神のクイズ case７ and ８

CASE ７　「紙人形」

ひとりの男が、交通事故で死んだ。
多額の保険金の受け取りは、幼馴染の女性。
だが、彼女は人妻だった。
自殺を疑い、調査に乗り出す保険会社の調査員。
男の死の真相は……？

今回は、少しづつ仲良くなっている
ジヌくんとカン刑事へのカンフル剤なのか、
とぼけた顔した保険調査員が登場します。
捜査の途中で多少のいざこざがないと、面白くないもんね。

事故死を装った自殺なんじゃないか、と疑われたことで、
しっかり解剖して事故調査する理由もできました。
確かに低速の車にはねられただけで、あの大けがは不思議だもんね。
轢いてしまった運転手の人だって疑われてかわいそうだしさ。

解剖の場面では、ジヌくん、絶対お手伝いしません。
見てるだけ。
でもしっかり観察して、気になることを発見するのよね。
他の医務官なら見逃しちゃうところをしっかり検査してもらう。
確かに天才です。
てか、天才設定じゃなきゃ納得できん！

死亡した男キム・ソンギュは、エーラス・ダンロス症候群だった。
破れやすい皮膚、もろくなった骨、心臓の異常。
常人にはなんということもない衝撃が、命取りになる。
しかも、彼は事故の前にすでに怪我を負っていた。

暴行を加えたのは、幼馴染ジュヒョンの夫だった。
彼は、殺人未遂と暴行で実刑をうける可能性がある。
ソンギュの目的は、ジュヒョンを夫の暴力から解放してやることだった。
愛する女性を救うために、自らを犠牲にして……。

んー、夫が妙に人格者で寛容なあたりが怪しかったよねー。
奥さんは不幸そうだし、絶対暴力ふるってる夫だと思ったわ。
そういうところがありがちな感じはするんだけど、
少しづつ事実が明らかになる過程がうまかったので、
最後までふむふむと観ました。

暴行の証拠映像が出てくるタイミングとかさ。
あ～、あの車壊されて怒ってたおじさんが大事だったのかーとか、
あ～、ジヌくんが聞いたCDの演奏から病気のことがピンときたのかーとか、
後からなるほど～と思うシーンもあって、面白かったです。

ジュヒョンが借りた「若きウェルテルの悩み」は、
人妻に恋した青年が自殺しちゃうという内容なのよね。
この人妻ってのもあれで、ウェルテルがこれで自殺しちゃうだろうなーと
わかっていながら、拳銃を渡しちゃうのだ。
うがった見方をすれば、ジュヒョンだって、
ソンギュが死んじゃうだろうってあの手紙読んだ時点で
気付いてたけど、何にもしなかった、とも言えるのよね。
お金を援助してくれた恩義とか、暴力への恐怖で何もできなかった
哀しい女性ではあるわけだけれども。

平均寿命50年で、ソンギュは30歳でしょ。
気をつければあと20年は一緒にいられるわけで、
切羽詰まった愛のために死に急いじゃった気もするわ。
ジュヒョンは可哀そうだけど、本人も自覚したように、バカだったね……。

病気そのものよりも、人間の感情を描こうとする話は
ちょっと陳腐なような気もした。
CASE1の物足りなさにも似た感じがしたな。
でも最後、教授が愛について話すところは結構じんときた。
ジヌくんは特に人間の感情について疎い、というわけじゃないだろうけど、
まだ若いから、人生の先輩とおしゃべりしに行きたくなるんでしょうね。
医者は病気をみるんじゃない、人をみなくては……って誰が言ったんだっけ？
教授が言ってたっけ？

と、しんみり考えていたら、
ジヌくんのお部屋に取り付けられていた隠しカメラが発覚！
誰が？何のために？

カムジャタン食べたい！

特に脈絡なく、叫んでみました。おなかすいた。

「大切なのは真実です」と言ってた保険調査員のおじさんが、
結局証拠を握りつぶしてくれたのがうれしかった。

CASE ８　「最後のプレゼント」

映画館で、若い女性が急死した。
解剖して検査を重ねるが、死因が特定できない。
彼女の母親と主治医は、何かを隠しているようだ。
感情に乏しく、笑わず、泣かず、ひとりぼっちだった彼女に
一体何が起こったのか？

隠しカメラが見つかったことで、ジヌくんずいぶん動揺していますね。
しかし、彼がぼんやりしていても、チームはうまくやっています。
ジヌくんが指導？していた効果が出てきてて、
みなさんのレベルも意識も自然に向上してきているようですねー。

亡くなった女性は、RAS（反射性無酸素発作症）患者だった。
不特定の刺激により脳に血が届かない病気。
感情の刺激によりショックが起こってしまうのだ。
母親と医師は、世間から好奇の目で見られることに耐えられず、
死後も彼女の尊厳を守るために病気を隠していた。

感情を殺して生きてきたシウンは、死の直前、笑っていた。
恋人からのメールにほほえみ、
こみあげてくる喜びと笑いを押し殺すことができなかった。
すべての感情を殺して生きることを教えた母からの最期の贈物は、
彼女の恋を許すことだった。
たとえそのために、命を落とすことがわかっていたとしても。

お母さんとおじさんの医者のかたくなな態度が、
視聴者の疑惑をいや増しますね。
悪人ではないような気もしましたが、
何かを隠している……となんか疑ってしまいましたよ。

「泣くことも笑うこともできなくて、生きていけるの？」
普通の人ならそう思うだろうね。
でも、それでも、娘を人形のようにしてでも、
生きていてほしい、と願うのが親の心ですよ……。
そしてお母さんが心を鬼にして、娘を育ててきたおかげで、
彼女は最後に恋の喜びや、苦しみを味わうことができたのよ。

お母さんの涙の告白、すごく胸にくるものがあったわ。
そして娘の病気を隠していたことにも、本当に説得力があったわ。

「知らなければ、理解できません」
お母さんの激しい人間不信というか、世間の人々への怒りを見て、
ショックをうけたようなジヌくんの表情が印象的でした。
ジヌくんのような、カン刑事のような心ある人ならそうでしょうけど、
世の中の現実は厳しいよね。

最近報告された希少疾患だということだけど、
最近って何年くらいのスパン？
シウンは幼少期に発作を起こしたりしたけど、
そのころには知られていなかった病気だから保険もきかなかったのかな？
本人は自分の病気のこと、わかっていたのかな？
笑ったり泣いたりしたら死んじゃうって知ってたかな？
なんか詳しいことは、お母さんが教えてなかったんじゃないか、という
気がしました。
ただ、お母さんがそういうから、自分を愛してくれているお母さんが
必死でそう教えたから、それを守って生きてきたんじゃないかな……。

あの無愛想な女の子を好きになってくれた彼氏には
教えといたほうがよかったのにね。
そしたらいくらなんでもコメディ映画には誘わなかったんじゃ……。
でも、それまで笑うのを我慢してたのに、
彼氏からのメールに思わず微笑んでしまって、
感情を抑えきれなくなってしまったシウン。
幸せな気持ちの絶頂で亡くなったということなのね……。

タイトルが「最後のプレゼント」だったので、
彼女がかかえていた彼氏への誕生日プレゼントのエピソードが
あるのかな、と思ったら、お母さんから娘への贈物、ということでした。

これまでの回にはなかった、希少疾患の患者さんへの
まなざしや、社会に対するメッセージがはっきり描かれた回でしたね。
最後の教授の言葉にさびしくなっちゃった。

「自分や家族が病気になるかもしれないのに、
なぜ関心がないんでしょう？」
「希少疾患じゃなく、人間に興味がないのさ」

そうなのかなぁ……。だとしたら、さびしい社会だよね……。

日本でも、難病指定されていない病気もたくさんあるし、
認可されていない薬もたくさんある。
国ごとのレベルじゃなくて、世界で統一された基準で
指定したり、認可したり、とかはできないのかなー。

このドラマを観た人は、ある意味「知った」わけだけど、
希少疾患の患者さんを理解できるかな。
あるいは、理解しよう、何かしようと思うことができるかな。
そう問いかけられたような気がするね。
かといって、説教臭くないところが好きだな、このドラマ。

ハン・ジヌの部屋に仕掛けられた隠しカメラは、
警備員の手によるものだった。
指紋から簡単に割り出された犯人と接触しようとしたジヌだが、
相手は30分前に自動車事故で死んでいた。

疲れている様子のジヌを心配してやってきたユンジョンの前で
彼は突然倒れ、心停止状態に陥る。
大きな秘密を隠している彼に、何者かがまたメッセージを
送りつけてきた。
そこには、突然の発作で死に至る警備員の様子が記録されていた……。

そうそう、病気のこととは別に、
あと２回にせまったシーズン１の終わりを飾るべく、ジヌくんの秘密が
たいへんなことになっております。
あの指紋がひょいっと出てきたということは、
わざとわかるように指紋を残させたということですよね？
タナトスの絵を送りつけてきた人だというのは絶対ですが、
それが最後に自首すると言って警察にあらわれた彼なのでしょうね。
予告でも大変なことになってたし。

送りつけられた映像を見ているジヌくんの眼球が
キロキロッキロキロキロッて細かく動いてて、
どーやったらあんな風に演技できるんだろ、と思いました。
あちこち見るだけで眼球あんな風に動く？

毒が減ってちょっと影が薄くなってるカン刑事ですが、
ツナの海苔巻きは生臭いから好きじゃない、とわがままいうとことか、
自分が美人なのは事実なんだからしょうがない、というとことか、
彼女らしいエピソードでよかったです。
この人、対人関係においては、自分だって相当の変人ですけど
自覚ないよね？！

シーズン１はあと２回。
ジヌくんの秘密をなんとか知りたい……。
彼も原因不明の頭痛や発作に悩まされている様子。
てんかんについては専門だったりするところがあやしい。
やっぱり自分の病気がなんなのか知りたくて、
医者になり、希少疾患センターを希望した、というのが妥当なんでしょうね。