《あらすじ》
日本から戻ったジェインは、ガラスの仮面を入手できなかった。
しかし、仮面はホン・テソンが持っている。
彼が必ず、韓国へ持って来てくれるはず。
ジェインのもとへ、ゴヌクからメールが来る。
「ソウルに戻った」
それとなく、ホン・テソンも一緒だと聞き出した。
シン夫人に大見得を切った手前、失敗は許されない。
必ず仮面を手に入れなくては……。
帰国したテソンは、その足で警察に出向いた。
ソニョンの死を再調査している刑事たちと会うためだ。
さりげなくゴヌクも同席し、事情を探る。
警察は、ソニョンがある男と口論していたことを知っている。
そしてその男が、以前ヘシンに養子にされ、その後離縁された男だと突き止めていた。
「ソニョンは俺の身分を聞いても何言わなかった。
ただ、テソンという名が好きだと言ってたな」
テソンの言葉を聞いて、ゴヌクは思い出す。
偶然だった。
彼が狙うヘシングループの御曹司ホン・テソンと、
ソニョンの恋人が同じ人間だったなんて。
それはまったくの、偶然だったのだ。
テソンはふと、ソニョンの日記について思い至った。
何でも書き記して、いつも持ち歩いていた日記はどこに?
刑事たちも、その存在を知らなかった。
テソンはゴヌクに「もうひとりのホン・テソン」について調べるよう命じた。
自分の名が好きだと言ったのは、そのテソンのせいなのか?
彼の独り言に、ソニョンを思い出すゴヌクだった。
テソンの自宅。
「ガラスの仮面のためかと思っていました。
日本から帰った理由です」
「重かったんだ。死の原因が別にあると思えば、少しは気が楽になる。
うちにある女物はすべて片付けてくれ」
「片付けるとは?」
「わからないか?全部捨てろ」
ゴヌクは淡々と問う。
「その人は……愛する女性ではなかったのですか?」
「は?」
テソンは皮肉な顔つきだ。
「愛していたなら、何かひとつくらい思い出を……」
「大きなお世話だ。普段無関心なお前が珍しいな」
「後悔なさるのでは、と思いまして」
「しない。全部捨てろ」
そう言って、テソンは出ていった。
彼の行き先は、ソニョンの墓地。
「ソニョン、俺のせいじゃないって本当か?
どうして、うれしいのかな……」
ゴヌクは、姉と慕った女性の遺品を片付けている。
彼女は、計画を知って自分を止めた。
愛しているから。ホン・テソンを愛しているから、と。
しかし、簡単にゴミ箱に捨てられるような思い出を、愛と呼べるのか?
ゴヌクは声を殺して泣いた。
テソンも、ソニョンの遺影の前で泣いている。
「本当はわかってる。全部俺のせいだ。
でもソニョン、もしお前の死にあいつがかかわっていたらただじゃおかない」
姉さん、ごめん。
俺はやめない。
ヘシングループ。彼らが犯した罪の重さを思い知らせてやる。
すべてが終わったあと、俺も罰を受けるよ。見守ってくれ。
ジェインはゴヌクに電話をかけ、彼がテソンと一緒に自宅へ行くことを知った。
慌ててドレスアップして、自宅へ向かう。
シン夫人がプレゼントしてくれた洋服だ。
実のところ、デパートに返品して現金に換えようと思っていたのだが。
しかしゴヌクは、ひとりでホン家を訪れていた。
会長に招き入れられ、邸宅へ入っていく。
かつては、お坊ちゃまと呼ばれ、共に暮らした家へ。
テソンを連れ帰ったゴヌクの手腕に会長はご満悦だ。
「ご子息に仕事を任せられては?」
談笑している最中に、シン夫人が帰宅した。
自宅に上がり込んでいるゴヌクを見て、不愉快になるシン夫人。
夫人と一緒にジェインも入ってきたが、声はかけなかった。
出ていくように夫人に言われ、ゴヌクは玄関に向かった。
ジェインは後を追い、「ホン・テソンはどこ?一緒じゃないの?」ときいた。
ふっと笑って、ゴヌクは彼女の方に手を置いた。
「ジェインさん?」
シン夫人に呼ばれて、仕方なくジェインは居間へ戻っていく。
ゴヌクは、庭の離れに足を向けた。
二階の引き出しに、箱が入っていたはずだ。
幼い頃、ここへきてこっそり食べていたっけ。
花模様の丸い箱が、まだそこにあった。
中に入っていたキャラメルを口にして、ゴヌクは涙を流す。
「おいしい……」
その姿を、当時からこの屋敷に仕えていたメイド長が見ていた。
箱の中のキャラメルは、寂しがるテソンを慰めるために
こっそり与えたふたりだけの秘密のはずだった。
「あの……なぜそれを……」
驚いたゴヌクは、とっさに涙を拭き、謝った。
「すみません、箱が目についたもので」
「もしかして……いえ、いいんです」
彼女はそれ以上、追求しなかった。
「昔ここにいた子どものことをご存じですか。
ホン・テソン氏が、調査をご希望です」
「なぜお坊ちゃまが?」
「さあ、何かご存じですか?」
「いいえ、存じません」
メイド長はきっぱりと答えた。
あてがはずれたジェインは、ため息をついてホン家をでた。
「あ~あ、ガラスの仮面、どうしよう……」
と、そこにゴヌクが座って待っている。
「いたの?わたしを待ってたの?」
ゴヌクはバイクの後ろに乗るように、強引にジェインを誘う。
家の近くまで送ってもらい、ふたりで階段に腰掛けて話をした。
「なんであの家にいたの?お茶までごちそうになって」
「ちょっと、モネのことで」
「あ~、そうか」
「豪邸だろ?」
ジェインも初めて行ったときはびっくりした。
こんなところに住む人がいるんだと。
「大袈裟だよ。たいしたことない」
「へー、あんたの家も豪邸なの?」
「うん」
「嘘つき」
「他人のふりしてくれて助かった」
「お互い様よ。わたしたち何してるんだろ。おかしいわね」
ゴヌクは、帰国したテソンにあわせてやろうか、と提案する。
「正直彼のことはどうでもいいの。問題はガラスの仮面よ」
直接会って頼んでもいいが、おそらく逆効果だろう。
彼は、母親を困らせたいだけなのだから。
「俺より、テソンに詳しいね」
「そうかな?
ほんとだ。あんたのこと知らないわ。話してよ」
ゴヌクはちょっと困った顔で言う。
「俺?
……何が知りたい?」
「そうね、親は何している人なのか、夢は何か、どんな人なのか」
ゴヌクは手をこすりあわせた。
「本当に知りたい?」
ジェインは黙ったまま、彼の目をまっすぐ見つめている。
「どうでもいいだろ。獲物のホン・テソンだけ見ていろよ」
「何よ、またそんな言い方して。帰るわ」
ジェインはへそを曲げて立ち上がった。
クスッと笑ってしまうゴヌク。
「ガラスの仮面は?」
「必要だって言ってるでしょ」
ジェインは階段を登っていった。
ひとりになったゴヌクはつぶやく。
「俺の夢だと?」
テソンはゴヌクを伴って会社へ行った。
会長室にテラとシン夫人も同席している。
「テソン、お前もヘシンに入れ」
夫の言葉に、声を荒げて反対するシン夫人。
テソンの悪行、自堕落な正確をあげつらい、罵倒する。
怒りはゴヌクにも飛び火して、「部外者は席を外してよ!」と怒鳴られた。
母親への反抗心からか、会社に入ることを了承したテソン。
彼は建設部門のロボットテーマパークを、テラはデパートを任されることになった。
ゴヌクは、秘書室長に目をとめた。
わざとではなかったが、幼い彼を突き飛ばし、背中に傷を負わせた人だ。
追い出された子どもについて、情報が欲しいと彼に伝えた。
「資料を探しておきましょう。
シム・ゴヌクさん、あなたの過去の資料がないのはなぜですか?」
ゴヌクはニヤリと笑った。
エレベーターを待つゴヌク。
ちょうどテラも、ホールにやってきた。
ふたりだけの密室の中、テラはゴヌクとのキスを妄想してしまう。
首をふったテラは、手に持ったスカーフを取り落とし、
ゴヌクは拾ってやろうと手を伸ばした。
ふたりが同時にスカーフをつかみ、ゴヌクは離さない。
ちょうど開いたエレベーターに大勢の人が乗り込んできた。
テラへ挨拶するものもいる。
並んで壁に押しつけられたテラとゴヌク。
ゴヌクは、黙ってテラの手を探った。
あらがうテラの手が、ゴヌクの指に絡め取られた。
ギャラリーのジェインは、ガラスの仮面が手に入らなくて困っている。
仕方なくゴヌクを頼って電話をかけた。
「ねえ、ホン・テソンどこにいるかな」
「今会社にいる」
ジェインはあわててドレスアップして、会社へ急いだ。
ヘシンではゴヌクが待っていて、ロビーでジェインを迎えてくれた。
「彼はどこ?」
「ん、飯でも食いに行かないか?」
「ああ、お店で待ってるの?教えてくれたらひとりで行くわ」
「うん、いや、あいつは帰った」
期待してやってきたジェインは、怒りを隠せない。
「どうしても仮面が必要だから会わせてって言ったのにふざけないでよ!」
「そんなに大事ならなぜ仮面を置いてきたんだ。盗んででも持ってくるべきだった」
「どうしてか本気でわからない?」
「仮面を持って韓国に……いや、やつが届けてくれると期待してたのか?」
「そうよ。わかっててからかうのね!
いいわよ、自分でなんとかする。あんたの助けは借りないわ」
ジェインが意気消沈してトイレで着替えていると、
ゴヌクから電話がかかってきた。
ドライブするから駐車場に来いというのだ。
怒りながらも、ゴヌクを捜しに来たジェインは、偶然テソンと出会う。
ゴヌクがチャンスをくれたのだ。
ジェインは、仮面を売ってくれるよう、テソンに頼む。
しかしテソンはつれない態度だ。
彼女を困らせて、楽しんでいる。
「ひとつ聞くけど、なんで置いていったの?
もしかして、俺が返すと期待した?」
「いいえ、正統な値段で買いたかったの。いくらで売ってくれる?」
ジェインは必死で、なりふり構わない。
「金はいいや。それより、デートとか」
「え?」
心底軽蔑したようなジェインの表情に、「冗談だよ」とうそぶくテソン。
「もし気が変わったら連絡して」
ジェインは名刺を置いて席を立った。
「待って。すぐに送るよ」
180度変わったテソンの態度に、ホッとするジェイン。
「ほんとにありがとう!」
テソンも彼女の笑顔を見て、笑った。
ジェインは、シン夫人にプレゼントされた洋服を、
半ば強引に返品して現金に換えた。
VIP用のプレゼント商品だから、売り場で売ることはないのだが……と
いぶかる店員の視線を避けるようにして、そそくさとその場を立ち去った。
ゴヌクは近所の商店で偶然ウォニンと会った。
「あ!おじさん、お金!」
このまえのおつりを渡してやり、アイスも奢ってやる。
「おじさん、今日はお金あるんだね」
ウォニンもニコニコだ。
ゴヌクは、彼女に日本のお土産を渡した。
「うぉ?!ふたりとも趣味がそっくりなんだね」
ウォニンの携帯に、そっくり同じ人形がくっついている。
姉のジェインが買ってきてくれた日本土産だ。
「お?どこで手に入れたんだ?」
不思議な偶然にウォニンはにんまり。
ジェインも仮面を譲ってもらえることになり、
ホッとしてゴヌクにメールした。
「今度からかったら承知しないわよ!」
ゴヌクもメールを読んで、にっこりと笑った。
ギャラリーに届いた、テソンからの荷物。
ジェインはさっそくシン夫人に手渡す。
しかし、中には仮面はなく、ふざけたテソンの写真だけが入っていた。
激怒して、ジェインを怒鳴りつけるシン夫人。
いたたまれないジェインの前に、ガラスの仮面を手にしたテソンが現れた。
「それをわたしなさい!」
「どうしよっかな。俺のものだ。好きにするさ」
ニヤニヤしている息子に、シン夫人が罵詈雑言を浴びせる。
「俺のもの?そんなものがあなたにあるの?
女でもなんでも、手に入れたらめちゃくちゃに壊してしまうくせに!
あなたのまわりに何が残ったって言うの!壊したければ好きにするがいいわ!」
母のトゲのある言葉に、テソンの顔色が変わる。
「そうするよ。女でもなんでも、壊してしまう人間だからな」
テソンは仮面を壁に投げつけて、粉々に砕いた。
ジェインはたまらず、テソンに手を上げる。
その手は彼につかまれて宙に浮いたが、怒りがおさまらない。
「龍先生の作品になんてことするの!
あなたがどんなに偉くても、こんなことする権利はないわ」
そのジェインを、シン夫人が平手で打った。
「身分をわきまえなさい!あなたごときが、わたしの息子に手をあげるだなんて。
許されるとでも思ってるの?あんな仮面、また買えばいいのよ。
あなた何様のつもり?出てお行き!」
中の様子をうかがっていたゴヌクは、出てきたジェインと鉢合わせした。
彼女の表情を見て、慌てて後を追う。
「ジェイン」
「離して。ひとりになりたいの」
彼女を、行かせるしかなかった。
「なぜ急に母親面を?感動的だな。さっきの言葉、本心?」
テソンは母に尋ねる。
「勘違いしないで。いまさらそんな気はないわ。
彼女に思い知らせたかっただけ。ヘシンに、すなわちわたしをバカにするとどうなるかってね。
身の程をわきまえない人間は許さない主義なの」
「ああ、いっそ答えないでくれたらよかったのに。
やっぱり母親だ、少しは俺を愛してくれているんだと、信じられたのに」
テソンはそう言うと部屋を出て行き、ひとり車の中で涙を流した。
どれだけ時間がたったのだろうか?街は夜の装いだ。
フラフラと車道に出て行くジェインを慌ててゴヌクが引き寄せる。
「俺が、ホン・テソンになる。
あいつだと思って、怒ればいい。前にもやったみたいに、ぶつければいい。
本物のテソンには何も言えないだろ?やれよ」
「ホン・テソン、あんた、あんたのためだった。
あんたを帰国させるためだった。そしてあんたを落とそうと思った。
でもこのざまよ。仮面は割れて、オーナーの信頼も失った。
高嶺の花に手を出すとどうなるか思い知ったわ」
ジェインは、とうとう泣き出してしまった。
ゴヌクは、自分も涙を流しながら、ジェインの顔をそっと包んでやる。
そして、そっとキスをした。
その様子を、偶然テソンが見ていた。
(つづく)
ギャー!なにこれ!
今回全編ゴヌクのターンか!
彼、アイドルじゃないのよ、俳優さんなのよ、
それをわかってて言うけど、ビジュアル神回ーーーーー!
わたしの秘蔵写真館がすごいことになってるんですけど。
なぜこの回だけで20枚もキャプチャがあるのかしら?
しかもラスト、
男優メインのキスシーンってどーゆーこと?
泣きじゃくるジェインもかわいいのに、丸無視のカメラ。
オマケか。この場合、ジェインは枕でもいいかのごとくの扱いか。
まぁそれは言い過ぎだけどね。
「身分が違う」とか言われて、人間扱いされなかったジェインに、
かつての自分を重ねてしまったゴヌクなんだものね。
しかも今だって、ゴヌクは虫けら同然の扱い。
同病相憐れむというか、ゴヌクはジェインの傷をなめてやったのよねぇ~。
なんだかこのキスは、すごくセルフィッシュな感じもして、
同時にこれまで積もりに積もったジェインへの愛情も感じられて、
哀しくて、優しいキスってかんじだった。
そしてすごく寂しい感じもするのだわ。
そんなキスを見てキョドッてるテソンはしっかりしろよ、まったくよう。
お前はほんとにろくでなしのあまちゃん野郎だぜ。
ジェインがあんな風にお母さんに罵倒されてんのに!
お前が気にするのは「自分が母親に愛されてるかどうか」だけなんか!
愛されてるわけないだろ!
いい加減気付かないのか!
想像力の欠如か!
自分の夫がよそに作った子なんて、あのプライドの高いおばはんが
愛することなんてあるわけないだろうが!
もうほんとにこの子ったら幼稚園児並みの甘えっぷり。
泣くな~!(怒)
ソニョンのことが、ちーとも教訓になってない。
お前は彼女を遠ざけて守ったつもりだったのかもしれないが、
継母に愛されたい自分を守っていただけなんだよ!
彼女よりお母さんから愛されたくて、ソニョンにひどいこと言ったんだよ。
そんなつもりじゃなかった、っていうけど、
結局自立できないお子ちゃまだから、壊してしまったんだよ!
シン夫人ひどいけど、わりと図星なんだってば!
ほんとにハラ立つわ~。
ソニョンのことは、本当に好きで、大事に思っていて、
自分でもそのことをはっきり自覚していなかったみたいですけど、自業自得ですよ。
見なさい!ゴヌクのこの顔を。
ジェインのただならぬ表情を見て、即座に彼女を追いかけていくんですよ~。
うわーん、かっこいい!
たいがいゴヌクも泣き虫で困っちゃうんですけどね。
ちょっとしたことですぐ目が赤くなっちゃうから……。
でもあの秘密のキャラメル食べたときは、泣いても仕方ないわね。
寂しがる自分に、優しくしてくれたメイド長さん。
女性なんでメイド長としましたが、執事的役割の人みたい。
日本でいう刀自(とじ)ですね。ウン刀自としておくか。
あの人、お口もぐもぐしながら離れに入ってきてたでしょ?
きっと今でもこっそりあそこにキャラメル隠してて、食べに来てる気がする。
ウン刀自は、たぶんゴヌクの正体をうすうす気付いたと思う。
だって、ごまかしようがないでしょ、あんな現行犯は。
このゴヌクの復讐劇で思うのは、
彼のアンビバレンツな感情についてです。
彼は、自分の人生を狂わせ、結果的に両親を殺したヘシンを憎んでいる。
金持ちたちの、他人を見下す不遜な態度を許せない。
自分を踏みつけにした奴らに、復讐したいと思っている。
と同時に、
なぜか「あの頃」を懐かしく思い出すシーンがあるんですよね。
このキャラメルのシーンもそうだし、
成人して初めて会長に会う時もそうでした。
わたしには、「なぜ僕を愛してくれなかったの?」と、
彼が叫んでいるように見える。
いびつな形で始まった家族の生活でしたが、
子どものゴヌクはやはりそこで、誰かに愛してほしかった。
新しい家族に、愛してほしかったのではないでしょうか?
彼の「憎しみ」は、「愛」の裏返しのような印象を受けます。
「奪われた愛」を取り戻す行為が、彼の復讐なのかもしれない。
モネ、テラを誘惑し、会長に手腕を認められていくゴヌクを見て、そう思いました。
彼らに愛され、再びテソンの一員となることが、彼の望みなのかしら……。
そして最後に自分の正体をバラして、彼らをあざ笑うこと?
それとも、ヘシンを自分のものにして、彼らを無一文で放り出すこと?
でも、もし彼の復讐が成功しても、
彼は虚しさしか感じられないんじゃないかな。
本当は、ただ愛してほしかっただけの、少年なのだから。
アイス食べてます。ウォニンとの会話はいつもなごむわ~。
ソニョンの日記は見つからないし、
警察署で、ソニョンとの言い争いを目撃した男とニアミスしてるし、
ゴヌク計画のほころびは徐々に大きくなっていきそうです。
どうなるのかしら。
ってか、そもそもソヒョンとホン・テソンは、本当に偶然出会っていたんですね。
これにはびっくりした。
偶然ってあるんだな~。
なんてな、ドラマですよ、ドラマ。
ゴヌクがソヒョンのことを「ヌナ」って呼んだ時はホッとしちゃった。
ここに男女の愛情みたいなものがあったら、いくらなんでもドロドロすぎるもんね。
彼女は本当に優しくて世話好きだったみたいで、
ゴヌクもご飯を作ってもらって嬉しそうでした。
施設で一緒に暮らした彼女のしあわせを願ったら、
ヘシンへの復讐なんてあきらめられたんじゃないかしら、ゴヌクや。
出来なかったのかしら。
出来なかったのね。
う、こわい。そんな顔しないで……。
日本で、なんかぼんやりとジェインとの関係は切れたのかな~と思いきや、
「ソウルに戻った」
と、シンプルなメールが来たときは、キャー!ってなりました。
へぇ~、ゴヌクの方から連絡するんだ~とニヤニヤしてしまった。
彼はジェインに関しては、とってもマメな男ですね。
同じ階級の人間だと思うから、心を許せる。
彼女の気持ちがよくわかるから、助けてしまうし、かまってしまうんだね。
じゃ、それは愛なのか?と言われると、まだよくわからない。
最初に書いたけど、あのキスはまだ「愛」じゃない感じがする。
なんか変かもしれないけど、
ゴヌクが自分自身にしたキス、みたいな部分も感じたのよ。
うっ、でも直前の、ジェインに対する表情がすごく優しいの……。
いろいろ複雑だわ~。
まだ、彼を止めるいかりにはなり得ないジェイン。
ソヒョンですら無理だったんだから、それは難しいかもね。
ジェイン自身の気持ちはどうなのか?ってのも問題。
強引なゴヌクを無視できなくて地下まで行っちゃうくらいには彼を好きだけど、
やっぱりホン・テソンを落とそうと思ってたのよね~。
日本で、別れ際に「ゴヌガ」と何か言いたげだったじゃないですか。
あの時、ゴヌクに心惹かれたんだと確信してたんだけど、
まだ微妙なのかな。
予告映像で「あんたを落とすためだった」からのキス、だったでしょ?
あれには騙されたな。
完全にジェインの気持ちはゴヌクにいってて、
それを告白しての、キスだと思ってたから、けっこうショックでした。
あ~、ふたりは愛し合うんじゃないんだね……と。
やっぱりジェインはまだまだ野心を捨てられないんだなぁ。
大学も出て、けっこう素敵な部屋に住んでいるので、
そんなに貧乏、って感じはしなかったんだけど、
今回のエピソードはけっこうキツい。
家賃がなかなか払えなくて、生活はキツキツで、プレゼントの品を返品して現金に換える。
なんというか、卑しい感じがするじゃないですか……。
デパートの店員にも疑われちゃうっていう、屈辱的なアレなんだけど、
それでもどうしてもお金がいるんだ、っていうみじめさ。
じゃあ身の丈にあった生活をしろよ、というか、
アートコンサルタントじゃない仕事は?と思うけど、
成功するためにがんばって大学に行ったんだし、そこは譲れない。
「玉の輿狙ってキャー!」みたいなミーハーな野心じゃなくて、
「絶対に成功して金持ちになってやる」みたいな骨太の野心を感じるわ。
ああ、やっぱり最後のキスはよかったな~。
正直、テラとのあれこれはピンとこなかったの。
キスシーンは彼女の妄想だけど、全然エロティックでもなかった。
艶(つや)がない。
あれ、ワンカットで見せてくれればいいのに。
いろんなパターンやったの、切ってつなげてるから興ざめ。
妄想だってことを強調したかったのかもしれないけど……。
しかもお互いまさぐり加減が中途半端なんだよな~。
妄想の中で遠慮してどうする!
その後の「手キス」ですか?
話題になったシーンみたいですけど、そこまで乗れず。
でもテラの握られた手が左手っていう構図はいいね!
利き手でない方の不自由な手を、蹂躙されるというのはなかなかにそそられます。
ゴヌクの無表情もよかった。
龍先生のガラスの仮面、割れてしまったけど、あれでよかったと思う。
きっと手放した時点で、龍先生の気持ちは整理されていて、
過去の女性への執着を手放したんだと思うの。
だから「壊れてしまいました」って言っても、
「もう俺の手を離れたものなんだから関係ない」って笑ってくれると思う。
しかし……テソンもシン夫人もサイテーですわ。
アートに関わって欲しくないわー。
ゴヌクのキスで、ジェインは立ち直れるでしょうか?
日本から戻ったジェインは、ガラスの仮面を入手できなかった。
しかし、仮面はホン・テソンが持っている。
彼が必ず、韓国へ持って来てくれるはず。
ジェインのもとへ、ゴヌクからメールが来る。
「ソウルに戻った」
それとなく、ホン・テソンも一緒だと聞き出した。
シン夫人に大見得を切った手前、失敗は許されない。
必ず仮面を手に入れなくては……。
帰国したテソンは、その足で警察に出向いた。
ソニョンの死を再調査している刑事たちと会うためだ。
さりげなくゴヌクも同席し、事情を探る。
警察は、ソニョンがある男と口論していたことを知っている。
そしてその男が、以前ヘシンに養子にされ、その後離縁された男だと突き止めていた。
「ソニョンは俺の身分を聞いても何言わなかった。
ただ、テソンという名が好きだと言ってたな」
テソンの言葉を聞いて、ゴヌクは思い出す。
偶然だった。
彼が狙うヘシングループの御曹司ホン・テソンと、
ソニョンの恋人が同じ人間だったなんて。
それはまったくの、偶然だったのだ。
テソンはふと、ソニョンの日記について思い至った。
何でも書き記して、いつも持ち歩いていた日記はどこに?
刑事たちも、その存在を知らなかった。
テソンはゴヌクに「もうひとりのホン・テソン」について調べるよう命じた。
自分の名が好きだと言ったのは、そのテソンのせいなのか?
彼の独り言に、ソニョンを思い出すゴヌクだった。
テソンの自宅。
「ガラスの仮面のためかと思っていました。
日本から帰った理由です」
「重かったんだ。死の原因が別にあると思えば、少しは気が楽になる。
うちにある女物はすべて片付けてくれ」
「片付けるとは?」
「わからないか?全部捨てろ」
ゴヌクは淡々と問う。
「その人は……愛する女性ではなかったのですか?」
「は?」
テソンは皮肉な顔つきだ。
「愛していたなら、何かひとつくらい思い出を……」
「大きなお世話だ。普段無関心なお前が珍しいな」
「後悔なさるのでは、と思いまして」
「しない。全部捨てろ」
そう言って、テソンは出ていった。
彼の行き先は、ソニョンの墓地。
「ソニョン、俺のせいじゃないって本当か?
どうして、うれしいのかな……」
ゴヌクは、姉と慕った女性の遺品を片付けている。
彼女は、計画を知って自分を止めた。
愛しているから。ホン・テソンを愛しているから、と。
しかし、簡単にゴミ箱に捨てられるような思い出を、愛と呼べるのか?
ゴヌクは声を殺して泣いた。
テソンも、ソニョンの遺影の前で泣いている。
「本当はわかってる。全部俺のせいだ。
でもソニョン、もしお前の死にあいつがかかわっていたらただじゃおかない」
姉さん、ごめん。
俺はやめない。
ヘシングループ。彼らが犯した罪の重さを思い知らせてやる。
すべてが終わったあと、俺も罰を受けるよ。見守ってくれ。
ジェインはゴヌクに電話をかけ、彼がテソンと一緒に自宅へ行くことを知った。
慌ててドレスアップして、自宅へ向かう。
シン夫人がプレゼントしてくれた洋服だ。
実のところ、デパートに返品して現金に換えようと思っていたのだが。
しかしゴヌクは、ひとりでホン家を訪れていた。
会長に招き入れられ、邸宅へ入っていく。
かつては、お坊ちゃまと呼ばれ、共に暮らした家へ。
テソンを連れ帰ったゴヌクの手腕に会長はご満悦だ。
「ご子息に仕事を任せられては?」
談笑している最中に、シン夫人が帰宅した。
自宅に上がり込んでいるゴヌクを見て、不愉快になるシン夫人。
夫人と一緒にジェインも入ってきたが、声はかけなかった。
出ていくように夫人に言われ、ゴヌクは玄関に向かった。
ジェインは後を追い、「ホン・テソンはどこ?一緒じゃないの?」ときいた。
ふっと笑って、ゴヌクは彼女の方に手を置いた。
「ジェインさん?」
シン夫人に呼ばれて、仕方なくジェインは居間へ戻っていく。
ゴヌクは、庭の離れに足を向けた。
二階の引き出しに、箱が入っていたはずだ。
幼い頃、ここへきてこっそり食べていたっけ。
花模様の丸い箱が、まだそこにあった。
中に入っていたキャラメルを口にして、ゴヌクは涙を流す。
「おいしい……」
その姿を、当時からこの屋敷に仕えていたメイド長が見ていた。
箱の中のキャラメルは、寂しがるテソンを慰めるために
こっそり与えたふたりだけの秘密のはずだった。
「あの……なぜそれを……」
驚いたゴヌクは、とっさに涙を拭き、謝った。
「すみません、箱が目についたもので」
「もしかして……いえ、いいんです」
彼女はそれ以上、追求しなかった。
「昔ここにいた子どものことをご存じですか。
ホン・テソン氏が、調査をご希望です」
「なぜお坊ちゃまが?」
「さあ、何かご存じですか?」
「いいえ、存じません」
メイド長はきっぱりと答えた。
あてがはずれたジェインは、ため息をついてホン家をでた。
「あ~あ、ガラスの仮面、どうしよう……」
と、そこにゴヌクが座って待っている。
「いたの?わたしを待ってたの?」
ゴヌクはバイクの後ろに乗るように、強引にジェインを誘う。
家の近くまで送ってもらい、ふたりで階段に腰掛けて話をした。
「なんであの家にいたの?お茶までごちそうになって」
「ちょっと、モネのことで」
「あ~、そうか」
「豪邸だろ?」
ジェインも初めて行ったときはびっくりした。
こんなところに住む人がいるんだと。
「大袈裟だよ。たいしたことない」
「へー、あんたの家も豪邸なの?」
「うん」
「嘘つき」
「他人のふりしてくれて助かった」
「お互い様よ。わたしたち何してるんだろ。おかしいわね」
ゴヌクは、帰国したテソンにあわせてやろうか、と提案する。
「正直彼のことはどうでもいいの。問題はガラスの仮面よ」
直接会って頼んでもいいが、おそらく逆効果だろう。
彼は、母親を困らせたいだけなのだから。
「俺より、テソンに詳しいね」
「そうかな?
ほんとだ。あんたのこと知らないわ。話してよ」
ゴヌクはちょっと困った顔で言う。
「俺?
……何が知りたい?」
「そうね、親は何している人なのか、夢は何か、どんな人なのか」
ゴヌクは手をこすりあわせた。
「本当に知りたい?」
ジェインは黙ったまま、彼の目をまっすぐ見つめている。
「どうでもいいだろ。獲物のホン・テソンだけ見ていろよ」
「何よ、またそんな言い方して。帰るわ」
ジェインはへそを曲げて立ち上がった。
クスッと笑ってしまうゴヌク。
「ガラスの仮面は?」
「必要だって言ってるでしょ」
ジェインは階段を登っていった。
ひとりになったゴヌクはつぶやく。
「俺の夢だと?」
テソンはゴヌクを伴って会社へ行った。
会長室にテラとシン夫人も同席している。
「テソン、お前もヘシンに入れ」
夫の言葉に、声を荒げて反対するシン夫人。
テソンの悪行、自堕落な正確をあげつらい、罵倒する。
怒りはゴヌクにも飛び火して、「部外者は席を外してよ!」と怒鳴られた。
母親への反抗心からか、会社に入ることを了承したテソン。
彼は建設部門のロボットテーマパークを、テラはデパートを任されることになった。
ゴヌクは、秘書室長に目をとめた。
わざとではなかったが、幼い彼を突き飛ばし、背中に傷を負わせた人だ。
追い出された子どもについて、情報が欲しいと彼に伝えた。
「資料を探しておきましょう。
シム・ゴヌクさん、あなたの過去の資料がないのはなぜですか?」
ゴヌクはニヤリと笑った。
エレベーターを待つゴヌク。
ちょうどテラも、ホールにやってきた。
ふたりだけの密室の中、テラはゴヌクとのキスを妄想してしまう。
首をふったテラは、手に持ったスカーフを取り落とし、
ゴヌクは拾ってやろうと手を伸ばした。
ふたりが同時にスカーフをつかみ、ゴヌクは離さない。
ちょうど開いたエレベーターに大勢の人が乗り込んできた。
テラへ挨拶するものもいる。
並んで壁に押しつけられたテラとゴヌク。
ゴヌクは、黙ってテラの手を探った。
あらがうテラの手が、ゴヌクの指に絡め取られた。
ギャラリーのジェインは、ガラスの仮面が手に入らなくて困っている。
仕方なくゴヌクを頼って電話をかけた。
「ねえ、ホン・テソンどこにいるかな」
「今会社にいる」
ジェインはあわててドレスアップして、会社へ急いだ。
ヘシンではゴヌクが待っていて、ロビーでジェインを迎えてくれた。
「彼はどこ?」
「ん、飯でも食いに行かないか?」
「ああ、お店で待ってるの?教えてくれたらひとりで行くわ」
「うん、いや、あいつは帰った」
期待してやってきたジェインは、怒りを隠せない。
「どうしても仮面が必要だから会わせてって言ったのにふざけないでよ!」
「そんなに大事ならなぜ仮面を置いてきたんだ。盗んででも持ってくるべきだった」
「どうしてか本気でわからない?」
「仮面を持って韓国に……いや、やつが届けてくれると期待してたのか?」
「そうよ。わかっててからかうのね!
いいわよ、自分でなんとかする。あんたの助けは借りないわ」
ジェインが意気消沈してトイレで着替えていると、
ゴヌクから電話がかかってきた。
ドライブするから駐車場に来いというのだ。
怒りながらも、ゴヌクを捜しに来たジェインは、偶然テソンと出会う。
ゴヌクがチャンスをくれたのだ。
ジェインは、仮面を売ってくれるよう、テソンに頼む。
しかしテソンはつれない態度だ。
彼女を困らせて、楽しんでいる。
「ひとつ聞くけど、なんで置いていったの?
もしかして、俺が返すと期待した?」
「いいえ、正統な値段で買いたかったの。いくらで売ってくれる?」
ジェインは必死で、なりふり構わない。
「金はいいや。それより、デートとか」
「え?」
心底軽蔑したようなジェインの表情に、「冗談だよ」とうそぶくテソン。
「もし気が変わったら連絡して」
ジェインは名刺を置いて席を立った。
「待って。すぐに送るよ」
180度変わったテソンの態度に、ホッとするジェイン。
「ほんとにありがとう!」
テソンも彼女の笑顔を見て、笑った。
ジェインは、シン夫人にプレゼントされた洋服を、
半ば強引に返品して現金に換えた。
VIP用のプレゼント商品だから、売り場で売ることはないのだが……と
いぶかる店員の視線を避けるようにして、そそくさとその場を立ち去った。
ゴヌクは近所の商店で偶然ウォニンと会った。
「あ!おじさん、お金!」
このまえのおつりを渡してやり、アイスも奢ってやる。
「おじさん、今日はお金あるんだね」
ウォニンもニコニコだ。
ゴヌクは、彼女に日本のお土産を渡した。
「うぉ?!ふたりとも趣味がそっくりなんだね」
ウォニンの携帯に、そっくり同じ人形がくっついている。
姉のジェインが買ってきてくれた日本土産だ。
「お?どこで手に入れたんだ?」
不思議な偶然にウォニンはにんまり。
ジェインも仮面を譲ってもらえることになり、
ホッとしてゴヌクにメールした。
「今度からかったら承知しないわよ!」
ゴヌクもメールを読んで、にっこりと笑った。
ギャラリーに届いた、テソンからの荷物。
ジェインはさっそくシン夫人に手渡す。
しかし、中には仮面はなく、ふざけたテソンの写真だけが入っていた。
激怒して、ジェインを怒鳴りつけるシン夫人。
いたたまれないジェインの前に、ガラスの仮面を手にしたテソンが現れた。
「それをわたしなさい!」
「どうしよっかな。俺のものだ。好きにするさ」
ニヤニヤしている息子に、シン夫人が罵詈雑言を浴びせる。
「俺のもの?そんなものがあなたにあるの?
女でもなんでも、手に入れたらめちゃくちゃに壊してしまうくせに!
あなたのまわりに何が残ったって言うの!壊したければ好きにするがいいわ!」
母のトゲのある言葉に、テソンの顔色が変わる。
「そうするよ。女でもなんでも、壊してしまう人間だからな」
テソンは仮面を壁に投げつけて、粉々に砕いた。
ジェインはたまらず、テソンに手を上げる。
その手は彼につかまれて宙に浮いたが、怒りがおさまらない。
「龍先生の作品になんてことするの!
あなたがどんなに偉くても、こんなことする権利はないわ」
そのジェインを、シン夫人が平手で打った。
「身分をわきまえなさい!あなたごときが、わたしの息子に手をあげるだなんて。
許されるとでも思ってるの?あんな仮面、また買えばいいのよ。
あなた何様のつもり?出てお行き!」
中の様子をうかがっていたゴヌクは、出てきたジェインと鉢合わせした。
彼女の表情を見て、慌てて後を追う。
「ジェイン」
「離して。ひとりになりたいの」
彼女を、行かせるしかなかった。
「なぜ急に母親面を?感動的だな。さっきの言葉、本心?」
テソンは母に尋ねる。
「勘違いしないで。いまさらそんな気はないわ。
彼女に思い知らせたかっただけ。ヘシンに、すなわちわたしをバカにするとどうなるかってね。
身の程をわきまえない人間は許さない主義なの」
「ああ、いっそ答えないでくれたらよかったのに。
やっぱり母親だ、少しは俺を愛してくれているんだと、信じられたのに」
テソンはそう言うと部屋を出て行き、ひとり車の中で涙を流した。
どれだけ時間がたったのだろうか?街は夜の装いだ。
フラフラと車道に出て行くジェインを慌ててゴヌクが引き寄せる。
「俺が、ホン・テソンになる。
あいつだと思って、怒ればいい。前にもやったみたいに、ぶつければいい。
本物のテソンには何も言えないだろ?やれよ」
「ホン・テソン、あんた、あんたのためだった。
あんたを帰国させるためだった。そしてあんたを落とそうと思った。
でもこのざまよ。仮面は割れて、オーナーの信頼も失った。
高嶺の花に手を出すとどうなるか思い知ったわ」
ジェインは、とうとう泣き出してしまった。
ゴヌクは、自分も涙を流しながら、ジェインの顔をそっと包んでやる。
そして、そっとキスをした。
その様子を、偶然テソンが見ていた。
(つづく)
ギャー!なにこれ!
今回全編ゴヌクのターンか!
彼、アイドルじゃないのよ、俳優さんなのよ、
それをわかってて言うけど、ビジュアル神回ーーーーー!
わたしの秘蔵写真館がすごいことになってるんですけど。
なぜこの回だけで20枚もキャプチャがあるのかしら?
しかもラスト、
男優メインのキスシーンってどーゆーこと?
泣きじゃくるジェインもかわいいのに、丸無視のカメラ。
オマケか。この場合、ジェインは枕でもいいかのごとくの扱いか。
まぁそれは言い過ぎだけどね。
「身分が違う」とか言われて、人間扱いされなかったジェインに、
かつての自分を重ねてしまったゴヌクなんだものね。
しかも今だって、ゴヌクは虫けら同然の扱い。
同病相憐れむというか、ゴヌクはジェインの傷をなめてやったのよねぇ~。
なんだかこのキスは、すごくセルフィッシュな感じもして、
同時にこれまで積もりに積もったジェインへの愛情も感じられて、
哀しくて、優しいキスってかんじだった。
そしてすごく寂しい感じもするのだわ。
そんなキスを見てキョドッてるテソンはしっかりしろよ、まったくよう。
お前はほんとにろくでなしのあまちゃん野郎だぜ。
ジェインがあんな風にお母さんに罵倒されてんのに!
お前が気にするのは「自分が母親に愛されてるかどうか」だけなんか!
愛されてるわけないだろ!
いい加減気付かないのか!
想像力の欠如か!
自分の夫がよそに作った子なんて、あのプライドの高いおばはんが
愛することなんてあるわけないだろうが!
もうほんとにこの子ったら幼稚園児並みの甘えっぷり。
泣くな~!(怒)
ソニョンのことが、ちーとも教訓になってない。
お前は彼女を遠ざけて守ったつもりだったのかもしれないが、
継母に愛されたい自分を守っていただけなんだよ!
彼女よりお母さんから愛されたくて、ソニョンにひどいこと言ったんだよ。
そんなつもりじゃなかった、っていうけど、
結局自立できないお子ちゃまだから、壊してしまったんだよ!
シン夫人ひどいけど、わりと図星なんだってば!
ほんとにハラ立つわ~。
ソニョンのことは、本当に好きで、大事に思っていて、
自分でもそのことをはっきり自覚していなかったみたいですけど、自業自得ですよ。
見なさい!ゴヌクのこの顔を。
ジェインのただならぬ表情を見て、即座に彼女を追いかけていくんですよ~。
うわーん、かっこいい!
たいがいゴヌクも泣き虫で困っちゃうんですけどね。
ちょっとしたことですぐ目が赤くなっちゃうから……。
でもあの秘密のキャラメル食べたときは、泣いても仕方ないわね。
寂しがる自分に、優しくしてくれたメイド長さん。
女性なんでメイド長としましたが、執事的役割の人みたい。
日本でいう刀自(とじ)ですね。ウン刀自としておくか。
あの人、お口もぐもぐしながら離れに入ってきてたでしょ?
きっと今でもこっそりあそこにキャラメル隠してて、食べに来てる気がする。
ウン刀自は、たぶんゴヌクの正体をうすうす気付いたと思う。
だって、ごまかしようがないでしょ、あんな現行犯は。
このゴヌクの復讐劇で思うのは、
彼のアンビバレンツな感情についてです。
彼は、自分の人生を狂わせ、結果的に両親を殺したヘシンを憎んでいる。
金持ちたちの、他人を見下す不遜な態度を許せない。
自分を踏みつけにした奴らに、復讐したいと思っている。
と同時に、
なぜか「あの頃」を懐かしく思い出すシーンがあるんですよね。
このキャラメルのシーンもそうだし、
成人して初めて会長に会う時もそうでした。
わたしには、「なぜ僕を愛してくれなかったの?」と、
彼が叫んでいるように見える。
いびつな形で始まった家族の生活でしたが、
子どものゴヌクはやはりそこで、誰かに愛してほしかった。
新しい家族に、愛してほしかったのではないでしょうか?
彼の「憎しみ」は、「愛」の裏返しのような印象を受けます。
「奪われた愛」を取り戻す行為が、彼の復讐なのかもしれない。
モネ、テラを誘惑し、会長に手腕を認められていくゴヌクを見て、そう思いました。
彼らに愛され、再びテソンの一員となることが、彼の望みなのかしら……。
そして最後に自分の正体をバラして、彼らをあざ笑うこと?
それとも、ヘシンを自分のものにして、彼らを無一文で放り出すこと?
でも、もし彼の復讐が成功しても、
彼は虚しさしか感じられないんじゃないかな。
本当は、ただ愛してほしかっただけの、少年なのだから。
アイス食べてます。ウォニンとの会話はいつもなごむわ~。
ソニョンの日記は見つからないし、
警察署で、ソニョンとの言い争いを目撃した男とニアミスしてるし、
ゴヌク計画のほころびは徐々に大きくなっていきそうです。
どうなるのかしら。
ってか、そもそもソヒョンとホン・テソンは、本当に偶然出会っていたんですね。
これにはびっくりした。
偶然ってあるんだな~。
なんてな、ドラマですよ、ドラマ。
ゴヌクがソヒョンのことを「ヌナ」って呼んだ時はホッとしちゃった。
ここに男女の愛情みたいなものがあったら、いくらなんでもドロドロすぎるもんね。
彼女は本当に優しくて世話好きだったみたいで、
ゴヌクもご飯を作ってもらって嬉しそうでした。
施設で一緒に暮らした彼女のしあわせを願ったら、
ヘシンへの復讐なんてあきらめられたんじゃないかしら、ゴヌクや。
出来なかったのかしら。
出来なかったのね。
う、こわい。そんな顔しないで……。
日本で、なんかぼんやりとジェインとの関係は切れたのかな~と思いきや、
「ソウルに戻った」
と、シンプルなメールが来たときは、キャー!ってなりました。
へぇ~、ゴヌクの方から連絡するんだ~とニヤニヤしてしまった。
彼はジェインに関しては、とってもマメな男ですね。
同じ階級の人間だと思うから、心を許せる。
彼女の気持ちがよくわかるから、助けてしまうし、かまってしまうんだね。
じゃ、それは愛なのか?と言われると、まだよくわからない。
最初に書いたけど、あのキスはまだ「愛」じゃない感じがする。
なんか変かもしれないけど、
ゴヌクが自分自身にしたキス、みたいな部分も感じたのよ。
うっ、でも直前の、ジェインに対する表情がすごく優しいの……。
いろいろ複雑だわ~。
まだ、彼を止めるいかりにはなり得ないジェイン。
ソヒョンですら無理だったんだから、それは難しいかもね。
ジェイン自身の気持ちはどうなのか?ってのも問題。
強引なゴヌクを無視できなくて地下まで行っちゃうくらいには彼を好きだけど、
やっぱりホン・テソンを落とそうと思ってたのよね~。
日本で、別れ際に「ゴヌガ」と何か言いたげだったじゃないですか。
あの時、ゴヌクに心惹かれたんだと確信してたんだけど、
まだ微妙なのかな。
予告映像で「あんたを落とすためだった」からのキス、だったでしょ?
あれには騙されたな。
完全にジェインの気持ちはゴヌクにいってて、
それを告白しての、キスだと思ってたから、けっこうショックでした。
あ~、ふたりは愛し合うんじゃないんだね……と。
やっぱりジェインはまだまだ野心を捨てられないんだなぁ。
大学も出て、けっこう素敵な部屋に住んでいるので、
そんなに貧乏、って感じはしなかったんだけど、
今回のエピソードはけっこうキツい。
家賃がなかなか払えなくて、生活はキツキツで、プレゼントの品を返品して現金に換える。
なんというか、卑しい感じがするじゃないですか……。
デパートの店員にも疑われちゃうっていう、屈辱的なアレなんだけど、
それでもどうしてもお金がいるんだ、っていうみじめさ。
じゃあ身の丈にあった生活をしろよ、というか、
アートコンサルタントじゃない仕事は?と思うけど、
成功するためにがんばって大学に行ったんだし、そこは譲れない。
「玉の輿狙ってキャー!」みたいなミーハーな野心じゃなくて、
「絶対に成功して金持ちになってやる」みたいな骨太の野心を感じるわ。
ああ、やっぱり最後のキスはよかったな~。
正直、テラとのあれこれはピンとこなかったの。
キスシーンは彼女の妄想だけど、全然エロティックでもなかった。
艶(つや)がない。
あれ、ワンカットで見せてくれればいいのに。
いろんなパターンやったの、切ってつなげてるから興ざめ。
妄想だってことを強調したかったのかもしれないけど……。
しかもお互いまさぐり加減が中途半端なんだよな~。
妄想の中で遠慮してどうする!
その後の「手キス」ですか?
話題になったシーンみたいですけど、そこまで乗れず。
でもテラの握られた手が左手っていう構図はいいね!
利き手でない方の不自由な手を、蹂躙されるというのはなかなかにそそられます。
ゴヌクの無表情もよかった。
龍先生のガラスの仮面、割れてしまったけど、あれでよかったと思う。
きっと手放した時点で、龍先生の気持ちは整理されていて、
過去の女性への執着を手放したんだと思うの。
だから「壊れてしまいました」って言っても、
「もう俺の手を離れたものなんだから関係ない」って笑ってくれると思う。
しかし……テソンもシン夫人もサイテーですわ。
アートに関わって欲しくないわー。
ゴヌクのキスで、ジェインは立ち直れるでしょうか?
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