いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

ファン・ジニ 第九話 

2013年12月09日 | ファン・ジニ
なんか……ごめんよ、ごめんよ、ジニや。
あんたが芸に生きる姿を見たかったのは本当だけど、
それでもこんな終わり方をするなんて、思ってなかったんだよ。
初恋は破れる物とわかっていたし、
これでしあわせになれるほど世間は甘くないと思っていたけど、
まさかこんなことになるとは思ってなかったんだ……。

《あらすじ》

一人の童妓をはさんで立つ父と息子。
ペンムはウノに長剣を手渡した。
「闘ってお決めなさいませ」
父親に剣を向けるなど、言語道断。
宴の主催者である長官は、母の体を気づかってのことだろうと取りなすが、
ウノは剣を握って立ちつくしている。
「無粋な奴め、下がれ」
父の怒り、周囲の貴族たちの冷たい視線と非難の声に、
ウノは刀を落とし、その場を走り去った。
ただ一筋涙を流すジニ。

その晩、ジニの水揚げの席に母ヒョングムが現れ、ウノの父に眠り薬を盛った。
ふたりで逃げよという母に一度は反抗するジニだが、
心のままにウノと逃げようと、教坊を抜け出す。
しかし、計画はペンムの知るところとなり、ウノの屋敷へ知らせがゆく。

オムスに叱咤されたウノは、絶望から立ち直り、屋敷を抜け出そうとするが、
知らせをきいて見張っていた母に止められた。
「どうしても行くなら私を殺してから行きなさい」
ウノは、行くことができない。
雨の中、ジニは待っている。
いつまでも来ない愛する人を待っている。
オムスが事情を知って迎えに行くと、高熱に震えているジニの姿があった。

ジニは連れ戻され、生死の境をさまよった。
ウノも雨の中、一晩中庭に座っていたせいで病に倒れてしまう。
ようやく意識を取り戻したウノはジニに会いに行くが、
約束の指輪を返され、冷たく拒絶された。

ウノは最後まで、ジニを思いやり、彼女を愛し、死んでいった。
棺をのせた大八車が教坊の前にさしかかると、
不思議なことに押しても引いても動こうとしない。

騒ぎをきいて出てきたジニは、あの晩のペンムの所行を知ることとなる。
「一体あの人に何をしたの?」
雨の中、びくともしない棺の上に、ジニは上着をかけてやった。
道行きが寂しくないように、寒くてふるえることのないように。
ジニの言葉と涙の中、棺はようやく動き出して、引かれていった。

教坊は死んでいった愛のため喪に服し、静まりかえっている。
娘たちの強い思いに、ペンムも女楽の競演をあきらめざるをえなかった。

ジニは固く決意した。
もう二度と、誰も愛さない。
キーセンとして生きる。
そして、ふたりの愛を許さなかった世間に、両班たちに、返礼をしてやろう。
ジニの愛を断ったペンムとて、例外ではない。
ペンムがなんと思おうと、
それが果たして良かったのかどうかは、わからないのだから。

(つづく)


ペンムおばさんは、ジニの愛を断ち切ったこと、
愛とはもろく、信じるに値しない物だと思い知らせたことを後悔していませんが、
わたしは激しく後悔しています。

すまなんだぁぁぁぁ、ジナァァァァァ。

初恋はうまくいかないよ、とか、
恋に破れたほうがキーセンとして成長できる、とか、
ひどいこと言いながら見ていてすまなんだよ……。

そんなこと誰にもわからないのにね、
ふたりで逃げてしあわせになれたかもしれないのにね、
こんなんじゃ、あんたのまわりの大人たちと一緒だよね。

ウノのお母さんも、ペンムも、ケットンも、
誰かのため、と言いつくろって、本当は自分のしあわせのために動いている。
「あなたのためなのよ」なんて、一番信用ができない言葉だ。
そう思っている気持ちは本当かもしれない。
でも、そう言って人の人生を邪魔するのは、一番よくないことだと思う。
よかれと思ってやったことが、最悪の事態を招くことなんてよくあるし、
他人がいいと思っていても本人が納得できてなきゃ意味が無い。
往々にして、優しい、人を思いやる人間が、
そういうわがままで、自己中だってわかってない自己中人間にいいようにされてしまう。
ウノの母はどうかしらないけど、
ペンムもケットンも、罪の意識は少しはあるようだ。
これでジニが後を追って命を絶ったら、すっかり後悔するだろうが、
そんなことをしてもジニにとっては無駄なこと。
こうなった以上、ジニはキーセンとして大成しなければ
世間や、彼女をはめた人々を見返すことはできない。

ジニには、国一番のキーセンを目指してほしかったけど、
こんな風に心を凍らせて、復讐心にかられた彼女を見たいわけじゃなかった。
和尚が言ったように、慈悲の心を持ったキーセンになってほしかったのに。

慈悲の心?
そんなものがこの世にあるのなら、
あの人はあんな死に方をしなかった。
わたしたちは、しあわせになれたはずよ、とジニは言うかもしれないけどね。

ウノは、さすがに父親に剣を向けられなかった。
でも国法を犯すということは、国王に向かって剣をあげることと同じことなんだけどね。
オヤジに刃向かえないようじゃ、絶対無理だね。
そこんとこ、やっぱり覚悟が足りなかったんだなー。
お母さんも、私を殺してから行きなさい!とかいうけど、
「オモニ~、なにバカなこと言ってんですか!孫の顔見せに来ますね~」とか
軽いノリで乗り越えられちゃう息子だったらよかったのにね。
だいたい何でも悲痛すぎんだよ、この人たち。
高貴なやつらってこんな感じなの?
なんかまじめすぎんじゃないのか、この家族は。

ウノもしょぼいと言えばしょぼいのよ。
あの場で引き下がった自分を、ジニは信じてくれないだろう……なんてグチグチ言ってさ。
オムス楽士じゃないけど、そんなら最初から諦めろ!って話だよ。

ただねぇ、ウノは死ぬまで優しかった。
最後まで、自分のことより、ジニのことを案じてた。
彼女を最初から諦めていれば、あんなに苦しめずにすんだろうって言ってた。
そこんとこには、密かに感動したです。
優しすぎるから死んじゃうんだけどさ~!

みんな真面目に生きようと思うから、しんどいんだよな~。
ろくでなし!とののしられてもしあわせに生きられるタフな心臓がほしい。
まぁ、この現代でも、
まわりの重圧や親の思惑に押されて、愛をあきらめている人なんて
腐るほどいますからね。
そのほとんどの人たちが、周囲の人々を恨むことなく、つつがなく暮らしてます。
絶対天国に入れてあげたい。最優先で。

オムスおじさんがね、ジニのことを「アガ」っていうんですよ。
かわいい子よ、みたいな呼び方ですよね。
ウノもね、「ジニはどうしてる?」じゃなくて、「あの人はどうしてる?」って
聞くんです。
もうほんとにちょっとした言葉しか聞き取れないんですけど、
それでもなんかニュアンスが感じられて、字幕で見ていると嬉しい時があります。
オムスおじさん、ウノを叱咤しにいったのに、本当に残念でした。

ペンムとケットンのしたことが、ジニに知れてよかったと思います。
こうして彼女の心のよりどころは一切なくなってしまい、
より過酷な道を歩むことになるんですが、彼女、強いですから。
10才の頃、大人でもできない三千拝をやり遂げてしまうような子ですからね。
逆境には強いはず
というより、逆境でこそ、力を伸ばすはず。
もうちょっとしなやかな心でキーセン修行をしてほしいんですが、
しばらくは仕方ないですね……。

おそらく、もう誰も愛さないといいながら、
誰かに心引かれ、氷のような心が溶けていくさまを見ることができるでしょう。
そーじゃないと、罪悪感がキツキツで見てられんわ!

なんだかんだ言ってゲス兄さんの流し目好きなんで、
あの人が恋の相手だと嬉しいんですけど。

次回からはバリバリのキーセン姿が拝めそうで、
楽しみなような怖いような。

無理かもしんないけど、しあわせになって……ジニや。

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4 コメント

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よりによって…… (ビスコ)
2013-12-11 09:05:05
ホントによりによってなんでここだけ観てたの!?
確かにこうなるとわかっていたら、最初から観るのはしんどいですね。
ジニは実在した女性で、このエピソードは有名だそうです。
そこをふくらませて、彼女の初恋にしたのかな。

ウノはかわいい子でしたが、これで見納めです。
もろい子だったけれど、時代には逆らえないわね。
差別の理不尽さに気付いてしまうくらい優しい子だから、
気持ちが優しすぎて死んでしまったのね……。

間違って録画したのがこの回だなんて、
かずゆいままさんとグンソク君の縁を感じました。
ファンクラブ入る?
返信する
この回だけ (かずゆいまま)
2013-12-10 11:12:25
ビスコさん、こんにちは!

私、なぜかこの9話だけは見てるの。多分なんかの録画で間違って撮られたんだと思うんだけどね。
なんで話の前後はわかんなかったけどもう切ないシーンでびっくり!
グンちゃんのかわいさに「ああ、これがウノ役か」と思っていたのに過酷な運命でうるうる。
最後の荷車シーンも涙でちゃった。わかってないくせにねぇ。
なんかこの1話で疲れ果てちゃって、1話から見ようって思えないのかも。(汗)

まだまだ先は長いでしょうが頑張って!
返信する
はじめまして! (ビスコ)
2013-12-09 23:23:49
SHOママさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

2006年制作のドラマだそうなので、7年前ですね。
NHKでも放映されていたようで、
私も観たわ、というお友達がいました。

頬を涙がつーっと流れる、というきれいなシーンではなくて
ジニが顔を歪ませて人前で泣く姿が印象的でした。

このさきいろいろあって、
わたしもいろいろ考えながら視聴しました。
手放しで絶賛!記事ばかりではないですが、
よろしかったら最後までお付き合いください。
楽しみにしていただけて嬉しいです。
返信する
はじめまして (SHOママ)
2013-12-09 22:15:53
ファン・ジニ、前に見てました。懐かしいです。
チャン・グンソクが両班の坊ちゃんの役でしたね。
優しくて繊細ないい役でした。
雨の中でジニが棺に上着を掛ける場面はとても切なく、好きな場面でした。かなり前に見たので結構忘れてます(・_・;) この記事を見て思い出しました。
次回の記事も楽しみにしてます!
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