3日目はエクスカーションに参加。
天竜二俣駅、秋野不矩美術館、掛川城を巡って参りました。
1ヶ所目は、天竜二俣駅。
天竜浜名湖鉄道のほぼ中間に位置し、機関車転車台や扇型車庫、運転区事務室、洗車機、高架水槽などが開通当初の昭和15年当時のまま残されていました。
構内の建造物のほとんどが登録有形文化財になっていて、ノスタルジックムード満載な空間を味わってきました。アニメの聖地とも言われているそうです。
2ヶ所目は、秋野不矩美術館です。
藤森照信氏の設計で、高台にある美術館まで辿る坂道の所々にも、拘りを感じる設えがあり、息切れしながらも、胸が躍りました。
登り切った先で出会った美術館は、素朴でありながら不思議な存在感があり、藤森建築としては、少し控えめな印象でした。
内部は下足を脱いで観賞する、特色のあるスタイルで、大理石の床の展示室では無意識のうちに床座になっておりました。
個性的な観賞空間を構成している美術館でした。
企画展開催中で、秋野画伯の作品を絵葉書でしか拝見できなかったことが心残りです。
6月に諏訪を訪ねたこともあって、今年は、藤森建築にご縁がありました。
3か所目は、掛川城。
江戸時代に山内一豊が整備した掛川城は、嘉永7年の大地震によって倒壊します。
その天守閣が140年経た1994年、掛川市民の寄付によって再建されたのだそうです。
一豊が高知城を築城する際に「掛川城のままに」と指示していた資料があり、
復元に際しては高知城に基づいて造られたそうです。
高知城は掛川城を基にして造られて、現在の掛川城は高知城を基にして復元されたって、ちょっと不思議な感じ
当時の資料を参考に、当時の建築方法に基づいて建てられた天守閣は、日本で初の木造復元天守閣とのこと。
その中にふんだんに青森ヒバが使用されており、なんとも誇らしい気持ちで見学できたことを特筆しておきます。
3か所の見学を通じて、静岡の歴史や文化に触れることができました。
のんびり天浜線に乗って、途中下車しながら景色とグルメを満喫して、
次こそは秋野画伯の作品をあの美術館で観賞したい、そんな旅情にかきたてられています。
@ふると
追記
エクスカーションのランチ
どうしても訪ねたいと思い、大会を抜け出して出掛けたのは登呂遺跡。
私の記憶では、教科書に出てきた最初の遺跡なんだよね。
静岡駅から路線バスで約10分。
復元された竪穴式住居と高床式倉庫がありました。
縄文の遺跡しか見てこなかった私にとっては、かなりの衝撃でした。
高床式倉庫はもちろん弥生時代のものだけど、竪穴式住居は縄文の物と似て非なり。
資料館へ行って、その理由や色んな違いを学ぶことができました。
登呂遺跡に隣接して、静岡市出身の芹沢銈介美術館があり、そちらも覗いてきました。
と言うか、こちらが目当て。笑
孤高の建築家・白井晟一氏の設計。
昨年のあきた大会で白井作品を見学したので、外せないと思っていたのです。
建物目的で訪ねましたが、芹沢氏の作品に触れ、民芸のよさを感じてきました。
白井氏の設計は、美術館としては頂けない設えもあったようなことでしたが、
贅沢な空間を味わってきました。
やっぱり、行って見て、感じることが、大事だよね。
@ふると
一応、大会の方から。
27日の午前中に歴史まちづくりセッションに参加。
3つの事例発表を伺いました。
いずれも江戸時代から続く、歴史のある町をベースに行われた活動で、
それぞれの町に特徴があって、熱量があって、ワクワクが止まらない。
そんな事例報告にまたしても熱い思いがこみ上げてきました。
なにか、やりたいような気分になるんだよね。
およそ2時間のセッションを終えて、お弁当を受け取ってランチ。
その後、本当は基調講演と大会式典に出る予定を
個人参加の特権をフル活用して、単独のエクスカーションへ出かけました。
#3につづく。
@ふると
会場の静岡グランシップ
静岡県イメージキャラクター ふじっぴー
お昼のうなぎ弁当 地ビールと共に
一ヶ月以上過ぎてしまった!!
10月26~28日の3日間、建築士会全国大会へ行ってきました。
今年は、静岡市が大会会場。
八戸駅を始発で出ると、静岡駅には午前中に着いちゃう。
東京駅での乗り継ぎに約30分要して、トータルで4時間20分。
こんなに近かったのかと驚いてしまいました。
そして、大学時代にとっても仲良しだった友人が静岡在住なので、再会してきました。
なんと・なんと!
結婚式にお呼ばれして以来なので、31年ぶりだそう。(お式は東京でした)
彼女とは学科が違ったのだけど、本当に仲良くしてもらいました。
なのに、30代のはじめ、頂いた手紙などにお返事をしないと言う、私の無礼がもとで、
音信不通になってしまい、謝りたいし、会いたいし。
Facebookでつなっがっていたのだけど、ようやく再会を果たすことができました。
彼女の運転で、日本平ホテル、久能山東照宮、日本平夢テラス、案内してもらいました。
ご主人は彼女と同じ学科で同期。
そう、引越を手伝ってもらったのよね。
夜はご主人も合流して、思い出話や近況や、楽しい時間を過ごしました。
また、小分けにして、ちょっとずつ、旅の思い出を綴りたいと思います。
@ふると
ちょっとだけ拝顔できた富士山
久能山東照宮
日本平夢テラス
長きにわたりました、あきた大会のレポートもこれにて終了。
久々に参加した全国大会。
やっぱり、熱い思いを感じてきました。
ヘリマネをもっと活動できる流れを作っていきたい。
白井 晟一氏と言えば、ノアビル、松涛美術館しか知らなかった。
独特の数寄屋的発想や哲学出身という経歴など興味深い、ちょっと紐解いてみようかと思う。
後悔したことは、いつも建物探訪に一緒にいく友人を誘うことを失念したこと。
山形の同業友人もあきた大会に参加していたことに、帰ってから知ったこと。
秋田は米どころ、だからこそ、日本酒も美味しい。
能代では秋田杉の一大産業があり、小坂へ行くと鉱山で栄えた歴史があり。
豊かな所だなぁ~と、つくづく思う3日間でした。
秋田県建築士会の皆様、連合会スタッフの皆様、
充実した3日間を過ごすことができました。
ありがとうございました。
@ふると
株式会社松本工務店とのコラボ公開中 シンプルハウスMK
【隠れ客室 ~ 杉亭・嵐亭・漣亭 ~】
こちらは稲住温泉の離れとして造られた客室。
近年改修工事が行われて、お色直しをしたそうですが、
元々の設計仕様のままだそう。
客室それぞれに、浴室(露天風呂のあるお部屋も)、トイレ、水屋が備えられ、
贅沢なリビングと和室、そして寝室。
その名の通り、他の宿泊客との接点を持たずに、まったりと過ごせる隠れ客室。
1泊2食で、14~15万と聞いたのですが、それ以上の価値はあるかも。
私は、拝見しただけで充分です。笑
建具の戸じゃくりとか、細部までいちいち拘っているのよね。
お部屋までの廊下にも数段の階段があったり、客室内も小上りになっていたり、
バリアフリーとは相反する造りというのが、ちょっと残念。
寝室の入り口が潜りになっていて、艶めかしく感じたのだけど、どうやら私だけだは無かったよう。
映画だか、ドラマだか、「ひとひらのゆき」で濃厚なシーンの撮影が、いずれかのお部屋でされたのだそう。
一応部屋ごとに撮って来たけど、あまりにたくさんなので、本当にダイジェスト。
@ふると
株式会社松本工務店とのコラボ公開中 シンプルハウスMK
最後に訪れたのは、稲住温泉。
こちらには、2つの作品が残されていました。
【秋ノ宮村役場】1951年
一見、スキー場のペンションかと見紛う外観の役場。
現在は稲住温泉敷地内に移築保存されています。
深く軒を出した緩い勾配の屋根、広い開口、雪国のバルコニー。
着工前に地元住民から寄せられた、この地にふさわしくないとの意見だったそうですが、
当時は実証で全て逆の結果を出したのだとか。
ただ、残念なことごく最近の積雪が原因だろうと思うのですが、
その昔心配されたことが現実に…、庇がバッサリ落ちていました。
こちらも玄関ポーチの柱の細工、水下のほおづえ、工夫が目を引きます。
修復されて、保存活用が進むことを祈ります。
@ふると
株式会社松本工務店とのコラボ公開中 シンプルハウスMK
3か所目は、【四同会館】(しどうかいかん) (四同舎とも)
1959年(S34)竣工。RC2階建。
この地の酒造家たちが出資、秋田国体に備え集会施設として建てられた。
コンペだったそうです。
外観は奇をてらってはいないシンプルな様子ですが、
黒塗りの鋼板製の柱型と白いタイルのコントラストが重厚感を出しているような気がします。
そして、なんと言っても印象的なエントランスの階段と吹抜けです。
実はこの階段を真似したことがあるんですよ。ずいぶん前、ある事業施設で。
真似したくなるのよね。
さて、写真が多くて、くどいのですが、
大胆な空間構成の中に、収納スペースの丁番やエントランスドアの鍵穴。
玄関ドアの袴にも細やかな細工が!
石とコンクリートとタイルの調和。
大胆さと繊細さが建築士たちの目を引き付けました。
また、内部に残る、木製の折畳み椅子、籐の家具、照明器具。
当時からの物らしいのだけど、やはりセンスが違う。
現在は地元有志が保存活用を行っているのだそう。
今後のメンテナンスは大変だろうな~と。
しかし、愛が半端ないので、きっと乗り切って行くのだろうな。
@ふると
株式会社松本工務店とのコラボ公開中 シンプルハウスMK
次に訪れたのは、【試作小住宅・顧空庵】(しさくしょうじゅうたく・こくうあん)
湯沢在住の渡辺氏の依頼によって、1953年、東京上野毛に建てられた15坪の平屋住宅。
東京で学ぶご子息の生活の為に建てられたのだそう。
その後、ご親戚が住み継いでいたものが、いよいよ解体される話が進んでいた物を
いや、やはり残そうと、築後54年経過した2007年、湯沢に移築されたのだそうです。
お金持ちって、なさることのスケールが違います。
さて、見学は外部のみ、しかも、敷地内に入ることも叶わない。
大型バス2台それぞれに、乗った建築士およそ30人。
塀越し、植込み越しになんとかベストショットをと狙っている光景が、
なんとも異様、いや、滑稽だったかも。
いつか、内部も拝見する機会があるといいなぁ。
@ふると
株式会社松本工務店とのコラボ公開中 シンプルハウスMK
あっと言う間に、2週間も過ぎてしまったけれど、旅の記憶と記録を残しておきたい。
【建築家・白井晟一 秋田時代を探る】
今回の全国大会への参加を決めたのが、実はこのエクスカーション。
もし、応募多数で漏れることがあったら、参加を見送るつもりでいました。
実際、やはり人気のコースで、バスが2台になったのだそう。
陸路で行けなくはない距離とは言え、個人で運転して行くのは悩ましい場所だし、
見学のアポイントを取ることも難しそうだし、
ほぼ見学は叶わないだろうと思っていたのでね。
さて。
新幹線も、高速道路もない時代、ちょっとした縁故があって湯沢を訪れた、白井晟一氏。
それがきっかけとなって、いくつもの建物の設計をされることになったと聞く。
失礼な言い方になってしまうかと思うけど、当時、片田舎で都会の建築家との繋がりは、
お金持ちのステータスになってしまったのかもしれない。
弘前の前川みたい…と思ったのだけど、どちらかと言うと個人の施主さんからの要望があったようだし。
とは言え、どの建築物も時代を経て、今なお優れていることは間違いない。
全部を一気には難しいので、建物ごとに分けて記録します。
最初にお邪魔したのは、髙久酒造酒蔵茶室・琅玕席(たかくしゅぞうさかぐら・ろうかんぜき)。
なーんと、写真が見事に全部ピンボケ!
酒造監査を接待する座敷としてる造られたそう。
蔵の2階にぽつんとある、隠し部屋。
まさに取ってつけたみたいな状況。笑
畳の上に建てられた床柱、丸削りの竿縁天井。
床柱、落とし掛け、畳の継ぎ目、微妙にずれていて、空間に抑揚があるとの解説。
確かに、その「ずれ」は計算されたかもだろうし、現代の数寄屋とも感じました。
なれど、個人的には、そう納めるしかなかったのではないか…?
職人さん達の知恵が活かされているディテールと思ったのだけれど、真相やいかに。笑
ピンボケだけど、ちょっとだけ。
そして、辛うじて、ピンボケではなかった、酒蔵の写真も。
@ふると
株式会社松本工務店とのコラボ公開中 シンプルハウスMK
そして、大会当日。
朝9時には宿泊先を出発して、歴史まちづくりセッションに参加。
ヘリテージマネジャー大会でもあります。
秋田県の4名の方がそれぞれの取組みや活動を発表されたのだけど、
学びはもちろんだけど、驚くことばかり。
青森県は、2019年にようやくヘリテージマネジャーの講習が行われたのだけど、
秋田県は各市で、それも、2度3度と行われていて、市ごとに数十名のヘリマネがいる様子!
青森県は全県で21名。三八支部で3名、八戸市は私ひとりだよ。
人数だけでも凄いけど、取り組みの内容が素晴らしい。
昼食を挟んで、秋田国際大学学長のモンテ・カセム氏とAIU図書館を設計された仙田満氏の記念対談。
これまた、厚みのある濃いお話で、一緒に行った友人と、「いい話を聞いた後は、何かしたくなるね」と。
しっかり感化されてきました。
今回希望者多数で外れてしまったのだけど、秋田国際大学の図書館は絶対見学に行かなければ!
記念式典はチョンボして、お土産を買いに行き、県立美術館で藤田嗣治氏の作品を堪能。
美術館のカフェで小休止と、まったりしていたら、真ん前の広場で竿灯が始まって!!
もう、何と言うか、実り多き一日だったのであります。
ま、夜のお食事で楽しいハプニングもあったのですが…笑
と言う感じで、二日目の日程を消化しました。
@ふると
株式会社松本工務店とのコラボ公開中 シンプルハウスMK
歴史まちづくりセッション
メイン会場 あきた芸術劇場ミルハス
ミルハス 大ホール 伝統工芸・樺細工をモチーフにした素敵な会場でした。
県立美術館のカフェ 水盤の水が抜かれてて残念。空気清浄機が残念。
アップルパイとコーヒーで小休止。美味しかった~!
先週のことになりますが、13~15日、建築士会の全国大会が開催されまして、
秋田県へ行って参りました。
コロナ禍以降の初の旅行。
しばらく前から、わくわく・ドキドキでした。
大会メインは14日。
お隣の県なのに、始発で出ても、午前のプログラムに間に合わない為の前泊。
姫たちが家族になって、初めての外泊だから、少々心配ではあったのだけど、
新幹線に乗っちゃったら、そんな不安もどこかへ行っちゃって、2泊3日を満喫しちゃいました。
高校時代の友人がいるので、初日の夜は、彼女と食べて・飲んで。
秋田の銘酒を堪能しました。
@ふると
株式会社松本工務店とのコラボ公開中 シンプルハウスMK
久々の建築士会の活動、今年は八戸市とのコラボ。
小学校で景観プログラムの授業を行っています。
小学校のあるエリアで、街を探索してもらって、
普段何気なく歩いている場所から、推しの場所や物を見つけてもらう。
そうして、景観に対して感性を養ってもらおうということ…たぶん。
久々に行った小学校で、何よりびっくりしたことは、
マイタブレットを全員持っていて、巧みに操作していること。
ソフトは、パワーポイントの簡略版的な感じ。
撮った写真に付箋でコメントを付けるみたいな。
写真に描き込みをする子もいるし。
写真もなんかいいんだよね。
昨日、担当したグループでは、まとめの作業の時に、
みんなの意見を手書きで書き出す場面があったんだけど、
字が上手だし、下書きもなく、補助線もないのにまっすぐ書いていく。
視覚的なバランスがいいんだろうな~!
残念なことは、将来なりたい職業に建築関係が無かったこと。
これを機会に、建築に興味を持ってもらえたら、いいんだけど。
@ふると
6月から始まった、ヘリテージマネージャー養成講座も、折り返し地点。
今回は、実測演習と言う事で、弘前へ。
弘前城近くに残る、武家屋敷のひとつ、旧笹森家住宅を実測して、
図面化、そして活用方法を見出す…、と言う課題。
20名の受講で、5人ずつの4グループに分けられたのですが、
デジタルな機器を持ち込むチームもあり、
精密に記録を取る人もいたり、個性が炸裂。
そんな中、くそ真面目な県南チーム。
アナログなれど、しっかり・たっぷり調査してきました。
残暑の中での調査は、正直ヘトヘト。
でも、立面図担当の私は、そこそこ正解に近い、図面も起こせそう。
1ヶ月かけてまとめることになっているのだけど、
ちゃちゃっと済ませて、仕事しなくちゃな日曜日。
@ふると