いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

梨泰院クラス 15話

2025年03月01日 | 梨泰院クラス
【あらすじ】

セロイを跳ね飛ばしたのは、グンウォンに依頼された暴力団組織だった。
連れ去られる直前に警察とスングォンに連絡したグンスのおかげで
最悪の事態は免れたが、セロイは病棟で意識不明の状態にある。

イソとグンスはグンウォンの手によって拉致監禁されてしまった。
悲痛な姿のイソを見て溜飲を下げるグンウォン。
しかし、まだ目的は果たせていない。
彼の望みはただひとつ、セロイの死だ。

スングォンは、病院の防犯カメラの映像を手に入れ、イソ拉致犯の姿を見て
かつて自分が居た組織がかかわっていることを確信する。
ただ通報しては、ふたりの命が危ない。
スングォンはひとり、組織に乗り込んでいった。

そのころ、セロイは生死の境をさまよっていた。

ふと気が付くと、自分は高校生の姿で、学校の校庭に立っている。
目の前に、父が居た。
セロイは思わず父を抱きしめる。
「会いたかった……」

「なにを子どもみたいに。学校で何かあったのか?」
父はにこやかに笑った。
「何か?……」
セロイの記憶は曖昧になっている。
「いや、ちょっと疲れていたみたいだ……」

現実の世界では、それぞれが動き出していた。

スングォンは組織の構成員を自分への暴行容疑で逮捕させ、
かつての親分に覚悟を見せつける。
イソとグンスになにかあったら、絶対に許さない。

イソは必死で拘束を解き、グンスを促して反撃の機会を待つ。

スアは、チャン・デヒに辞表を出すとともに、
長家でおこなわれた過去10年間の不正を記録したデータファイルを手渡した。
彼女は、生まれて初めて自分が本当に望む生き方を選択した。
「会長にできることは、事件の隠蔽ではありません。
事態をこれ以上悪化させないよう、阻止することです」

スアは思う。
これで、セロイの父への借りを返すことができただろうか……。

イソは言う。
言い訳をせず、自分の価値観に信念を持っていきていくことは難しいことだ。
それができるセロイは、本当にすごい人だ。

「セロイさんは、僕をかばって轢かれた。もしなにかあったら……」
「やめて!彼は必ず打ち勝つわ。
代表は、絶対に私を……失望させないの」

セロイは、現在の姿になって父と酒を酌み交わし、
仲間の話をした。
スア、ホジン、ヒョニにスングォン、トニーも。
あとひとり、は誰だったろう?

ふたりは、大きな橋の前にやってきた。
「どこへ行くの?」

父は振り返る。
「二度と、苦い夜が来ないところだ。もうすぐだ。この橋を渡れば着く」

セロイは急に、イソのことを思い出した。
彼女が語っていた「ツァラトゥストラはかく語りき」の一節。
「生きることはつらいけど、代表に出会ってからこの一節が胸に沁みるの。
『何度でもいい、このむごい人生を、もう一度』」

父は重ねて言う。
「いままで、つらかっただろう?」

「そうだね。どうってことない、問題ない、とがんばってきた。
でも本当は、1日だって楽な日はなかった。
父さんが恋しかったし、人を憎みながら生きること自体がつらかった」

セロイは父をもう一度抱きしめた。子どものように。

「生まれ変わっても父さんの息子でいたい。
大好きだよ。
どうか、安らかに眠って。
俺は行けない。デートがあるんだ。

ごめんね。
この先はたぶん、苦い夜ばかりじゃないよ。
俺を必要としてくれる仲間がいるし、
彼らと迎える明日が楽しみで仕方がない。
父さんにはもう二度と会えない。
でもその恋しさを胸に抱いて、生きていくよ」

父は、息子を見てほほ笑んだ。

「そういうものだ。それが人生なんだ。
生きてさえいれば、すべてがなんてことはない。本当だ」

父は、息子の肩をいとおし気に撫ぜた。

「なんて誇らしい息子だ。
これからも、信念を貫けよ、息子よ」

父はゆっくりと長い橋を渡りだした。
振り返ることなく去っていく父の背中を見送り、セロイは目覚めた。

目が覚めたセロイは、
子どものように声をはりあげて大声で泣いた。

グンウォンは、イソとグンスをパジンにある長家の廃倉庫に監禁していた。
そこから父チャン・デヒに電話をかける。
「片をつける。セロイも僕も」

まさかあのグンウォンに監禁・殺人などだいそれたことができるわけがない、と
あなどっていたチャン・デヒも、息子のただならぬ様子を感じて、動揺した。

「僕をとめられるのは父さんだけだよ。父さん次第だよ。
とめたければ、あのときのように僕を捨ててくれればいい」

電話は切れた。チャン・デヒは、病魔に侵された身体で激しい息をしている。

事態は一刻の猶予もない。
セロイはイソ救出のために病室を出るが、スアが彼を引き留めた。
「行かないで、お願い」
「前に聞いたよな?イソが好きか?って」
セロイの目は真剣だ。
答えをききたくないスアの耳に、セロイの声が飛び込んでくる。
「好きだ」

セロイの告白にもスアはひるまない。
「ばかね……そんなこと、あんた以外はみんな知ってた。
でも、行かないで。
死にに行くようなものよ。あんたになにかあったら私は……」

「生きるためにいくんだ。
イソになにかあれば、今度こそ俺はつぶれる」

セロイはそっと、スアの手をほどいた。

もう誰にも、セロイを止めることはできない。
セロイはスングォンをともなって、チャン・デヒの屋敷に急ぐ。
「居場所は父さんが知っている」
グンウォンの、まるでなにかを試すようなメッセージが届いていた。

「グンウォンはどこですか?」
「突然夜中に押しかけてきて何を言い出すんだ」

チャン・デヒはあくまでしらを切ろうとする。
だが、グンウォンはイソを拉致したとセロイに連絡をしてきたし、
居場所は会長が知っていると伝えてきている。

「あくまで知らないというなら、通報します。
 長家を守らないと」

セロイを前に、チャン・デヒは自問自答する。
自分が家族を飢えさせないためにつくった長家。
しかし、息子が吐くのは、長家への呪詛だ。
いったい自分はなんのために……。
考えてみれば、

「これはすべて君のせいだ」

10数年たっても、この男、セロイはまったく変わらない。

「いつの日か心に決めたことがある。
 だがそれは、世界で一番難しい事だった。

 俺に、土下座できるか?」

チャン・デヒは、なかば呆けたように、
それでもなにかを期待しているかのように、
好奇心をむき出しにしてセロイを見つめている。

セロイは一瞬、眉を寄せたが、すぐに表情をゆるめた。

たとえ死んでもできないことがある。
チャン・デヒへの土下座も、そのひとつだ。
しかし今、この瞬間、何万回でもできる。
とてもたやすいことだ。

セロイはゆっくりと膝をついた。
チャン・デヒの口元が、卑しく笑う。
セロイの顔は、穏やかだ。

(つづく)


ああ、そう言うと思ったよ、会長。
もういいよ、あんたもうすぐ死ぬんだし。

セロイは人生の本当の価値を知ったんだよ。

それなのに、あんたはもうすぐ死ぬっていうのに、
まだセロイに土下座なんてさせようとしてる。

その期待に満ちた醜い顔を鏡で見てみろよ。
お前の醜悪な人生が、そこにある。

バカだな、会長。
セロイは何万回でも土下座できるってさ。
たやすいことだってさ。

イソの命のために土下座できるセロイは、
とうとう信念を曲げたと思う?

セロイを自分に服従させることができた!って思う?

あんたは本当に愚かな人間だよ。

セロイはね、あんたとは違う次元に行ったんだよ。

思えば、セロイは本当に長い間、闘い続けてきたよね。
高校3年生のときから、ずーっと。
そう、15年か。

セロイがお父さんに言ったように、
人を憎み続けて15年も生きるなんて、とても苦しいことだと思う。
苦い夜ばかりで、楽な日は1日もなかった、ってセロイは言ったよね。
でも、ICが軌道に乗ってからは、ふと気づくと復讐のことを
忘れている時間もあったんじゃないかな。

よくも悪くも、人の記憶は薄まってゆく。
けして忘れることはないけれど、記憶の引き出しにしまわれて、
どんどんファイルボックスの奥の方へ片されていくんだ。
そうしないと、人は生きていけないから。

セロイは生死の境をさまよっているときに、
お父さんに会って、気持ちの整理をつけたんだね。
そしてもちろん、お父さんはセロイにそうなってほしかったんだと思う。

どんなにむごかろうと、生きるということは素晴らしいことなんだ。
生きるということは、恋しさやせつなさ、苦い思いもすべて抱いて、
明日の朝に昇る太陽を心待ちにする日々の繰り返しなんだな。

お父さんとセロイのシーン、本当によかった。
ふたりの表情がもう、せつなすぎて、あたたかすぎて、
涙が出るよね……。

てか、今回の土下座は意味が違くね?

これまでのすべてを反省して土下座して許しを請え!
とか言われてたら正直やっぱ無理!てなるかもしれんけど、
イソの監禁場所教えてくださいのお願いの土下座じゃん。

チャン・デヒも土下座させたすぎておかしくなってない?

でもまあたぶん、許しを請え!とか言われても、
いまのセロイなら普通に土下座するだろうなって思うけどね。
だって生きてこそいれば、だもんね。


グンウォンはね、どこで間違ったのかというと、
なにからなにまで最初から間違えてたよ。

間違えてたのが悪いんじゃなくて、
間違えてたかも?って思ったときにやり直しできなかったことが
悪いんだよ。

あの鶏〆ちゃう案件があんたの心のよりどころだったなんて……。
自分の罪悪感を信じてあげればよかったのに。

「僕をとめたければ捨ててくれればいい」って言ってたよね。
この言葉の真意が、ちょっとわたし解りにくかったんだけど……。

「捨てる」って「警察に通報すればいいじゃん」ってことだよね。
でも警察に通報したら、さすがに長家はダメになるよね。
轢き逃げはまあ事故だけど、拉致監禁・殺人はおもっくそ犯罪だもん。

「僕をとめたくない(セロイを抹殺したい)なら
警察には言わないで事態を収拾してよ」ってことだよね。
長家を守ることができるよね。

長家を捨てても、息子の殺人をやめさせる(魂を救う)のか
長家を守るために、息子の殺人を黙認する(魂を殺す)のか、
長家か僕かを選べ、と言っているってことなのかな?

どう?あってると思う?

もしかしてイソとセロイを殺して自分も死のうと考えてるのかな、グンウォン……。
と思ったけど、いつもいつもわたしの温情を裏切り続けてくれるグンウォンなので、
たぶんそういう意思はないと思います。


スアもがんばって辞表を出したね。
もっと早ければ……と何度も思うけど、仕方がない。
チャン・デヒも即決で受理したね。
彼女を自由にしてやった、という上から目線だったみたいだけど、
10年分の不正の証拠を渡されて逆上してたね。

ねぇ、わたしこの行動もすぐには理解できんかったんだけど、みんなどう?

「権力と恐怖だけで人を支配するのは限界があります」ってスアが言ってたじゃん?
これって、
「もうあんたの持つ権力やあんたが与える恐怖で、私を縛ることはできないよ。
 ほかのみんなだって、だんだん言うこと聞かなくなるよ。
 だってあんたはもうすぐ死んじゃうしね。
 このデータのコピー、私はもちろん持ってるよ。
 あんたは長家を守るためにどうすればいいか考えてみてね」っていう意味?

一瞬さ、スアは長家の不正の証拠を集めるために長家に居続けていたの?
セロイと自分の未来のために我慢してたの?って思ったんだけど、
何度も15話見返してみたけどそんな感じでもないね。
自分の保身のためとか、カン・ミンジョン専務(覚えてる?)につくときのために
証拠を記録していたのかもしれないけど、
もしセロイと自分のしあわせのためだったら、ほかに使いどころがあったはずだもんね。

これでスアはようやく誰にも負い目がなくなったんだなぁ。

でもなー、イソも好きだけど、やっぱりスアとセロイに幸せになってほしかったな……。
遅かったんだよ、スアや。
もっと自分の気持ちに正直になって、はやくセロイのところに行けばよかったのに。
なんで「好きにならないで」なんて言ったのさ。
なんでセロイの気持ちを確かめては、放っておいたのさ。
最初は、誰も邪魔なんかしてなかったのに。

でもなー、セロイが遠洋漁船に乗ってた間にセロイのこと忘れかけてたもんな。

あれひとつだけで、一発アウトだからしょうがないか。
近くにいなければ忘れてしまえるくらいの男だったんだから、あきらめなきゃダメだよね。
イソは本当に本当にいつもセロイのそばにいて、
セロイを支えてきたんだもん。

しかも、セロイのためにグンウォン殺そうとしてたし。
覚悟が違うわー。


今回はスングォンが大活躍だったね。
やっぱりセロイを襲ったのは、かわいがってくれてたヤクザだった。
お金が必要だったみたい。
でも、スングォンに言われたことや、グンウォンに見下されたりしたことで
たぶんグンスとイソのこと助けてくれると思う。

会長との対決シーンも、スングォンが居てくれたことで
よりいっそう引き締まった印象になってた気がする。
セロイが病室で泣いてる姿を見たスングォンの独白も、しみじみした。
恋愛事情には疎かったスングォンだけど、セロイへのアドバイスも、
年の近い男の友情って感じでよかったよ。
やくざの組織を抜けるの、絶対たいへんだったと思うんだ。
それでもまっとうに生きるために組織を抜けてさ。

そう考えると、イソも、ヒョニも、スングォンも、トニーも、
セロイの仲間はみんな自分の信念にしたがって生きてるよねぇ。

あー次回は最終回か~。
長家は心を入れ替えたグンスが継いでくれるんだよね?
スアは新生長家にもう一度就職するのかな?
遠くで新しい人生を始めるのかな?
もしわたしだったら傷口をえぐられるの嫌だから、
セロイたちとは二度と会わない場所で心機一転するね。
友だちいなさそうだから寂しいだろうけど。
それとも、うすうすわかっていたことだから、すっぱりあきらめられるのかな。

せっかくの最終回だから、わたしもイソとセロイのシーンを楽しく見られるように
マインドセットしなおそうっと。

グンウォンとチャン・デヒはもうどうにでもなってくれ。
あと、セロイアボジのタレのレシピ返してくれよな。

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