昨日のレナウン民事再生申請のニュースは個人的に衝撃を受けた。
アパレル大手のレナウンは15日、東京地裁から民事再生手続き開始の決定を受けたと発表した。ブランド力の低下や、親会社グループからの資金回収の遅れで、前期まですでに2期連続の赤字となっていた。新型コロナウイルスの感染拡大による営業休止によって、衣料品の販売が急減して資金繰りに行き詰まった。感染拡大以降、国内の上場会社が法的整理手続きに入るのは初めて。負債総額は約138億円。
2020年5月15日 日本経済新聞より
長きにわたっての販売不振。
親会社の山東如意グループとの関係悪化並びに
売掛金回収の滞りで巨額の貸倒引当金の計上。
なるほど、もう少し掘り下げて私なりに原因が追究できないかと
思い有価証券報告書をのぞいてみた。
すると興味深いキーワードを見つけた。
「財務制限条項」
これは金融機関が企業に 融資 する際に付与される条件のひとつで、
経常利益 など融資先企業の経営状態を示す指標を設け、一定の基準
を下回った場合(例えば2期連続営業赤字あるいは純資産が前期比75%
下らないなど)に、企業は 期限の利益 を失い、即座に受けた融資金額
を一括で返済しなければならない条件のこと。
財務制限条項で銀行から借入を行っているレナウンは2期連続の営業
赤字を出しており各行から一括返済が迫られていた。
赤字でキャッシュは生み出せない、主要債権先の回収が滞り、
最終的に金融機関に息の根を止められた感がある。
貸借対照表の負債項目を見ても
資金が必要なのに借入は減って
いる。既に警戒されていたのが
ここでも分かる。
したがって今回の倒産は新型コロナは直接要因ではない。
同社に限らずアパレル業界はまだまだ荒れている・・・。
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