2002(平成14)年から活躍した選手が北海道出身の佐藤久佳氏である。
佐藤氏は個人メドレーの選手であったが、どの種目もバランスがよく特に自由形の能力が高い選手であった。
高校2年生から頭角を現し、高校3年生のときには200m個人メドレーで優勝、800mリレーでは1:49秒台という記録を出した。
夏季JOCでは100m自由形で高校新記録を樹立した。
2005(平成17)年大学入学後、最初の日本選手権では世界選手権の日本代表に選出された。
その時、400mリレーの引継ぎで48秒5という記録を出した。
100m自由形で長年にわたり日本人にとって壁となっていた、50秒台を突破できる可能性を感じさせた瞬間であった。
それが実現したのが、同年の日本学生選手権であった。
日本大学の1年生として、400mリレーの第1泳者で日本人初となる100m自由形49秒73を樹立した。
その2日後には100m自由形決勝で49秒71の記録を出した。
そして2008(平成20)年の北京オリンピック代表選手に選出された。
柴田隆一氏と共に複数参加となったのは、水泳部史上東京オリンピック以来のことである。
北京オリンピックの競泳監督は上野広治氏、トレーナーとして小沢邦彦氏も帯同し、日大豊山OBが大変活躍した大会であった。
佐藤氏は最終日の最終種目である400mメドレーリレーのアンカーとして見事、銅メダルを獲得した。
オリンピックメダリスト誕生は1960(昭和35)年ローマオリンピックの石井氏以来、48年ぶりの快挙であった。
竹村知洋