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なんか……ごめんよ、ごめんよ、ジニや。
あんたが芸に生きる姿を見たかったのは本当だけど、
それでもこんな終わり方をするなんて、思ってなかったんだよ。
初恋は破れる物とわかっていたし、
これでしあわせになれるほど世間は甘くないと思っていたけど、
まさかこんなことになるとは思ってなかったんだ……。
《あらすじ》
一人の童妓をはさんで立つ父と息子。
ペンムはウノに長剣を手渡した。
「闘ってお決めなさいませ」
父親に剣を向けるなど、言語道断。
宴の主催者である長官は、母の体を気づかってのことだろうと取りなすが、
ウノは剣を握って立ちつくしている。
「無粋な奴め、下がれ」
父の怒り、周囲の貴族たちの冷たい視線と非難の声に、
ウノは刀を落とし、その場を走り去った。
ただ一筋涙を流すジニ。
その晩、ジニの水揚げの席に母ヒョングムが現れ、ウノの父に眠り薬を盛った。
ふたりで逃げよという母に一度は反抗するジニだが、
心のままにウノと逃げようと、教坊を抜け出す。
しかし、計画はペンムの知るところとなり、ウノの屋敷へ知らせがゆく。
オムスに叱咤されたウノは、絶望から立ち直り、屋敷を抜け出そうとするが、
知らせをきいて見張っていた母に止められた。
「どうしても行くなら私を殺してから行きなさい」
ウノは、行くことができない。
雨の中、ジニは待っている。
いつまでも来ない愛する人を待っている。
オムスが事情を知って迎えに行くと、高熱に震えているジニの姿があった。
ジニは連れ戻され、生死の境をさまよった。
ウノも雨の中、一晩中庭に座っていたせいで病に倒れてしまう。
ようやく意識を取り戻したウノはジニに会いに行くが、
約束の指輪を返され、冷たく拒絶された。
ウノは最後まで、ジニを思いやり、彼女を愛し、死んでいった。
棺をのせた大八車が教坊の前にさしかかると、
不思議なことに押しても引いても動こうとしない。
騒ぎをきいて出てきたジニは、あの晩のペンムの所行を知ることとなる。
「一体あの人に何をしたの?」
雨の中、びくともしない棺の上に、ジニは上着をかけてやった。
道行きが寂しくないように、寒くてふるえることのないように。
ジニの言葉と涙の中、棺はようやく動き出して、引かれていった。
教坊は死んでいった愛のため喪に服し、静まりかえっている。
娘たちの強い思いに、ペンムも女楽の競演をあきらめざるをえなかった。
ジニは固く決意した。
もう二度と、誰も愛さない。
キーセンとして生きる。
そして、ふたりの愛を許さなかった世間に、両班たちに、返礼をしてやろう。
ジニの愛を断ったペンムとて、例外ではない。
ペンムがなんと思おうと、
それが果たして良かったのかどうかは、わからないのだから。
(つづく)
ペンムおばさんは、ジニの愛を断ち切ったこと、
愛とはもろく、信じるに値しない物だと思い知らせたことを後悔していませんが、
わたしは激しく後悔しています。
すまなんだぁぁぁぁ、ジナァァァァァ。
初恋はうまくいかないよ、とか、
恋に破れたほうがキーセンとして成長できる、とか、
ひどいこと言いながら見ていてすまなんだよ……。
そんなこと誰にもわからないのにね、
ふたりで逃げてしあわせになれたかもしれないのにね、
こんなんじゃ、あんたのまわりの大人たちと一緒だよね。
ウノのお母さんも、ペンムも、ケットンも、
誰かのため、と言いつくろって、本当は自分のしあわせのために動いている。
「あなたのためなのよ」なんて、一番信用ができない言葉だ。
そう思っている気持ちは本当かもしれない。
でも、そう言って人の人生を邪魔するのは、一番よくないことだと思う。
よかれと思ってやったことが、最悪の事態を招くことなんてよくあるし、
他人がいいと思っていても本人が納得できてなきゃ意味が無い。
往々にして、優しい、人を思いやる人間が、
そういうわがままで、自己中だってわかってない自己中人間にいいようにされてしまう。
ウノの母はどうかしらないけど、
ペンムもケットンも、罪の意識は少しはあるようだ。
これでジニが後を追って命を絶ったら、すっかり後悔するだろうが、
そんなことをしてもジニにとっては無駄なこと。
こうなった以上、ジニはキーセンとして大成しなければ
世間や、彼女をはめた人々を見返すことはできない。
ジニには、国一番のキーセンを目指してほしかったけど、
こんな風に心を凍らせて、復讐心にかられた彼女を見たいわけじゃなかった。
和尚が言ったように、慈悲の心を持ったキーセンになってほしかったのに。
慈悲の心?
そんなものがこの世にあるのなら、
あの人はあんな死に方をしなかった。
わたしたちは、しあわせになれたはずよ、とジニは言うかもしれないけどね。
ウノは、さすがに父親に剣を向けられなかった。
でも国法を犯すということは、国王に向かって剣をあげることと同じことなんだけどね。
オヤジに刃向かえないようじゃ、絶対無理だね。
そこんとこ、やっぱり覚悟が足りなかったんだなー。
お母さんも、私を殺してから行きなさい!とかいうけど、
「オモニ~、なにバカなこと言ってんですか!孫の顔見せに来ますね~」とか
軽いノリで乗り越えられちゃう息子だったらよかったのにね。
だいたい何でも悲痛すぎんだよ、この人たち。
高貴なやつらってこんな感じなの?
なんかまじめすぎんじゃないのか、この家族は。
ウノもしょぼいと言えばしょぼいのよ。
あの場で引き下がった自分を、ジニは信じてくれないだろう……なんてグチグチ言ってさ。
オムス楽士じゃないけど、そんなら最初から諦めろ!って話だよ。
ただねぇ、ウノは死ぬまで優しかった。
最後まで、自分のことより、ジニのことを案じてた。
彼女を最初から諦めていれば、あんなに苦しめずにすんだろうって言ってた。
そこんとこには、密かに感動したです。
優しすぎるから死んじゃうんだけどさ~!
みんな真面目に生きようと思うから、しんどいんだよな~。
ろくでなし!とののしられてもしあわせに生きられるタフな心臓がほしい。
まぁ、この現代でも、
まわりの重圧や親の思惑に押されて、愛をあきらめている人なんて
腐るほどいますからね。
そのほとんどの人たちが、周囲の人々を恨むことなく、つつがなく暮らしてます。
絶対天国に入れてあげたい。最優先で。
オムスおじさんがね、ジニのことを「アガ」っていうんですよ。
かわいい子よ、みたいな呼び方ですよね。
ウノもね、「ジニはどうしてる?」じゃなくて、「あの人はどうしてる?」って
聞くんです。
もうほんとにちょっとした言葉しか聞き取れないんですけど、
それでもなんかニュアンスが感じられて、字幕で見ていると嬉しい時があります。
オムスおじさん、ウノを叱咤しにいったのに、本当に残念でした。
ペンムとケットンのしたことが、ジニに知れてよかったと思います。
こうして彼女の心のよりどころは一切なくなってしまい、
より過酷な道を歩むことになるんですが、彼女、強いですから。
10才の頃、大人でもできない三千拝をやり遂げてしまうような子ですからね。
逆境には強いはず
というより、逆境でこそ、力を伸ばすはず。
もうちょっとしなやかな心でキーセン修行をしてほしいんですが、
しばらくは仕方ないですね……。
おそらく、もう誰も愛さないといいながら、
誰かに心引かれ、氷のような心が溶けていくさまを見ることができるでしょう。
そーじゃないと、罪悪感がキツキツで見てられんわ!
なんだかんだ言ってゲス兄さんの流し目好きなんで、
あの人が恋の相手だと嬉しいんですけど。
次回からはバリバリのキーセン姿が拝めそうで、
楽しみなような怖いような。
無理かもしんないけど、しあわせになって……ジニや。
あんたが芸に生きる姿を見たかったのは本当だけど、
それでもこんな終わり方をするなんて、思ってなかったんだよ。
初恋は破れる物とわかっていたし、
これでしあわせになれるほど世間は甘くないと思っていたけど、
まさかこんなことになるとは思ってなかったんだ……。
《あらすじ》
一人の童妓をはさんで立つ父と息子。
ペンムはウノに長剣を手渡した。
「闘ってお決めなさいませ」
父親に剣を向けるなど、言語道断。
宴の主催者である長官は、母の体を気づかってのことだろうと取りなすが、
ウノは剣を握って立ちつくしている。
「無粋な奴め、下がれ」
父の怒り、周囲の貴族たちの冷たい視線と非難の声に、
ウノは刀を落とし、その場を走り去った。
ただ一筋涙を流すジニ。
その晩、ジニの水揚げの席に母ヒョングムが現れ、ウノの父に眠り薬を盛った。
ふたりで逃げよという母に一度は反抗するジニだが、
心のままにウノと逃げようと、教坊を抜け出す。
しかし、計画はペンムの知るところとなり、ウノの屋敷へ知らせがゆく。
オムスに叱咤されたウノは、絶望から立ち直り、屋敷を抜け出そうとするが、
知らせをきいて見張っていた母に止められた。
「どうしても行くなら私を殺してから行きなさい」
ウノは、行くことができない。
雨の中、ジニは待っている。
いつまでも来ない愛する人を待っている。
オムスが事情を知って迎えに行くと、高熱に震えているジニの姿があった。
ジニは連れ戻され、生死の境をさまよった。
ウノも雨の中、一晩中庭に座っていたせいで病に倒れてしまう。
ようやく意識を取り戻したウノはジニに会いに行くが、
約束の指輪を返され、冷たく拒絶された。
ウノは最後まで、ジニを思いやり、彼女を愛し、死んでいった。
棺をのせた大八車が教坊の前にさしかかると、
不思議なことに押しても引いても動こうとしない。
騒ぎをきいて出てきたジニは、あの晩のペンムの所行を知ることとなる。
「一体あの人に何をしたの?」
雨の中、びくともしない棺の上に、ジニは上着をかけてやった。
道行きが寂しくないように、寒くてふるえることのないように。
ジニの言葉と涙の中、棺はようやく動き出して、引かれていった。
教坊は死んでいった愛のため喪に服し、静まりかえっている。
娘たちの強い思いに、ペンムも女楽の競演をあきらめざるをえなかった。
ジニは固く決意した。
もう二度と、誰も愛さない。
キーセンとして生きる。
そして、ふたりの愛を許さなかった世間に、両班たちに、返礼をしてやろう。
ジニの愛を断ったペンムとて、例外ではない。
ペンムがなんと思おうと、
それが果たして良かったのかどうかは、わからないのだから。
(つづく)
ペンムおばさんは、ジニの愛を断ち切ったこと、
愛とはもろく、信じるに値しない物だと思い知らせたことを後悔していませんが、
わたしは激しく後悔しています。
すまなんだぁぁぁぁ、ジナァァァァァ。
初恋はうまくいかないよ、とか、
恋に破れたほうがキーセンとして成長できる、とか、
ひどいこと言いながら見ていてすまなんだよ……。
そんなこと誰にもわからないのにね、
ふたりで逃げてしあわせになれたかもしれないのにね、
こんなんじゃ、あんたのまわりの大人たちと一緒だよね。
ウノのお母さんも、ペンムも、ケットンも、
誰かのため、と言いつくろって、本当は自分のしあわせのために動いている。
「あなたのためなのよ」なんて、一番信用ができない言葉だ。
そう思っている気持ちは本当かもしれない。
でも、そう言って人の人生を邪魔するのは、一番よくないことだと思う。
よかれと思ってやったことが、最悪の事態を招くことなんてよくあるし、
他人がいいと思っていても本人が納得できてなきゃ意味が無い。
往々にして、優しい、人を思いやる人間が、
そういうわがままで、自己中だってわかってない自己中人間にいいようにされてしまう。
ウノの母はどうかしらないけど、
ペンムもケットンも、罪の意識は少しはあるようだ。
これでジニが後を追って命を絶ったら、すっかり後悔するだろうが、
そんなことをしてもジニにとっては無駄なこと。
こうなった以上、ジニはキーセンとして大成しなければ
世間や、彼女をはめた人々を見返すことはできない。
ジニには、国一番のキーセンを目指してほしかったけど、
こんな風に心を凍らせて、復讐心にかられた彼女を見たいわけじゃなかった。
和尚が言ったように、慈悲の心を持ったキーセンになってほしかったのに。
慈悲の心?
そんなものがこの世にあるのなら、
あの人はあんな死に方をしなかった。
わたしたちは、しあわせになれたはずよ、とジニは言うかもしれないけどね。
ウノは、さすがに父親に剣を向けられなかった。
でも国法を犯すということは、国王に向かって剣をあげることと同じことなんだけどね。
オヤジに刃向かえないようじゃ、絶対無理だね。
そこんとこ、やっぱり覚悟が足りなかったんだなー。
お母さんも、私を殺してから行きなさい!とかいうけど、
「オモニ~、なにバカなこと言ってんですか!孫の顔見せに来ますね~」とか
軽いノリで乗り越えられちゃう息子だったらよかったのにね。
だいたい何でも悲痛すぎんだよ、この人たち。
高貴なやつらってこんな感じなの?
なんかまじめすぎんじゃないのか、この家族は。
ウノもしょぼいと言えばしょぼいのよ。
あの場で引き下がった自分を、ジニは信じてくれないだろう……なんてグチグチ言ってさ。
オムス楽士じゃないけど、そんなら最初から諦めろ!って話だよ。
ただねぇ、ウノは死ぬまで優しかった。
最後まで、自分のことより、ジニのことを案じてた。
彼女を最初から諦めていれば、あんなに苦しめずにすんだろうって言ってた。
そこんとこには、密かに感動したです。
優しすぎるから死んじゃうんだけどさ~!
みんな真面目に生きようと思うから、しんどいんだよな~。
ろくでなし!とののしられてもしあわせに生きられるタフな心臓がほしい。
まぁ、この現代でも、
まわりの重圧や親の思惑に押されて、愛をあきらめている人なんて
腐るほどいますからね。
そのほとんどの人たちが、周囲の人々を恨むことなく、つつがなく暮らしてます。
絶対天国に入れてあげたい。最優先で。
オムスおじさんがね、ジニのことを「アガ」っていうんですよ。
かわいい子よ、みたいな呼び方ですよね。
ウノもね、「ジニはどうしてる?」じゃなくて、「あの人はどうしてる?」って
聞くんです。
もうほんとにちょっとした言葉しか聞き取れないんですけど、
それでもなんかニュアンスが感じられて、字幕で見ていると嬉しい時があります。
オムスおじさん、ウノを叱咤しにいったのに、本当に残念でした。
ペンムとケットンのしたことが、ジニに知れてよかったと思います。
こうして彼女の心のよりどころは一切なくなってしまい、
より過酷な道を歩むことになるんですが、彼女、強いですから。
10才の頃、大人でもできない三千拝をやり遂げてしまうような子ですからね。
逆境には強いはず
というより、逆境でこそ、力を伸ばすはず。
もうちょっとしなやかな心でキーセン修行をしてほしいんですが、
しばらくは仕方ないですね……。
おそらく、もう誰も愛さないといいながら、
誰かに心引かれ、氷のような心が溶けていくさまを見ることができるでしょう。
そーじゃないと、罪悪感がキツキツで見てられんわ!
なんだかんだ言ってゲス兄さんの流し目好きなんで、
あの人が恋の相手だと嬉しいんですけど。
次回からはバリバリのキーセン姿が拝めそうで、
楽しみなような怖いような。
無理かもしんないけど、しあわせになって……ジニや。
確かにこうなるとわかっていたら、最初から観るのはしんどいですね。
ジニは実在した女性で、このエピソードは有名だそうです。
そこをふくらませて、彼女の初恋にしたのかな。
ウノはかわいい子でしたが、これで見納めです。
もろい子だったけれど、時代には逆らえないわね。
差別の理不尽さに気付いてしまうくらい優しい子だから、
気持ちが優しすぎて死んでしまったのね……。
間違って録画したのがこの回だなんて、
かずゆいままさんとグンソク君の縁を感じました。
ファンクラブ入る?
私、なぜかこの9話だけは見てるの。多分なんかの録画で間違って撮られたんだと思うんだけどね。
なんで話の前後はわかんなかったけどもう切ないシーンでびっくり!
グンちゃんのかわいさに「ああ、これがウノ役か」と思っていたのに過酷な運命でうるうる。
最後の荷車シーンも涙でちゃった。わかってないくせにねぇ。
なんかこの1話で疲れ果てちゃって、1話から見ようって思えないのかも。(汗)
まだまだ先は長いでしょうが頑張って!
コメントありがとうございます。
2006年制作のドラマだそうなので、7年前ですね。
NHKでも放映されていたようで、
私も観たわ、というお友達がいました。
頬を涙がつーっと流れる、というきれいなシーンではなくて
ジニが顔を歪ませて人前で泣く姿が印象的でした。
このさきいろいろあって、
わたしもいろいろ考えながら視聴しました。
手放しで絶賛!記事ばかりではないですが、
よろしかったら最後までお付き合いください。
楽しみにしていただけて嬉しいです。
チャン・グンソクが両班の坊ちゃんの役でしたね。
優しくて繊細ないい役でした。
雨の中でジニが棺に上着を掛ける場面はとても切なく、好きな場面でした。かなり前に見たので結構忘れてます(・_・;) この記事を見て思い出しました。
次回の記事も楽しみにしてます!