札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

小樽の建築探訪 1-藪半内蔵 ~ 10-小樽倉庫(株)No.1、No.2

2021-03-08 17:42:21 | 小樽市

 

今回から「小樽の建築探訪」に従って進めて行きます

札幌の建築探訪よりさらに古い1995年の発行なのですでに26年経っています

ゆえに、すでに取り壊しになった建物も多いかなと?

おそらく札幌とはちょっと趣の違う建物が多くなると思う

「小樽の建築探訪」のスタートは市内の中心部、稲穂町からです。

 

 

 

「藪半内蔵」  
       
 
所在地 稲穂2丁目19-14
建築年 大正末
指定等 
開館時 藪半の営業時間による
休館日 藪半の営業時間による
入館料 飲食店です
 
藪半は小樽の老舗のそば屋さん
創業年は昭和29(1954)年
現店舗はかなり年季が入っているように見えるけど昭和61(1986)年です。
 
「内蔵」が小樽の建築探訪に登録されており
小樽に行ったときに昼食込みで店内に入った。
 
ちなみに駐車場はお店の前に9台もあるので有料Pに入れる必要はなし
ただ入れた番号を店の人に申告する。
 
 
店内は奥行きがあり手前側がテーブル
奥が「蔵」で座敷。
 
私が行ったときは、皆さんテーブルがよろしいようで満席であったが
奥の座敷は空いておりちょうど良かった
 
メニューはたくさんあり小樽といえばのニシンそばがあったが
あえて鍋焼きそばにした。
 
 
 
この蔵は店舗と繋がっているが元は2軒となりの「旧白鳥家別邸」の蔵である

別邸はキャバレーとなり今は取り壊されたが蔵は藪半がしっかりと守っている。
 
 
小樽では蔵を利用した飲食店が多い
古民家風にレトロを求めたこともあろうが
市民が壊さずに利用しようとする気概があるのかなと思った。
 
 
女性の店員さんに老舗のお店ですねと言ったら
「いや~ウチなどまだまだで〇〇町に〇〇が、〇〇町に〇〇が」
と商売敵を教えてくれた

これも小樽人だなぁと思う。
 
 
2020年11月撮影
 
 
 
 
 
「現代」 旧白鳥家別邸 
       
 
所在地 稲穂2丁目19-16
建築年 明治42(1909)年
指定等  
解体年 2012年 *現存していません
 
 
藪半さんとはアパートを1軒挟んで、現在は有料駐車場になっている。
 
平均50代以上のホステスさんのお店として小説の舞台やTVなどでも紹介された有名な現代をまさか取り壊すとは思わなかかった。
 
中には入ったことは無いが2011年のストリートビューには在りし日の
建物が写っているので掲載します。
 
 
 
 
 
 
「奥村宅、戯屋留堂、叫児楼」 旧田居呉服店 
       
 
所在地 稲穂2丁目17-17
建築年 大正7(1918)年
指定等 
開館時 お店によります
休館日 お店によります
入館料 叫児楼は飲食店です
 
 
国道5号線と都通りの間に2車線分の一方通行道路「静屋通り」がある
いつごろからか当時のお洒落なカフェやアンティークショップ、個性的なお店が連なるようになった。

個人的にはシフォンケーキで有名だったお店や有田ドラッグが懐かしい。
 
前記の「藪半」も「現代」も「叫児楼と戯屋留堂」もこの静屋通りにあり
叫児楼と戯屋留堂は先駆者的なお店であった。
 
 
 
こちらが戯留堂 アンティークのお店だったと思う(現在は移転しています)
現店舗は美容室「free will」が営業している。

 
 
隣の蔵が叫児楼   入口が狭い

 
現在は2代目叫児楼
先代が引退した後に常連客だった現店主が引き継いだとのこと

 
元は呉服店と蔵であったが、質店を経営していた奥村家が所有し、
質店が閉店した後に友人同士であった叫児楼と戯留堂の店主たちが借り受けて営業を始めた
1976年のこと 古民家や蔵を利用した店舗作りの先駆者ではないか。
 
友人同士で新しい風を起こしたり、常連客に店を引き継ぐとか
先代たちは中々の人たちと感じた。
 
 
2020年6月、11月撮影
 
 
 
 
 
 
「POST ONE」 旧小樽中央通郵便局 
       
 
所在地 稲穂2丁目9-9
建築年 大正14(1925)年
指定等 
開館時 *現存していません
 
郵便局兼住居して建設される 洋風のファサードと大きな郵便マーク〒が異彩を放っていたようだ。
住所からはJR小樽駅前通りのツルハビルあたりと思われる。
 
 
 
 
 
「ミキ靴店」 旧丸ヨ白方支店  
       
 
所在地 稲穂2丁目14-1
建築年 明治40(1907)年
指定等 小樽市指定歴史的建造物
開館時 テナントの営業時間による
休館日 テナントの営業時間による
入館料 雑貨店です
 
 

かつて小樽都通りはアーケードのある小樽1の商業地帯ではなかったか

小樽人は札幌の狸小路を見て「都通りみたいだ」といい
札幌人は小樽の都通りを見て「狸小路みたいだ」と言ったとか……
 
店舗はその都通りに面している唯一の「小樽の建築探訪」に登録された建物です。

ミキ靴店の前身は酒醸造店であった
昔の酒屋はこんなにお洒落だった。

 
素晴らしいね

 
 
当時は清酒「神威鶴」を製造していたそうです。
 
 
現在は輸入雑貨・衣料品の「December3」が入居している
店舗に合った業種だと思う。
 
 
2020年11月撮影
 
 
 
 
 

 

 

「JR小樽駅」 旧国鉄小樽駅 
       
 
所在地 稲穂2丁目22-15
建築年 昭和9(1934)年
指定等 
開館時 無し
休館日 無し
入館料 無し
 
 
現在の駅舎は昭和9年に竣工した「三代目」である
札幌の建設会社、伊藤組の施工であった。
 
一番最初の駅舎は「小樽中央駅」として明治36(1903)年に開業した。
 
北海道内初となる鉄骨鉄筋コンクリート造の駅舎です。

こちらは入口の上部
 
テナント通路もランプと凝っている
 
エントランスホールやホームに飾られているランプは、
当時の駅長が「小樽駅の特色を出したい」と北一硝子に要望し、昭和62(1987)年に北一硝子がランプ108燈を駅へ寄贈したことに始まり、
1999年(平成11年)には改札口上の窓とホームに設置するランプを寄贈して合計が333燈になった。
 
こちらはホーム側
 
 
レトロな雰囲気が残る駅長室は2011年(平成23年)に使用停止となった。
大昔、小樽駅で私は立ち食いソバを親父は日本酒を飲んだことを思い出した。
そんな赤ちょうちんみたいな店があった駅は今や
お洒落なパン屋やハンバーガーチェーン店がテナントで入るようになった。
 
これは嬉しいことじゃあないか。
 
 
2020年6月撮影
 
 
 
 
 
 
 
「都会館」 旧第21区火災予防番屋 
       
 
所在地 稲穂4丁目4-7
建築年 大正12(1923)年
指定等 
開館時 一般公開はしていません
 
 
 
小樽駅を運河方向に真っすぐに下ると右にアーケードの「都通り」
反対側にあるのが「梁川通り」(アーケードがない)
 
都会館は梁川通りにあるが実際にはどちらも都通りというのが本当らしい
それで都会館か…
 
アーケード街にくらべてひっそりとしている梁川通りだが
そこにはレトロな風景が多くあり、その一角が都会館です。
 
 
 
このような火災予防番屋は30数か所あったといわれている
多くは老朽化のため取り壊しとなっているが会館として転用され火の見やぐらや半鐘まで現存しているのはここだけのようだ。
 
補修はされているようだが主たる部分はそのまま残っている
レトロ感溢れる町内会館です。


正面上部の壁に「桜に鳶口」のレリーフ
脇に火の見やぐらと半鐘
 
これらはここが火災予防番屋であった証です。
 
 
2020年6月、10月撮影
 
 
 
 
 
 
 
 
「(株)山二わたなべ」 旧渡邊徳二郎商店 
       
 
所在地 稲穂4丁目6-1
建築年 昭和5~6(1930~31)年
指定等 小樽市歴史的建造物
開館時 一般公開していません
休館日 一般公開していません
入館料 一般公開していません
 
 
 
 
 
山二わたなべも梁川通りの顔としてランドマークになっている。

褐色のタイルに塔屋をのせている住居兼社屋
酒樽の看板はここがかつて日本酒を醸造し販売していた名残りだ。
 
 
 
昭和45(1970)年に自社工場を廃止し他の醸造所に自社ブランドの酒を委託製造してもらう
 
その後、委託醸造先が閉館することになり、新しい委託先を探したが折り合いつかず
2016年で出荷停止となった。
 
 
店内の様子も素敵だったようです。
 
建物には小樽市指定歴史的建造物の指定がされたが
閉まったままのシャッターが開くことがあるのだろうか
 
10銘柄あったと言われる自社ブランドの復活を見てみたいね。
 
 
2020年10月撮影
 
 
 
 
 
 
 
「松浦貸家」 旧川合征店貸家 
       
 
所在地 稲穂5丁目
建築年 昭和初期?
指定等 
開館時 住宅なのでありません
 
 
 
当時のままと思われる住宅が数軒現存していた
中には空き家にもなっている。

木造2階建ての「文化住宅」
玄関窓や造作、ハーフティンバーを用いるなどオーナーの洋風好きがわかる。
 
何とか残して欲しい住宅だ。
 

 
 
 
 
2021年4月撮影
 
 
 
「小樽倉庫(株)No.1、No.2」 
       
 
所在地 港町2-2
建築年 大正13(1924)年
指定等 
開館時 テナントによります
休館日 テナントによります
入館料 飲食店です
 
 
 

一つの倉庫に見えるけど、真ん中の白線から左がNo1、右がNo2
 
ナンバリングが見えますか?
 
 
大正時代の石造り倉庫は小樽ならではで港湾都市に多いのでしょうね


運河沿いに連なって見える倉庫群で
現在は左ハジのレンガ造りは「大同倉庫」のレストラン輝
「小樽倉庫No1」の小樽ビール醸造所
「小樽倉庫No2」のびっくりドンキー
右ハジのクリーム色が「澁澤倉庫(大河ドラマの)小さな結婚式で
共に倉庫を倉庫として利用せず飲食店関係で利用している。
 
建物の裏側の通りは両側とも倉庫になっており印象的な通りなっている。
 
 
2020年11月撮影