どんな時も佐野さんはメンターなんだと感じてしまいます。
ずっと曲を書き続けてほしいし、過去の作品も、いろいろアレンジして聴かせてほしい。
35周年、懐かしさよりまだこれからが楽しみでしょうがない。
そして大好きなコヨーテバンドともに。
本当にありがとうございました。
これからも末永くよろしくお願いいたします。