建設現場でのISOを振り返れば…。
自分の会社専用の品質管理マニュアルを作ったものを認定機関が審査する
のだから、建設会社によって骨子は同じとしても申請文書内容は全く違う
のだから、ISOの取得の内容濃度もバラツキがあるまま認定されており、
建物機能の品質は誰も判断出来かねるのだ。
つまり、ISOを必死に現場でやっていても、コンクリートのヒビから
雨水の侵入を防ぐ事すら考える必要もなくて、自社の都合による監理状
況を文書化しただけで、どこに品質保証が出来ると言えるのか。
「雨が漏らない事を保証出来ます」
と言うならば建設業界への品質保証と思えるが、認定機関は技術力の保証
はしない、との一言で品質保証の定義を論じ終わる。
世界で使うもの、例えば建設重機などはどの国でも性能を考慮して、
品質保証システムの基準で工場にて製品を創るから、国際基準の評価と
して工場に対しISO認証取得の御墨付きがあっても当然である。
くどいようだが、重機の能力品質が保証されているのではなくて、その
工場の書類監理システムがISO認証なのである。
本社工場が取得しただけで、各支店まで共通に認証されたのではありません。
日本にて、しかも建設業に於いて、小さな現場事務所に於いて品質保証
マニュアル通りに品質を監理するよりも、建築協会の《施工監理指針》
通りの完成品にて《品質確保の保証》と言えるものだと私には思える。
「ISOは品質システムの規格内容を重んじ、品質そのものが良質のも
のであると認定するものではない」と私なら結論付ける。
そうなるとISOの認証を取得した会社は優れた品質で《建物を創る》
と言うのは間違いである。
建設工事の工事事務所毎にISO認定申請が基本であろうが、
申請から認証まで2年間は必要であるから、建設現場ごとに申請は
まず出来ません。
その代わりに本店・支店にISO品質監理部を設置して、管轄工事事務
所総てにISOを行き届かせるのであるが、工期のない突貫の現場や現
場事務所の設置も困難な狭い場所での工事現場にまで、稼動現場を漏ら
さずに一定のマニュアル遵守を求められるのがISO認証取得の宿命で
ある。
日本で《最初のISO認証取得ゼネコン》との栄誉を頂いた会社には敬
意を表しますが、現実を考慮すれば建設現場にISOを導入出来ても、
成果は出るのだろうか?
ゼネコンの看板にISO認定取得を世間に誇示しながら、
現場の監理がおろそかになって見えなくなるコンクリートの中の
鉄筋の太さや本数を間違えたスーパーゼネコンの会社でさえ
ISO認証を即刻、取り消しにはなっていない。
建物を築く上での品質審査ではなくて、書類記載内容を整備出来れば
それがISO国際的なもので、認証合格であるという事ならば…。
建設業界にてISO認定取得を競い、最良の建設技術力が整備されたか
の如くに世間に御墨付き的な公表をするのは、如何なものでしょうか。
建設業界の中ではISOがもたらした結果が明確でないから、やっても
無駄とは言わないが、マニュアル通りに創れる『設計図』も必要ではな
かろうか?
設計図通りに創るのが施工者の使命であり、その通りに創ればいい
だけなのに、何をもって品質認証のシステムが必要になるのか今一歩、
分からない。
私は建設業のISOに対して、反対している訳ではありませんから、成果
をあげている会社があれば、学習に伺おうと準備しているからである。
《続く》・・・コメント待ってるからね~