
原題 THe Best Offer
この映画を見終わった後の感想ーーこんな老人をいじめる映画ははやめてくれというもの。

見終わった後ではなく、見ている途中から叫びそうになりました。
こんな騙し方、主人公がかわいそう!

途中まで非常にミステリアスな内容。こういう映画って、前知識全然ない方がいいですね。タイトルでお客さんをつるっていうか、そういう手法が合いそうな映画です。
でも、中盤、依頼人を主人公が部屋の陰から覗き見しているシーンで、依頼人に電話が入ります。そのときの受け答えが、十数年も部屋に閉じこもりだったという割には、気心が知れたように話しているので、あれって思いました。(彼女の容姿自体からして、十数年も閉じこもりだったとは見えませんが。)
閉じこもりの人にそういう友達っているんでしょうか? 内容もおそらく男友達のような内容でした。
残念な事に、ここで主人公が物を落として大きな音を出してしまうので、依頼人に感づかれ、そこで電話での会話はストップ。
このときにもっと電話の内容を聞く事が出来たら、物語はだいぶ変わった物になると思うのですが。でもその後、このときの電話の内容を主人公は全然問題にしていない、というのが私には気になりました。

この瞬間に、もしかしたら、と映画の結末が見えてしまった感じ。この人、騙されているんじゃないかと。。。
それにしても、お屋敷を借りたり、家具や調度品を搬入したりと、今回の詐欺にはかなりのお金がかかっていそう。
とても機械職人のロバートや依頼人のクレアだけで出来るはずがない。
映画ではそこのところは語っていなかったと思いますが、もしかしたらドナルド・サザーランド演じるビリーでしょうか?彼は主人公のヴァージルとともにオークションでやらせをしていた関係で、ヴァージルがかなりの高額な絵を所有しているという事は知っているはず。


映画冒頭でビリーが自らの境遇を嘆く場面がありますが、今回の黒幕はこのビリーですね。
最後ではこのビリーほとんど出てきません。はっきりと映画の中で黒幕という事は描いていませんが、彼でしょう。
また喫茶店の数字と記憶が得意なおばさん。どうしてこういう女性が映画に必要なのか、と思って見ていましたが必要なんですね。最後、この女性の証言で、ヴァージルは裏切られた、と確信するのです。
ミステリーとしてはかなり計算されている映画。登場人物にむだな人間はいない、というすべてがこのミステリーをつくるために必要な登場人物ばかりです。うまい!
また、ヴァージルを演じたジェフリー・ラッシュ。相変わらず、独特な雰囲気を醸し出していますね。

という事で
🍎🍎🍎
をつけたいところですが、老人をいたぶっている内容なので、今回は
🍎🍎
ですね。長年つきあってきたビリーやおそらくロバートも昨日今日の知り合いではないと思いますが、そういう人に裏切られ、老人ホームに追いやられた主人公の無念な気持ちを考えると、🍎二つです。まあ、ビリーの気持ちも考えなかった主人公も悪いのだとは思いますが。
現実にもありそうで、こわいこわい。
それにしても原題のThe Best Offerとは良く考えたタイトルです。皮肉たっぷり!
BestなはずのOfferが実はWorstだったんですね。

映画『鑑定士と顔のない依頼人』予告編