これは書道家の破留(はる)氏に頂いた色紙である。
私はこの言葉は、トップに立った者の苦悩をあらわす言葉としてとらえている。
皆がそれぞれの分野で一番になろうと努力をしている。
トップに立つまでは、一番になろうという目標があるため苦しいことがあってもそれに立ち向かおうという強い気持ちを持つことができる。
しかし、一度トップに立った者は一体どのような気持ちでそれを維持していけばよいのか。
大相撲の横綱、ボクシングの世界チャンピオン、オリンピックの金メダリスト達は皆、直面する問題だと思う。
負けが許されないというそのつらさは、一番になったことがある選手やチームにしか分からないものだろう。
本当に強い選手やチームは、一位になることだけでなく、それを維持することにあると考えている。
トップを保つためには、圧倒的な強さを身につける以外にない。
私の場合、感情や結果にとらわれず「為すべきことを為す」というインド哲学の言葉や日大豊山水泳部の伝統を守るという使命感が自分を支えている。
竹村知洋