札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

札幌市南区の建築探訪② 111-陸上自衛隊第11師団真駒内駐屯地就職援護センター・サイロ 112-有島武郎旧邸 113-ふせ食堂

2021-03-04 00:10:39 | 札幌市南区

 

「陸上自衛隊第11師団真駒内駐屯地就職援護センター・サイロ」 旧真駒内種畜場牛舎・サイロ 
       
 
所在地 南区真駒内17
建築年 昭和12(1937)年
指定等 
開館時 1週間前までの申し込みで9:00~16:00
休館日 土、日、祝日等
入館料 無料
 
<見学の申し込みは>

個人で見学ご希望の方週間前までに真駒内駐屯地業務隊司令職務室広報担当お電話ください。
その後下記リンク先「史料館見学申込書」を記入の上、郵送又はFAXでお申し込みください。(HPをご覧ください)

 

 

自衛隊真駒内駐屯地は一部の施設は常時見学が出来るのです
上記の申し込みも以前は2週間以上前の申し込みだったけど1週間前になったんですね
 
まず、駐屯地の歴史ですがこれが中々興味深い
前回のエドウィンダン記念館で触れていますが、ここは最初はエドウィン・ダンにより「真駒内種畜場」が開設され
60年以上に渡り北海道の酪農と畜産の先進者であり続けました。
 
終戦後に米軍が進駐し基地は「キャンプ・クロフォード」と変わり急ぎたくさんの施設が建設された。
その後10年間、千歳基地とともに占領軍の本道重要基地として占領業務の拠点となった。
 

昭和27年に警察予備隊から保安隊に改編され、昭和29年に自衛隊が発足した。
その年の9月1日に真駒内駐屯地が開庁。
同年に北海道防衛任務を米軍から自衛隊に委譲する「防衛任務委譲式」が行われた。

種畜場→米軍キャンプ→自衛隊駐屯地と変遷しました。

 

今回の見学施設では種畜場時代の牛舎とサイロ
それと米軍キャンプ時代の施設群になります。

 

残念ながらこの時はコロナ過で見学は1時間内
牛舎とサイロの中をみることが出来なかった

 

屋根から突き出たドーマ窓の連続は米軍によって改装、取り付けられたもの
何でも牛舎を将校クラブとして使用しダンス場とかにしていたのでしょう
その明り取りかと思います。

サイロは展望台となり今でも入場することが出来そうです
牛舎は現在は「札幌雪祭り」の雪像の資料室となっており見学も平時であれば可能です。

種畜場時代の建物としては唯一の建物なので
とても貴重で時代を見てきた建物だ。

 

 

「劇場」 旧進駐軍キャンプクロフォード劇場 
       
 
所在地 南区真駒内17
建築年 昭和22(1947)年
指定等 
開館時 一般公開はしていません
 
 
 
 
 
劇場は同教会と道路を挟んで向かい合うように建っています
キャンプ時代の建物で現存しているのはこのような娯楽施設が多い
 
なだらかな山型の建物には惹きつけられました
国内ではあまり見ないこの外観は主に日本に配属されたノースキャロライナ州の原風景に似ているからと言われます。
札幌雪祭りで自衛隊会場があったことを覚えている市民は多いと思います
雪祭り見物に来た人がここでディズニー映画を見せてもらったの証言もありました。
 
現在は倉庫使用のようです。
 
 
 
 
「講堂」 旧キャンプクロフォード教会
       
 
所在地 南区真駒内17
建築年 昭和22(1947)年
指定等 
開館時 一般公開はしていません
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
これらの建物を建築するための物資や人員は旧定山渓鉄道 真駒内駅(現在の地下鉄自衛隊前駅と真駒内駅の中間と言われている)から
鉄路をキャンプ内に引き込み運搬しました。
目の前が種畜場で駅舎以外は人家も少ない地域だったそうです。
 
講堂は尖塔アーチや4本の円柱が印象的です
キャンプ時代は教会として建築されました。
 
この教会と劇場が向かい合っている姿は現在でも異質な光景で記憶しました。
 
 
 
 
「倉庫」 旧真駒内種畜場試験研究庁舎 
       
 
所在地 南区真駒内17
建築年 昭和12(1937)年
指定等 
開館時 *現存していません?
 
「札幌の建築探訪」1998年発行時では現存していたが、基地内にはなかったと思います
探し切れてないかもで「?」にしておきます。
 
建物は白地2階建てで両翼が長く絵になる建物です。
 
 
 
 
「札幌の建築探訪」では以上の登録ですが
せっかくなので他の施設も紹介します。
 
まず「資料館」
ここが見学施設です
1~3号館まで並んで建っておりそれぞれ自衛隊~屯田兵~旧軍とテーマ別になっています。
 
 
 
ここはキャンプクロフォードの兵舎で同じ建物がズラリと並んでいたようです
現存しているのは3つのみ。
 
 
 
 
 
 
 
これは日清戦争当時のですね
 
ピンクライン内がキャンプクロフォード かなり広大ですね 種畜場もそれだけ大きかったということでしょうか
 
線路の引き込みや滑走路からゴルフ場まで見えます
地図的には南区役所はゴルフ場跡?
 
 
司令部は五角形のペンタゴンで米軍撤収後は自衛隊も使用していた
 
 
「図書館」
 
現在は会議室として使われています
 
 
「パン工場」
 
現在は倉庫のようです?
 
 
 
見学は担当官の方がつきっきりで説明をしてくれました。
帰途時に訳を話し、門に向かう途中に米軍施設があったら撮影して良いかと尋ねたところ
他に図書館やパン工場もあるよと地図で説明してくれました。
 
まさに地元に愛される自衛隊を感じた。
 
上記申し込みで行きたい時に見に行ける駐屯地の見学をお薦めします
ただあまりに撮影に熱中して勝手に中に入ったりしたら
どうなるかは責任は持てませんよ。
 
 
2020年9月撮影
 
 
 
 
 
 
「有島武郎旧邸」 
       
 
所在地 南区芸術の森2丁目
建築年 大正2(1913)年
指定等 さっぽろ・ふるさと文化百選
開館時 9:45~17:00(6月1日~8月31日は17:30)
休館日 4月29日~11月3日無休
11月4日~11月30日土日祝のみ開館
入館料 無料
 
 
 
 
有島武郎が札幌農学校の教授時代に住んでいた北12西3での住まい。
現在は南区の芸術の森に移築されています。
 
 
 
林の中にたたずむ姿は北区時代と違い綺麗に塗装をされています。
 
 
 
 
 
有島武郎が出た後はいくつかの金融会社や北大の寮に使われていました。
 
 
 
中に管理人さんがいて詳しく説明してくれます
 
窓枠の井形とひし形がなんともモダン
 
 
 
 
 
窓と畳がちょっと合わないかなと思うのは改装された部屋かも知れません
 
 
 
 
 
 
「或る女」は有島さんの代表作として教科書に出ていました
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
札幌にはもう1棟、有島武郎の旧邸がありましたが現在は「開拓記念館」に移築されて内部の見学も出来ます。
 
高名な作家である有島武郎の旧邸が芸術の森に移築されたのは必然かも知れませんね
見た目華やかな現在の外壁もいいですが現存時の木造のままもいい味出してます!
 
 
 
 
 
 
2020年8月撮影
 
 
 
 
 
 
 
 
「ふせ食品」 旧柴原商店 
       
 
所在地 南区滝野
建築年 昭和26(1951)年
指定等 
開館時 一般商店です
 
 
 
豊平区、南区側から滝野公園に向かうとき坂を下った平地にいきなり商店が目に入る
周囲は山以外に何もないような場所に商店とはなんとも不思議な空間。

自販機の利用はあるが店内は入ったことは無い
家の裏は川が流れ、自然がいっぱいである。
 
昭和26年の建築とあるがもっと遡るように見えると建築探訪に記載してあったが
冬が厳しそうなこの地にあるので見た目に老けてみえるのだろう
 
管理が大変そうなのが判りますね
 
 
 
2020年9月撮影