初っぱなからぐいぐいと面白いですね~。
不思議なことに、子どもの頃のエピソードを知れば知るほど、
チェユンがすごくかっこよく思えてくるんですよ。
第1話を経て、第2話、これを見終わった後、
ぜひぜひ第1話冒頭のチェユンの様子を思い返してみてください~。
運命って不思議。
そして冷静に成功率を計算しているチェユンがかっこいい。
《あらすじ》
ソクサムは牢でこときれた。
捕まったたちは、あまりのむごさにたまらず声を上げる。
「俺たちは牛や馬じゃねえ!」
看守は舌打ちをしてソクサムの遺体を引きずり出そうとするが、トルボクに邪魔されてしまう。
したたかに子どもを打ち据える看守の横暴さに、たちの怒りが爆発した。
看守に襲いかかり、鍵を奪い、牢を逃げ出す人々。
トルボクも、タムとその父と共に牢を出た。
役人は次々にに襲いかかり、問答無用で切り捨ててゆく。
トルボクとタムがやっとのことで城壁を乗り越えたとたん、タムの父が刺されてしまう。
役人に引きずり下ろされそうになっているタムを救うため、トルボクは身を挺す。
「はやく逃げろ!」
タムは泣きながら塀を越え、偶然ゆきあった王妃の一行にかくまわれ、難を逃れた。
一方トルボクは、必死の形相で走り出し、現場を訪れていた世宗イ・ドを突き飛ばした。
王はムヒョルにかの子どもを救うよう命じる。
役人に捕まり、殺されそうになっているトルボクを助けたのはムヒョル。
当て身をくらわし、小屋にかくした。
「王様、ここからすぐに離れなければ」
太宗の疑惑を呼び起こす言動は慎まなければならない。
きびすを返そうとした王とムヒョルの足が止まった。
太宗が、兵を大勢連れてそこへ立っていた。
国賊の子どもをどうしても殺せという太宗。
慈悲を願う世宗。
話は平行線だ。
「子をだして、殺せ。これは王命である」
太宗が指示した直後、王は吠えた。
「王を名乗るな!上王は王にあらず。わたしが!わたしが朝鮮の王だ!」
母が自分の兄弟の死を嘆いていた頃、11才だったイ・ドは方陣を始めた。
父が殺戮を繰り返すたび、あの部屋で方陣を解いた。
昨日は33方陣を。
父を理解したかった。
理想の朝鮮を作るために、父は同士をも殺したのだと。
しかし、違った。ただ権力を独占するために、父は邪魔な人間を殺すのだ。
太宗にも太宗なりの大義がある。
手を汚し、朝鮮を建てたのは自分だという自負がある。
ゆえに自分が全権力を握るべきなのだ。
「わたしの朝鮮は違います。違うはず」
太宗は問うた。それはどんな朝鮮なのだ?と。
世宗は答えられない。
あらためて太宗はトルボクの殺害命令を出した。
イ・ドは、腰の刀をぬいて父の前に放った。
「あの子を殺すというならば、わたしを殺してからにしてください」
「誰に対して強がっているのだ?わたしがお前を殺せないと思うのか?」
父は刀を取り、息子の首に突きつける。
「ムヒュル!わたしが殺されたら、王を殺したものの首をはねよ!
必ずやり遂げよ!」
イ・ドは命令をくだした。
王の覚悟を知ったムヒュルも、それに答えて刀を抜く。
緊迫した空気が夜の森を包んだ。
太宗は刀をひき、「お前にできるのか」とつぶやいて帰って行った。
「わたしを説得できるのは力だけだ。あいつはそれに気付いたのだろうか?」
始めて父に反抗し、その力を退けたイ・ド。
彼らは急いでトルボクを閉じ込めた小屋に向かった。
すると、小屋ではトルボクが、襲った役人を問い詰めていた。
「俺はハンジ村のトルボクだぞ。誰の命令だ?!
俺のおやじは頼まれて手紙を渡しただけだ。女官がみんな助かると言った。
誰なんだ!そんなことを命令したのは誰だ!」
「……そんなもの、王に決まっているだろ」
「王様だっていうんだな?!くそ王の野郎、殺してやる」
「お前にできるのか……」
「王様は腹に鎧でもつけてるってのかよ?必ず殺してやる」
「……王様は大義のためになさったんだ」
「大義?そんなものクソ食らえだ!大義なら、父さんを殺せるのか?
父さんはバカだ。バカだから、俺のかわりに行ったんだ。
バカでも子をまもることは知っている。王は民の父なんだろ?大義なんかクソ食らえ!」
すべてを聞いていた王とムヒュル。
ムヒュルは、災厄をさけるためにトルボクを殺すべきだと主張する。
しかし王は、トルボクを救おうと言う。
この子が、自分が救う最初の民で、最後の民だと思うから。
口先ばかりで、自分の中に答えも、手立てもない。
力なき王が救える唯一の民かもしれない。
だからこの子は、助けなくては。
王の表情は、なぜか晴れ晴れとしているのだった。
翌朝目覚めたトルボクは、不思議な村に連れて行かれていた。
ここは、成均館につとめるたちが住む泮村(パンチョン)だ。
村の様子を見てまわっていたトルボクは、
人々が歌いながら楽しげに労働に励む姿に慰められる。
父たちも、同じように歌いながら働いていたっけ……。
特に炭焼きには目を奪われた。
面白い。ここは本当に特別な場所だ。
だが、一体誰が俺をここに連れてきた?
巾着から取り出した、父さんの遺書。
「バカだな……字も読めない息子にこんなものを残してさ……」
一方イ・ドは、父の仕打ちに衝撃を受けていた。
すべての兵力を講武場に集めた上王。
玉璽、御刀、鳥梅牌、象牙牌を手元に集めたイ・ド。
それを聞いた上王は、空の重箱を息子に送るように命令する。
その意味は、故事にならった通達「自決せよ」
「なりません!」
先王の側近は止めようとするが、先王は不敵に笑う。
「あいつがそういう意味に取るのなら、それもいたしかたなかろう」
夜になり、泮村では裁判が行われていた。
女行首が、村に起こる重大な案件を裁く。
今夜は、掟をやぶったふたりの男について。
過去に皆殺しの危機に陥った泮村は、一切の政治にかかわることなく、村を守ってきた。
それは鉄の掟だ。どんな理由があろうとも、反することはゆるされない。
無念の死を遂げた三峯の書物を持ち出そうとした男は自決した。
横で見ていたトルボクは、あまりのことに目が飛び出そうだ。
今度は、彼の処遇についての審問が始まった。
「驚いただろうが、怖がらなくていい」
「怖くなんかねぇよ」
トルボクの態度をいぶかしむ行首。
「掟を守る限り、ここで暮らすことができる」
「信頼できねぇところにいたくねえよ」
「……お前はなにものだ?なぜここにきた?」
「昼間にいったろ?先に教えろ。誰がなんのために、俺をここに連れてきた?」
トルボクは、大人たちに囲まれても、一歩も引かない。
相手が情報を話すまで、自分から名乗ったりするものか。
「お前!死にたいか!」男がのど元に刃物を突きつける。
「ああ、殺せよ。殺しといた方がいいぞ。ムカついてるから、生きて出たらここをぶっつぶしてやる」
「二度は言わない。名を名乗れ」
「俺も二度はいわねぇ。俺をここに連れてきたのは、誰だ?」
「このガキ、死にたいのか?名前を言え!」
「二度はいわねんだろ?」
強気の言葉と裏腹に、トルボクは小便を漏らしている。
震える足。それでも、誰にも屈しない。
行首は、彼を預けていったムヒュルの言葉を思い出していた。
「気性の荒い子だ。しつけてお前の配下にせよ。
どうしても手に負えないというなら、そのときはすぐさま殺せ」
しかし行首は、トルボクを生かしておくことにした。
この子は何ものなのだ?
同じ頃、イ・ドは空の重箱をじっと見つめていた。
上王に許しを請うようすすめるムヒュル。今はひくべき時である、と。
イ・ドは自分の無力さに憤る。
「わたしにあるのは役にも立たない方陣……」
いいかけて、ハッと気がついた。
「この重箱の形は、方陣の形と同じだ!」
先日の父の言葉が脳裏によみがえる。
イ・ドは夢中になって方陣を並べ始めた。
最初は、3方陣。
そしてその法則に従って次々に方陣を解いていき、最後は33方陣を……。
すべてがきっちりとおさまった方陣を見て、王はつぶやく。
「クソ食らえ」
空の重箱の意味も、答えもわかった。
イ・ドは王たる証の道具を携え、先王に会いにゆく。
自分に向かって矢が放たれた講武場の真ん中を、まっすぐに父に向かって歩いて行く。
(つづく)
これは面白いな~。
トルボクがイ・ドに助けられた時には、「ああっ」と思わず叫んでしまいました。
王様のせいで父親が死んだ、と思うトルボクは、長じて王の命を狙うことになるわけですが、
なんと、実は自分の命を救ってくれたのは王様その人であったのです。
そういう展開になるのか!
なんという運命の皮肉。
殺したいと願う相手が、実は命の恩人。
トルボクはこのことを知っているのでしょうか?
知らないだろうな~。
若き日のイ・ドを見たのは一瞬で、おそらく記憶はない。
ムヒュルのことは覚えているだろうね。
彼はトルボクを殺しておいた方がいい派なわけです。
考えたのだけれど、
「王様はお前の命の恩人なのだぞ」と教えといてやればよかったんじゃない?
あ、そしたらトルボクの性格上、自我が崩壊しかけちゃうかしら?
ってか、ドラマ的には、これから彼がその事実を知る方が面白いのか。
葛藤するだろうな~。
転じて、王を支える人になるだろうか?
それとも最後まで王の命を狙う人のまま?
そのあたりはおおいに気になります。
タムは、王妃のチマの中に隠れて事なきを得ました。
お父さんの家のだったから、王妃も顔を知っていたんだね。
このまま彼女は王妃に庇護されて成長するのでしょう。
トルボク兄さんとはやく出会えますように……。
このドラマは、ロマンス要素は薄いそうなのですが、
ここは唯一残されたメロ要素ですよね?
幼き日の淡い恋心。隠し味のようにきかせてもらえたら嬉しいな、と期待しております。
しかし、第2話にして名シーンが目白押しだよね!
イ・ドが初めて父に反抗する場面、よかったわ~。
腹の底から出た、王としての言葉。
さすがに威厳があり、兵士たちも一瞬動きが止まったよね。
「わたしが、わたしが朝鮮の王だ!」
自分に言い聞かせるように叫んだその言葉は、彼の覚醒宣言ですよね。
しびれたわ~。
しかしその後、父の問いに答えられず、しぼむ王。
ああ……なんだよ……と視聴者をがっかりさせたと思いきや、捨て身の反撃。
ムヒュルに叫んだ最後の命令。
自分の命を捨てても、民を救いたい、
もうこんな殺戮が繰り返されるのを止めたい、という思い。
事の重大さに身震いしつつ、その思いをはっしと受け止めたムヒュルも渋すぎる。
まさに力を力でねじ伏せた対決で、緊迫感がよかったです~。
もちろん、ここでイ・ドが切られちゃうことはない、とわかっているんだけど、
正直、先王は何を考えているかわからない。
いったい、どう事を収めるのか、とドキドキしました。
先王の頭の中では、いろんな計算が働いているんだろうな、と想像できて面白かった。
これは、1話の冒頭でチェユンがいろいろ考えていたシーンを見ているからかもしれないですね。
先王はやはり、ものすごく頭の良い人であって、
部下には計り知れない思惑がある人のようです。
彼の息子への思いは、いったいどんなものなのか?
なんだか複雑そうですよね。
孔子でも説得できない自分を力でねじ伏せた息子のことを、内心嬉しく思っていそうでしょ?
空の重箱も、「自決せよ」ではなくて、方陣のヒントだったわけでしょ?
息子が気付くかどうか、気付かずに自決するならこれまで。情けないな、と言って終わり。
そうでないなら……。
彼は、子どもを千尋の谷に突き落とす獅子王なのでしょうか?
悪人面じゃないからねぇ。
問題ありありだけど、恐怖だけでは人はついてこない。
王としての貫禄、器量は十分な人物なんでしょう。
イ・ドがトルボクの悲痛な叫びを耳にするシーンもよかったですねぇ。
子役トルボクちゃん、素晴らしいわ。
それもこれも、あのお父さん役さんの名演技があればこそです。
若き王が、自分の道を歩むきっかけを作ったのが、彼の叫び。
貧しく、虐げられる人々の声です。
そしてトルボクが女行首と対決するシーンも見応えがありましたね~。
失禁しながらも、誇りを捨てないトルボクの意地。
さすが悪童として名をはせただけのことはあります。
肝がすわっとる。
目の前で大人の男があっさり殺されたというのに、この精神力。
味方にすればこれほど心強い味方はおりませんが、
これが王の命を狙う男に成長するかと思うと……。
今のうちに根を断っておきたいムヒュルの気持ちがよくわかりますね。
このシーンで、ふたりの男が殺されていますが、
問題は三峯と敬われる儒学者チョン・ドジュンの書いた本を持ち出そうとしたことのようです。
かつて先王がチョン・ドジュンを粛正しようとした時、
双方に情報が流れ、それにかかわったものがいる、ということで泮村の人々が皆殺しにされそうになったみたいなんですね。
その教訓から、中立の立場を貫くことになった泮村。
行首がきびしく治めているようですが、
チョン・ドジュンの信奉者は少なからず存在するようです。
イ・ドと先王の間でも、チョン・ドジュンの名が出ており、逆賊と言われていますが、
彼の存在がこの先の展開に深くかかわってくる模様です。
謎、陰謀、秘密満載のドラマらしいので、
呑気に見ていて振り落とされないように覚悟が必要ですな。
それにしても、トルボクが見て回る泮村の様子は、不思議な幸福感に包まれていましたね。
現代はホワイトカラーがもてはやされ、株屋が大もうけするような世の中ですが、
労働の喜び、ものを作るしあわせ、共同体の一体感、高揚感が感じられる、よいシーンだったと思います。
おそろしい体験の連続でカチカチだったトルボクの心がほぐれ、
ふと笑顔になったとき、じんわりと目頭が熱くなりました。
ただおそらく、彼は復讐心を捨てられない。
そのせいで、市井の幸福とは縁の無い人生を送ることになるのでしょう。
にだってしあわせを感じる権利があるのよ。
イ・ドは方陣を完璧に解いて、父のもとへ赴きます。
彼はいったい何がわかったというのでしょう?
ヒントを与えた先王の真意は?
わたしけっこうわからなくて、すごくモヤモヤドキドキしています。
次回まだまだ子役時代よね?
不思議なことに、子どもの頃のエピソードを知れば知るほど、
チェユンがすごくかっこよく思えてくるんですよ。
第1話を経て、第2話、これを見終わった後、
ぜひぜひ第1話冒頭のチェユンの様子を思い返してみてください~。
運命って不思議。
そして冷静に成功率を計算しているチェユンがかっこいい。
《あらすじ》
ソクサムは牢でこときれた。
捕まったたちは、あまりのむごさにたまらず声を上げる。
「俺たちは牛や馬じゃねえ!」
看守は舌打ちをしてソクサムの遺体を引きずり出そうとするが、トルボクに邪魔されてしまう。
したたかに子どもを打ち据える看守の横暴さに、たちの怒りが爆発した。
看守に襲いかかり、鍵を奪い、牢を逃げ出す人々。
トルボクも、タムとその父と共に牢を出た。
役人は次々にに襲いかかり、問答無用で切り捨ててゆく。
トルボクとタムがやっとのことで城壁を乗り越えたとたん、タムの父が刺されてしまう。
役人に引きずり下ろされそうになっているタムを救うため、トルボクは身を挺す。
「はやく逃げろ!」
タムは泣きながら塀を越え、偶然ゆきあった王妃の一行にかくまわれ、難を逃れた。
一方トルボクは、必死の形相で走り出し、現場を訪れていた世宗イ・ドを突き飛ばした。
王はムヒョルにかの子どもを救うよう命じる。
役人に捕まり、殺されそうになっているトルボクを助けたのはムヒョル。
当て身をくらわし、小屋にかくした。
「王様、ここからすぐに離れなければ」
太宗の疑惑を呼び起こす言動は慎まなければならない。
きびすを返そうとした王とムヒョルの足が止まった。
太宗が、兵を大勢連れてそこへ立っていた。
国賊の子どもをどうしても殺せという太宗。
慈悲を願う世宗。
話は平行線だ。
「子をだして、殺せ。これは王命である」
太宗が指示した直後、王は吠えた。
「王を名乗るな!上王は王にあらず。わたしが!わたしが朝鮮の王だ!」
母が自分の兄弟の死を嘆いていた頃、11才だったイ・ドは方陣を始めた。
父が殺戮を繰り返すたび、あの部屋で方陣を解いた。
昨日は33方陣を。
父を理解したかった。
理想の朝鮮を作るために、父は同士をも殺したのだと。
しかし、違った。ただ権力を独占するために、父は邪魔な人間を殺すのだ。
太宗にも太宗なりの大義がある。
手を汚し、朝鮮を建てたのは自分だという自負がある。
ゆえに自分が全権力を握るべきなのだ。
「わたしの朝鮮は違います。違うはず」
太宗は問うた。それはどんな朝鮮なのだ?と。
世宗は答えられない。
あらためて太宗はトルボクの殺害命令を出した。
イ・ドは、腰の刀をぬいて父の前に放った。
「あの子を殺すというならば、わたしを殺してからにしてください」
「誰に対して強がっているのだ?わたしがお前を殺せないと思うのか?」
父は刀を取り、息子の首に突きつける。
「ムヒュル!わたしが殺されたら、王を殺したものの首をはねよ!
必ずやり遂げよ!」
イ・ドは命令をくだした。
王の覚悟を知ったムヒュルも、それに答えて刀を抜く。
緊迫した空気が夜の森を包んだ。
太宗は刀をひき、「お前にできるのか」とつぶやいて帰って行った。
「わたしを説得できるのは力だけだ。あいつはそれに気付いたのだろうか?」
始めて父に反抗し、その力を退けたイ・ド。
彼らは急いでトルボクを閉じ込めた小屋に向かった。
すると、小屋ではトルボクが、襲った役人を問い詰めていた。
「俺はハンジ村のトルボクだぞ。誰の命令だ?!
俺のおやじは頼まれて手紙を渡しただけだ。女官がみんな助かると言った。
誰なんだ!そんなことを命令したのは誰だ!」
「……そんなもの、王に決まっているだろ」
「王様だっていうんだな?!くそ王の野郎、殺してやる」
「お前にできるのか……」
「王様は腹に鎧でもつけてるってのかよ?必ず殺してやる」
「……王様は大義のためになさったんだ」
「大義?そんなものクソ食らえだ!大義なら、父さんを殺せるのか?
父さんはバカだ。バカだから、俺のかわりに行ったんだ。
バカでも子をまもることは知っている。王は民の父なんだろ?大義なんかクソ食らえ!」
すべてを聞いていた王とムヒュル。
ムヒュルは、災厄をさけるためにトルボクを殺すべきだと主張する。
しかし王は、トルボクを救おうと言う。
この子が、自分が救う最初の民で、最後の民だと思うから。
口先ばかりで、自分の中に答えも、手立てもない。
力なき王が救える唯一の民かもしれない。
だからこの子は、助けなくては。
王の表情は、なぜか晴れ晴れとしているのだった。
翌朝目覚めたトルボクは、不思議な村に連れて行かれていた。
ここは、成均館につとめるたちが住む泮村(パンチョン)だ。
村の様子を見てまわっていたトルボクは、
人々が歌いながら楽しげに労働に励む姿に慰められる。
父たちも、同じように歌いながら働いていたっけ……。
特に炭焼きには目を奪われた。
面白い。ここは本当に特別な場所だ。
だが、一体誰が俺をここに連れてきた?
巾着から取り出した、父さんの遺書。
「バカだな……字も読めない息子にこんなものを残してさ……」
一方イ・ドは、父の仕打ちに衝撃を受けていた。
すべての兵力を講武場に集めた上王。
玉璽、御刀、鳥梅牌、象牙牌を手元に集めたイ・ド。
それを聞いた上王は、空の重箱を息子に送るように命令する。
その意味は、故事にならった通達「自決せよ」
「なりません!」
先王の側近は止めようとするが、先王は不敵に笑う。
「あいつがそういう意味に取るのなら、それもいたしかたなかろう」
夜になり、泮村では裁判が行われていた。
女行首が、村に起こる重大な案件を裁く。
今夜は、掟をやぶったふたりの男について。
過去に皆殺しの危機に陥った泮村は、一切の政治にかかわることなく、村を守ってきた。
それは鉄の掟だ。どんな理由があろうとも、反することはゆるされない。
無念の死を遂げた三峯の書物を持ち出そうとした男は自決した。
横で見ていたトルボクは、あまりのことに目が飛び出そうだ。
今度は、彼の処遇についての審問が始まった。
「驚いただろうが、怖がらなくていい」
「怖くなんかねぇよ」
トルボクの態度をいぶかしむ行首。
「掟を守る限り、ここで暮らすことができる」
「信頼できねぇところにいたくねえよ」
「……お前はなにものだ?なぜここにきた?」
「昼間にいったろ?先に教えろ。誰がなんのために、俺をここに連れてきた?」
トルボクは、大人たちに囲まれても、一歩も引かない。
相手が情報を話すまで、自分から名乗ったりするものか。
「お前!死にたいか!」男がのど元に刃物を突きつける。
「ああ、殺せよ。殺しといた方がいいぞ。ムカついてるから、生きて出たらここをぶっつぶしてやる」
「二度は言わない。名を名乗れ」
「俺も二度はいわねぇ。俺をここに連れてきたのは、誰だ?」
「このガキ、死にたいのか?名前を言え!」
「二度はいわねんだろ?」
強気の言葉と裏腹に、トルボクは小便を漏らしている。
震える足。それでも、誰にも屈しない。
行首は、彼を預けていったムヒュルの言葉を思い出していた。
「気性の荒い子だ。しつけてお前の配下にせよ。
どうしても手に負えないというなら、そのときはすぐさま殺せ」
しかし行首は、トルボクを生かしておくことにした。
この子は何ものなのだ?
同じ頃、イ・ドは空の重箱をじっと見つめていた。
上王に許しを請うようすすめるムヒュル。今はひくべき時である、と。
イ・ドは自分の無力さに憤る。
「わたしにあるのは役にも立たない方陣……」
いいかけて、ハッと気がついた。
「この重箱の形は、方陣の形と同じだ!」
先日の父の言葉が脳裏によみがえる。
イ・ドは夢中になって方陣を並べ始めた。
最初は、3方陣。
そしてその法則に従って次々に方陣を解いていき、最後は33方陣を……。
すべてがきっちりとおさまった方陣を見て、王はつぶやく。
「クソ食らえ」
空の重箱の意味も、答えもわかった。
イ・ドは王たる証の道具を携え、先王に会いにゆく。
自分に向かって矢が放たれた講武場の真ん中を、まっすぐに父に向かって歩いて行く。
(つづく)
これは面白いな~。
トルボクがイ・ドに助けられた時には、「ああっ」と思わず叫んでしまいました。
王様のせいで父親が死んだ、と思うトルボクは、長じて王の命を狙うことになるわけですが、
なんと、実は自分の命を救ってくれたのは王様その人であったのです。
そういう展開になるのか!
なんという運命の皮肉。
殺したいと願う相手が、実は命の恩人。
トルボクはこのことを知っているのでしょうか?
知らないだろうな~。
若き日のイ・ドを見たのは一瞬で、おそらく記憶はない。
ムヒュルのことは覚えているだろうね。
彼はトルボクを殺しておいた方がいい派なわけです。
考えたのだけれど、
「王様はお前の命の恩人なのだぞ」と教えといてやればよかったんじゃない?
あ、そしたらトルボクの性格上、自我が崩壊しかけちゃうかしら?
ってか、ドラマ的には、これから彼がその事実を知る方が面白いのか。
葛藤するだろうな~。
転じて、王を支える人になるだろうか?
それとも最後まで王の命を狙う人のまま?
そのあたりはおおいに気になります。
タムは、王妃のチマの中に隠れて事なきを得ました。
お父さんの家のだったから、王妃も顔を知っていたんだね。
このまま彼女は王妃に庇護されて成長するのでしょう。
トルボク兄さんとはやく出会えますように……。
このドラマは、ロマンス要素は薄いそうなのですが、
ここは唯一残されたメロ要素ですよね?
幼き日の淡い恋心。隠し味のようにきかせてもらえたら嬉しいな、と期待しております。
しかし、第2話にして名シーンが目白押しだよね!
イ・ドが初めて父に反抗する場面、よかったわ~。
腹の底から出た、王としての言葉。
さすがに威厳があり、兵士たちも一瞬動きが止まったよね。
「わたしが、わたしが朝鮮の王だ!」
自分に言い聞かせるように叫んだその言葉は、彼の覚醒宣言ですよね。
しびれたわ~。
しかしその後、父の問いに答えられず、しぼむ王。
ああ……なんだよ……と視聴者をがっかりさせたと思いきや、捨て身の反撃。
ムヒュルに叫んだ最後の命令。
自分の命を捨てても、民を救いたい、
もうこんな殺戮が繰り返されるのを止めたい、という思い。
事の重大さに身震いしつつ、その思いをはっしと受け止めたムヒュルも渋すぎる。
まさに力を力でねじ伏せた対決で、緊迫感がよかったです~。
もちろん、ここでイ・ドが切られちゃうことはない、とわかっているんだけど、
正直、先王は何を考えているかわからない。
いったい、どう事を収めるのか、とドキドキしました。
先王の頭の中では、いろんな計算が働いているんだろうな、と想像できて面白かった。
これは、1話の冒頭でチェユンがいろいろ考えていたシーンを見ているからかもしれないですね。
先王はやはり、ものすごく頭の良い人であって、
部下には計り知れない思惑がある人のようです。
彼の息子への思いは、いったいどんなものなのか?
なんだか複雑そうですよね。
孔子でも説得できない自分を力でねじ伏せた息子のことを、内心嬉しく思っていそうでしょ?
空の重箱も、「自決せよ」ではなくて、方陣のヒントだったわけでしょ?
息子が気付くかどうか、気付かずに自決するならこれまで。情けないな、と言って終わり。
そうでないなら……。
彼は、子どもを千尋の谷に突き落とす獅子王なのでしょうか?
悪人面じゃないからねぇ。
問題ありありだけど、恐怖だけでは人はついてこない。
王としての貫禄、器量は十分な人物なんでしょう。
イ・ドがトルボクの悲痛な叫びを耳にするシーンもよかったですねぇ。
子役トルボクちゃん、素晴らしいわ。
それもこれも、あのお父さん役さんの名演技があればこそです。
若き王が、自分の道を歩むきっかけを作ったのが、彼の叫び。
貧しく、虐げられる人々の声です。
そしてトルボクが女行首と対決するシーンも見応えがありましたね~。
失禁しながらも、誇りを捨てないトルボクの意地。
さすが悪童として名をはせただけのことはあります。
肝がすわっとる。
目の前で大人の男があっさり殺されたというのに、この精神力。
味方にすればこれほど心強い味方はおりませんが、
これが王の命を狙う男に成長するかと思うと……。
今のうちに根を断っておきたいムヒュルの気持ちがよくわかりますね。
このシーンで、ふたりの男が殺されていますが、
問題は三峯と敬われる儒学者チョン・ドジュンの書いた本を持ち出そうとしたことのようです。
かつて先王がチョン・ドジュンを粛正しようとした時、
双方に情報が流れ、それにかかわったものがいる、ということで泮村の人々が皆殺しにされそうになったみたいなんですね。
その教訓から、中立の立場を貫くことになった泮村。
行首がきびしく治めているようですが、
チョン・ドジュンの信奉者は少なからず存在するようです。
イ・ドと先王の間でも、チョン・ドジュンの名が出ており、逆賊と言われていますが、
彼の存在がこの先の展開に深くかかわってくる模様です。
謎、陰謀、秘密満載のドラマらしいので、
呑気に見ていて振り落とされないように覚悟が必要ですな。
それにしても、トルボクが見て回る泮村の様子は、不思議な幸福感に包まれていましたね。
現代はホワイトカラーがもてはやされ、株屋が大もうけするような世の中ですが、
労働の喜び、ものを作るしあわせ、共同体の一体感、高揚感が感じられる、よいシーンだったと思います。
おそろしい体験の連続でカチカチだったトルボクの心がほぐれ、
ふと笑顔になったとき、じんわりと目頭が熱くなりました。
ただおそらく、彼は復讐心を捨てられない。
そのせいで、市井の幸福とは縁の無い人生を送ることになるのでしょう。
にだってしあわせを感じる権利があるのよ。
イ・ドは方陣を完璧に解いて、父のもとへ赴きます。
彼はいったい何がわかったというのでしょう?
ヒントを与えた先王の真意は?
わたしけっこうわからなくて、すごくモヤモヤドキドキしています。
次回まだまだ子役時代よね?
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