読書録「放浪の聖画家ピロスマニ」5
著者 はらだたけひで
出版 集英社
p51より引用
“ピロスマニはたったひとつの行為、絵を描
くために生きたのだ。絵を描くためになら、
どんなに辛い仕事も断ることはなかった。
「卑しい仕事を避けて、どうして崇高な仕事
に近付くことができるのか」と語っていたと
いう。”
目次から抜粋引用
“比類なきグルジア
街がギャラリー
ピロスマニとイコン
多様な信仰の世界
永遠なるグルジア”
絵本作家である著者による、数多くの作品
を書いたと言われる「ニコ・ピロスマニ」の
作品と生涯を紹介する一冊。
彼の母国グルジアについてから個々の絵の
解説まで、著者のピロスマニへの思いの丈が
伝わってきます。
上記の引用は、ピロスマニの生い立ちにつ
いて書かれた章での一節。
面倒事を面倒くさいからといって避けてばか
りいては、いつまでも変わらないのかも知れ
ませんね。
かのピカソが、「私の絵をグルジアに飾る
必要はない。なぜならピロスマニがいるから
だ」と言ったとのこと。天才は天才を評価し
ていたのですね。
どの作品を見ても、じんわりとにじみ出る
味わいがあるものばかりです。
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