いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

梨泰院クラス 12話

2025年02月25日 | 梨泰院クラス
【あらすじ】

「俺を好きになるな」

傷心のイソは、ヒョニにアドバイスされ、しばらくタンバムを離れることに決めた。
マネージャーの不在はこたえるが、イソの気持ちを考えると仕方がない。

ところが、イソが不在の間に大きな問題が持ち上がった。
大手投資会社JMが、姿をくらましたのだ。
事務所はもぬけの殻。
社長とは連絡がつかず、追随していたフォロー投資家も次々と撤退。

投資資金を当てにしていたセロイたちのフランチャイズ化計画は
たちまち資金不足で暗礁に乗り上げた。

フランチャイズ店のオーナーたちは激怒して、セロイを問い詰める。
いったいこの責任をどうとるつもりだ?!

セロイは動揺しつつも、ほかの投資家を探し、事業は予定通り進めると宣言するが、
資金の確保はままならない。

すべては、長家会長チャン・デヒが仕掛けた罠だった。
JMはひそかに長家と手を結び、タンバムを陥れるべく画策していたのだ。

この計画を知らずにいたスアは、自身も大きなショックを受け、
セロイに復讐計画をあきらめて、ふたりでしあわせになろう、と懇願する。

だが、セロイはイソからの電話に応え、復讐をあきらめないと言い切った。
「しあわせは、そのあとだ」

イソは再びタンバムに戻ってきた。
セロイに信頼され、任された仕事が危機を招いたことに責任を感じている。
「決めたのは俺だ」とセロイは言うが、自分はマネージャーだ。
セロイを愛する気持ちは変わらないし、受け入れられなくてもかまわない。
彼に人生を賭けた。全力で支え続ける。

タンバムの救世主は、思わぬところから現れた。
トニーの祖母であるキム・スルレ。
彼女は不動産の大御所と言われる資産家だったのだ。
小さな屋台をはじめた若きチャン・デヒに融資をしたのも彼女だ。
スルレは、チャン・デヒに感じたものと同じ魅力を、セロイにも感じていた。

とはいえ、一筋縄ではいかない。
セロイは、トニーの父親捜しの一件を恩にきせて融資を得るようなことは
したくないと言う。
スルレは、くだらないプライドで融資を頼まないなんてバカだと言う。

一度は決裂した融資話だったが、
自分を信じてついてきてくれる仲間のことを考え、
おおいに悩んだセロイは、あらためてスルレに融資を頼んだ。

「いいだろう。でも条件があるよ」

スルレの出した条件は、「最強の居酒屋」で優勝することだった。

一方、予選で2度もタンバムに負けた長家チャン・デヒは怒りがおさまらない。
結果を出せなければ、後継者候補としてグンスは失格だ。

後がないグンスは、スアからの権限譲渡を願い出た。
そして、かつての同僚ヒョニの秘密をSNSで暴露するという卑劣な手段に出る。

トランスジェンダーであるヒョニに向けられた好奇の目、冷ややかなまなざしは、
彼女の心を折るには十分なものだった。

セロイは、勝負に勝って融資を受けることより、
ヒョニの心を守ることを優先しようと言うが、ヒョニは負けない。

自分を理解し、共に歩み、闘ってくれる仲間がいる。
その気持ちに応えたい。
私は、逃げない。

イソはヒョニに、一編の詩を贈った。

「私は石ころ
 炎で焼いてみよ
 私はびくともしない
 石ころだ
 強くたたくがいい
 私は頑強な石ころだ
 暗闇に閉じ込めてみよ
 私はひとり輝く
 石ころだ
 砕けて灰になり 腐りゆく
 自然の摂理などはね返してやる
 生き残った私
 私は
 私は
 ダイヤ」

スタジオに堂々と現れたヒョニは、全員の前で宣言する。

「タンバム代表、マ・ヒョニ。
 私はトランスジェンダーです。
 そして今日、私は優勝します」

セロイは微笑み、うなずいた。

(つづく)
 
お、俺の心をジェットコースターに乗せてどうしようってんだ、このドラマは。

わたしの心はもうぎゃんぎゃんに悲鳴をあげています。
ぐわーんと上がったかと思えば一気に急降下して、
ブンブンに振り回されて1時間。

韓ドラ視聴は!つか!れる!

ほら、ほらほらやっぱりね!
あの投資会社の人、悪い人でしたー!

いや悪いっていうか、チャン・デヒがあかん!

大事なことの決断を急がせる奴って、やっぱり詐欺師だよね。
よくあるじゃん、「いま!いま決めないともう無くなっちゃいますよ!」とか、
「キャンセル待ちの人も出てるんで、はやく決めてもらわないとー」とか。

ああいう界隈の人にとっては、考える時間を持たせないことが鉄則みたいです。
ホジンが調べるの待ってたら、長家とのつながりも見えていたかもねぇ。

イソがずいぶん反省してましたからわたしはもう言いませんが、
うまい話は疑ってかかれ、っていうことですね。

で、ジェットコースターってのはその話じゃないんよ。
セロイとスアとイソの話よ。

ねぇ聞きました?奥さん!

「全部やめて私としあわせになろう」

はぁ?(怒)

ス、スア~!!!!

お・ま・え・の・お・き・も・ちなんか知らねんだよ!

そーだよね!スアは大学生活楽しかったもんね!
梨泰院でハロウィンとかしてたんだもんね!
刑務所の牢名主になってるやくざに殴られたりしたことないもんね!
遠洋漁業船に乗って、板子一枚下は地獄みたいな体験してないし!
前科者って差別されたこともないし!
おかーさんに捨てられたけど、勉強とかがんばって
大学行けたし、一流企業に就職できたし、目標達成できてるもんね!
7年たってセロイのことなんか忘れかけちゃってたし、
なんならセロイさえ再登場しなければ、順風満帆だったもんね!

お父さんと思うまでに慕っていた人が轢き逃げされて、
轢き逃げの犯人はのうのうと暮らしていて、
正しいことを正しいと言い続けただけなのに
(途中で犯人を殺しかけてるけど)
夢を二度も断たれて、ずっと苦労してきたセロイに
復讐をやめろ、ですって?

あー、あしたのジョーだよ~。
スアは紀(のり)ちゃんなんだよ、乾物屋の。

※ここから先は不朽の名作漫画「あしたのジョー」を知らない人にとっては
まったく意味不明のつぶやきになるので、とばしちゃってください。


いや見た目は白木葉子なんだよ?
そんで最後の最後に「私のためにリングに上がらないで」って
言っちゃうようなところは、白木葉子といっしょなんだよ。

でも白木葉子と決定的に違うのは、
いままでの、そしていまのセロイにとって、
「長家と闘うこと=生きる意味」になっていることを理解していないところなんだよ~。
たぶん。

あなたが復讐をあきらめてくれさえすれば、私たちの間の障害は消えて、
ふたりでしあわせになれる……と思ってるんだろう、スアや。
そうじゃない、そうじゃないんだ~。

お前が長家をあきらめればいいじゃないか~。

と思って見ていたら、まさかの辞表を用意しているスア。
あれ?
もしかして長家をやめてセロイの復讐を応援する気になってる?
それとも、自分が長家をやめれば、セロイも復讐をやめると思ってる?

いやいや、「復讐が終われば幸せになれるの?」とか言ってるぞ。
復讐なんか考えていては幸せにはなれないよ、と諭している……のか?

だからさー、そういうところが紀ちゃんっぽいんだよなー。
矢吹ジョーが、生きのびるためにのめりこんだボクシング。
闘うことが生きることそのもののジョーに
「なんだか、ついていけないわ……」と離れていった紀ちゃんみたいなさ……。

でもまあセロイは矢吹ジョーと違って燃え尽きて真っ白になって
終わりではないんでね、「復讐をとげた後」が重要ではあるんですよ。
セロイには、自分を慕ってくれる仲間がいて、それを自覚しているので。

たぶん、回想シーンで出てきた
「自分や仲間がなににも脅かされずに自由に生きるための力が欲しい」
みたいなところが、彼の本当の目的であり、いつかセロイもそれに気付くと
思うんですよね。

そのためにあのおっさんを潰さなくてはならん、みたいな。

長家で一生懸命働いている善良な人々にはなんの恨みもないわけでね。
「長家を潰す!」とか言って、
大企業の関係者家族を路頭に迷わせたいわけじゃないですから。

でも、でもね、ジョーが死闘の末に最後にグラブを渡すのは、
丹下のおっちゃんが投げたタオルを拾わずに、
「立って!矢吹君!」と自分の背中を押してくれた白木葉子なんですよ……。

だからねー、見た目もタイプも全然ちがうけど、
常に主人公を鼓舞し、支え、共に闘い続けてきた
イソのほうが、白木葉子的だと思うんだよなー。

※以降、通常運転です。

だいたいさ、「復讐」ってキーワードをセロイに与えたのは自分じゃん。
君のあの一言で、セロイの瞳に光が灯ったんだよ。
石頭のセロイが新たに自分が生きる意味を見出すまで、
あなたも耐えてあげてよ……。

復讐をやめろ、と言われたときのセロイの表情。
そして絞り出すような魂の言葉にグッと来た。
どんだけ好きな女の頼みでも、それだけは聞けない。
だって、死んだように生きろって言われているようなもんじゃん。
まだ30歳だよ?
あと50年はあるだろう人生を、すべてを忘れて生きろ、と?
それができるなら、あのとき土下座してるよ。

あんな風に感情をぶつけて、
スアが言うように、わたしも「ああ、セロイはスアより復讐をとったんだな」って
思ってけっこうショックもだったんだけど、
セロイ自身はスアを振ったとは思ってなくてずっこけた。

ジェットコースターに乗ってブンブン振り回されて、
最後にまたホームに戻ってきたみたいな気分。
頭くらくらしてるのに、「2週目行きますか?」って言われてるみたいなこころもちです。


イソはわたしが期待した通り、タンバムに戻ってきました。
プランBにはあんまり意味がなかったみたいだけど、
ヒョニにはプランBのその先が見えている気がするね。

トニーのおばあちゃんはただの金貸しの老婆ではなく、
本気でお金を持っている大富豪投資家でした。
なんと、おばあちゃんは若いころのチャン・デヒに投資をした人物。

おばあちゃん70代でしょ?
チャン・デヒって50代後半くらいの設定かな?
さすがの大恩人の前では、小僧扱いでちょっとおもしろかったです。

グンスにもちょっと言い負かされたりしてたよね。
「このくらいでつぶれる人を敵だと認識したんですか?」って言われて、
ん?みたいになってた。

この人が、息子を刑務所に入れてでも守りたかった「長家」とは、
なんなのでしょうか?
物語終盤になって突然あかされるあれこれとかはやめてくれよな。

グンスが、「お父さんとセロイ兄貴は同じ種類の人間」とか言ってたの気になる。
実は会長も、もともとの志は高くて……とかやめてほしいぞ。
悪人は最後まで悪人として潰されてほしいです。


韓国メンタルと日本メンタルの違いを感じたのは、
フランチャイズ店に参加した人々が詰め寄った際に、セロイが怒鳴るところ。

「あんたたちが信じたのは投資家か?うちの味だろう?」

いや~、投資家を信じた人もいっぱいいたと思いますよ。
みんながみんな、セロイみたいに強固な信念を持って商売しようとしてるわけじゃないんよ。
あそこで正論をぶちかまして怒鳴っちゃうのはセロイの頑固さゆえだけど、
日本メンタルだとどうしても一度は「申し訳ありません!」って言っちゃうと思うんだよね。
いったん謝って、「でもみなさん!」って続けてると思うなー。
どうだろう?単にセロイの性格か?

あとねぇ、セロイが「トニーを利用しているようで悪い」と投資を断るところ。
「そういう心意気が気に入った!」って投資してくれるのかと思ったら、
「従業員にばかり苦労させて社長がプライドばっか高くていかん!」って怒られてて
びっくりした。
え?プライド?どっちかというと遠慮深くて潔癖なところが評価されるべきでは?
頭下げるのがイヤって言ってるわけじゃないじゃん?
こういうところは価値観が違うのかなぁ。

グンスは着々と悪く染まってるねぇ~。
パク部長は今度負けたらクビになるとも知らず呑気だけど、
グンスはあとがないからなー。

でもトランスジェンダーへの風当たりって、こんなに強いもの?
いや、強いか。強いよね。好奇のまなざしとかね。
芸能人でも性転換手術した人にぶしつけにいろいろ聞いたりね。
「気持ち悪い」とかは面と向かってはさすがに言わないと思うけど、
こころの病気みたいなものだと思ってる人もいたり、偏見は多いだろうと思う。

ヒョニがわぁーって泣くの、ずっと耐えてきたんだなってわかってツライ。
そしてセロイが「逃げてもいい。でも逃げるって変だよな。お前は何も悪くない」って
言ってくれるの、すごくホッとする。
ずっと言ってるよね、セロイは。ヒョニはなんにも悪いことしてないって。

そしてイソが贈ってくれた詩。
力強いよね。

韓国は詩を愛する人が多いんだって。
わたしが高校生のとき韓国に行って、本屋で詩集を買ったのね。
そしたら観光バスの運転手さんが、何を買ったのか?って聞いてきて、
詩集を買ったと言ったら、なかの一編を朗読してくれたの。
おじさんはね、韓国人はみんな詩が好きだ、みたいなことを言ってて、
それはすごく印象に残ってるな。

ヒョニが優勝してくれないと、タンバムは投資してもらえない。
パク部長が優勝しないと、グンスは長家の後継者になれない。
どっちも勝ってほしい……とはまったく思いませんね!

ヒョニがんばれー!
グンス、応援してくれ。悲しくさせるなよ。
お前に悪人面は似合わないよ……。

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